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ループ実装! ゴンさんを守れ! - (2012/04/07 (土) 07:07:45) の最新版との変更点
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*ループ実装! ゴンさんを守れ! ◆Olivescz6Q
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◇ ◇ ◇
先刻、ランサーと龍昇ケンの二人を相手に、苦戦もせず優位に立ったゴンさん。
しかし現在の彼からは、その際の圧倒的なパワーは見て取れなかった。
未来を捨てるという危険な誓約と制約により授かった力は、ほんの数時間も経たぬうちに消え失せてしまったのだ。
硬く鍛え抜かれた筋肉は衰えてしまい、太く強固だった骨は穴だらけ、分厚く張りのあった肌は全面に皺が刻まれている。
――そしてつい(終)に、立つことさえままならなくなった。
受け身も取れず地面に身体を叩き付けても、地面の冷たささえ感じなかった……――
◇ ◇ ◇
脳内に響く自身のため息、胸中から聞こえる「もう終わりだな」の声。
無言で帰り始める細胞達の中、ゴンさんの思考を司る脳ミソは独り地面で泣いていた。
G・Iで手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できる仲間たち・・・
それを今のバトル・ロワイアルで得ることは殆ど不可能と言ってよかった。
「どうすりゃいいんだ・・・」ゴンさんは悔し涙を流し続けた。
どれくらい経ったろうか、ゴンさんははっと目覚めた。
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい地面の感覚が現実に引き戻した。
「やれやれ、帰ってトレーニングをしなくちゃな」ゴンさんは苦笑しながら呟いた。
立ち上がって伸びをした時、ゴンさんはふと気付いた。
「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」
地面から飛び出したゴンさんが目にしたのは、東ゴルトー共和国を埋めつくさんばかりの観客だった。
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのようにキメラアント討伐隊の応援歌が響いていた。
どういうことか分からずに呆然とするゴンさんの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「ゴン、守備練習だ、早く行くぞ」声の方に振り返ったゴンさんは目を疑った。
「モ・・・モラウさん?」 「なんだツンツン頭、居眠りでもしてたのか?」
「ネ・・・ネテロ会長?」 「なんだゴン、かってに会長を引退させやがって」
「カイト・・・」 内川は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた。
1番:キルア 2番:シュート 3番:ナックル 4番:ネテロ 5番:モラウ 6番:ゴン 7番:メレオロン 8番:パーム 9番:ノヴ
暫時、唖然としていたゴンさんだったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった。
「勝てる・・・勝てるんだ!」
ビスケからグラブを受け取り、グラウンドへ全力疾走するゴンさん、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・
翌日、ベンチで冷たくなっているゴンさんが発見され、多村と村田は病院内で静かに息を引き取った。
◇ ◇ ◇
ジュラルの魔王とヴェルタースオリジナルのおじいさんが倒れ伏したゴンさんを発見したのは、まったくの偶然であった。
「目的地? 気にするな!!!」というあてもないクセに偉そうな魔王に、ただただヴェル爺がついてきただけだったのである。
いまにも呼吸が消え入りそうなゴンさんを前に、ヴェル爺は狼狽する。
何せ、このような不愉快な催しで人が死ぬなど、あってはならない存在なのですから。
それに、ヴェル爺にとって名も知らぬ初対面の人間とはいえ、誰かにとっては大切な存在なのですから。
「ま、魔王さん!」
「落ち着くのDA!!!!」
落ち着けとの内容に反して、魔王はヴェル爺の四倍のエクスクラメーションマーク分叫んで、さらに続ける。
「いまから命令をすりゅ!
貴様に支給されたあの道具を私に渡すのDA! 若貴!?」
その言葉を受けてようやく、ヴェル爺は自身の支給品を思い出した。
もちろん、甘くてクリーミィで素晴らしいキャンディではない。
移動をしつつ確認した際に出てきた道具のことだ。
説明書を読んでも使い道はよく分からなかったが、このような事態では役に立つのかもしれなかった。
倒れているゴンさんは薬を嚥下する力もなく、そして手術を行うような大それた道具はないが、あの道具ならばもしもということもありうる。
『リピート機能』という、あの道具ならば――
「魔王さん、これですね」
「んむ」
リピート機能を手にした魔王がゴンさんの元に歩み寄っていくと、同じくしてゴンさんが吐血をした。
思わず息を呑んだヴェル爺に向けて、魔王が声を荒げる。
「この肉体、地球人にしてはかなりのもの。我が配下となるに相応しい!
治療に成功すれば、この殺し合いの脱出に一歩どころか五歩は近付く! まだまだ諦めるぞ!」
発言に脈絡がない気がしたが、ヴェル爺は触れないことにした。
余計な会話をするほど、事態に猶予はないのである。
「これより、接続すりゅ!」
かけ声とともに、魔王はゴンさんの胸部にリピート機能を押し当てる。
すると体内にリピート機能が沈んでいき、ついに肉に飲み込まれて見えなくなってしまう。
――そのとき、『リピート再生』が発動した。
衰え切っていたゴンさんの肉体が、一瞬にして殺し合い開始直後の鍛え抜かれたものに戻ったのだ。
いまにも喪失しかけていた意識も同時に覚醒し、幸せな夢はたちまち霧散する。
完治した自身の両手を眺め、ゴンさんは目を丸くした。
怪訝そうな表情を浮かべながら上体を起こすと、浴びせられたのは魔王の哄笑であった。
「ンハッハッハッハ! 一見大成功!!」
やたら高い鼻が天に向けられるほど、魔王はのけ反って笑っている。
その姿を見て、ゴンはゆっくりと手を伸ばした。
「First comes rock……」
「んん? 握手すりゅのか? ハハハ、殊勝なことだ! 死人同税のお前を救ったのは、この俺」
「Scissors」
魔王の高慢な言葉は、そこから先が告げられることはなかった。
彼の首は、ゴンさんの『チー』――二本の指から伸びた刃状の念により斬り落とされたのだ。
「Aiko is……」
物言わぬ魔王の亡骸から、ゴンさんがヴェル爺へと視線を移す。
念を知らぬヴェル爺にも、硬く握られた拳から次の攻撃を想像することができた。
(私のおじいさんがくれた初めてのお仕置き。
それはゲンコツで、私は四歳でした。
その拳は硬くてペインフルで……
こんな酷いお仕置きを受ける私のしたことは、きっととても悪い行動だったのだと感じました)
一歩ずつ、確実にゴンさんはヴェル爺に歩み寄っていく。
ゴンさんの拳を覆うエネルギーもまた、見る見る光度を増していく。
(いまでも私は、お仕置きをされる立場。
いまから喰らうのは、もちろんげんこつ。
なぜなら、私は――)
ゴンさんが足を止め、拳を大きく振りかぶった。
そのゆっくりとした動作は、相手を決して逃がさないという自信の表れだ。
事実、ヴェル爺に逃げる気力などなかった。
自信の過ちを理解し、罰を受ける覚悟を固めているのだ。
「このような怪物がいるというのに、身の程を知らず殺し合いを止めようとした……悪い存在だからです」
――ボ。
&color(red){【ジュラルの魔王@チャージマン研! 死亡確認】}
&color(red){【ヴェルタースオリジナルのおじいさん@ヴェルタースオリジナル 死亡確認】}
【E-08 森林/1日目 黎明】
【ゴンさん(ゴン=フリークス)@HUNTER×HUNTER】
[状態]:回復、ループ実装
[装備]:チェーンソー(頭の毛に絡まってる)@ジェイソンさんシリーズ、リピート機能(胸部)@ニコニコ動画
[道具]:基本支給品×2、ヴェルタースオリジナル一袋@現実、ランダム支給品(1~4)
[思考・状況]基本:カイトを生き返らす。
1:その為に優勝する。
※参戦時期はゴンさんになってから右腕を失う前です。
【支給品紹介】
【リピート機能@ニコニコ動画】
ヴェルタースオリジナルのおじいさんに支給された。
終わると始まりに戻る。
|sm30:[[ループ実装! ゴンさんを守れ!]]|[[時系列順>第一回放送までの本編SS]]|sm32:[[]]|
|sm30:[[ループ実装! ゴンさんを守れ!]]|[[投下順>00~50]]|sm32:[[]]|
|sm22:[[ボ【ゴンさん】]]|ゴンさん|sm:[[]]|
|sm07:[[優しい魔王]]|ジュラルの魔王@チャージマン研!|&color(red){GAME OVER}|
|sm07:[[優しい魔王]]|ジュラルの魔王@チャージマン研!|ヴェルタースオリジナルのおじいさん|&color(red){GAME OVER}|
||村田修一|&color(red){GAME OVER}|
||多村仁志|&color(red){GAME OVER}|
*ループ実装! ゴンさんを守れ! ◆Olivescz6Q
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◇ ◇ ◇
先刻、ランサーと龍昇ケンの二人を相手に、苦戦もせず優位に立ったゴンさん。
しかし現在の彼からは、その際の圧倒的なパワーは見て取れなかった。
未来を捨てるという危険な誓約と制約により授かった力は、ほんの数時間も経たぬうちに消え失せてしまったのだ。
硬く鍛え抜かれた筋肉は衰えてしまい、太く強固だった骨は穴だらけ、分厚く張りのあった肌は全面に皺が刻まれている。
――そしてつい(終)に、立つことさえままならなくなった。
受け身も取れず地面に身体を叩き付けても、地面の冷たささえ感じなかった……――
◇ ◇ ◇
脳内に響く自身のため息、胸中から聞こえる「もう終わりだな」の声。
無言で帰り始める細胞達の中、ゴンさんの思考を司る脳ミソは独り地面で泣いていた。
G・Iで手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できる仲間たち・・・
それを今のバトル・ロワイアルで得ることは殆ど不可能と言ってよかった。
「どうすりゃいいんだ・・・」ゴンさんは悔し涙を流し続けた。
どれくらい経ったろうか、ゴンさんははっと目覚めた。
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい地面の感覚が現実に引き戻した。
「やれやれ、帰ってトレーニングをしなくちゃな」ゴンさんは苦笑しながら呟いた。
立ち上がって伸びをした時、ゴンさんはふと気付いた。
「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」
地面から飛び出したゴンさんが目にしたのは、東ゴルトー共和国を埋めつくさんばかりの観客だった。
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのようにキメラアント討伐隊の応援歌が響いていた。
どういうことか分からずに呆然とするゴンさんの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「ゴン、守備練習だ、早く行くぞ」声の方に振り返ったゴンさんは目を疑った。
「モ・・・モラウさん?」 「なんだツンツン頭、居眠りでもしてたのか?」
「ネ・・・ネテロ会長?」 「なんだゴン、かってに会長を引退させやがって」
「カイト・・・」 内川は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた。
1番:キルア 2番:シュート 3番:ナックル 4番:ネテロ 5番:モラウ 6番:ゴン 7番:メレオロン 8番:パーム 9番:ノヴ
暫時、唖然としていたゴンさんだったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった。
「勝てる・・・勝てるんだ!」
ビスケからグラブを受け取り、グラウンドへ全力疾走するゴンさん、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・
翌日、ベンチで冷たくなっているゴンさんが発見され、多村と村田は病院内で静かに息を引き取った。
◇ ◇ ◇
ジュラルの魔王とヴェルタースオリジナルのおじいさんが倒れ伏したゴンさんを発見したのは、まったくの偶然であった。
「目的地? 気にするな!!!」というあてもないクセに偉そうな魔王に、ただただヴェル爺がついてきただけだったのである。
いまにも呼吸が消え入りそうなゴンさんを前に、ヴェル爺は狼狽する。
何せ、このような不愉快な催しで人が死ぬなど、あってはならない存在なのですから。
それに、ヴェル爺にとって名も知らぬ初対面の人間とはいえ、誰かにとっては大切な存在なのですから。
「ま、魔王さん!」
「落ち着くのDA!!!!」
落ち着けとの内容に反して、魔王はヴェル爺の四倍のエクスクラメーションマーク分叫んで、さらに続ける。
「いまから命令をすりゅ!
貴様に支給されたあの道具を私に渡すのDA! 若貴!?」
その言葉を受けてようやく、ヴェル爺は自身の支給品を思い出した。
もちろん、甘くてクリーミィで素晴らしいキャンディではない。
移動をしつつ確認した際に出てきた道具のことだ。
説明書を読んでも使い道はよく分からなかったが、このような事態では役に立つのかもしれなかった。
倒れているゴンさんは薬を嚥下する力もなく、そして手術を行うような大それた道具はないが、あの道具ならばもしもということもありうる。
『リピート機能』という、あの道具ならば――
「魔王さん、これですね」
「んむ」
リピート機能を手にした魔王がゴンさんの元に歩み寄っていくと、同じくしてゴンさんが吐血をした。
思わず息を呑んだヴェル爺に向けて、魔王が声を荒げる。
「この肉体、地球人にしてはかなりのもの。我が配下となるに相応しい!
治療に成功すれば、この殺し合いの脱出に一歩どころか五歩は近付く! まだまだ諦めるぞ!」
発言に脈絡がない気がしたが、ヴェル爺は触れないことにした。
余計な会話をするほど、事態に猶予はないのである。
「これより、接続すりゅ!」
かけ声とともに、魔王はゴンさんの胸部にリピート機能を押し当てる。
すると体内にリピート機能が沈んでいき、ついに肉に飲み込まれて見えなくなってしまう。
――そのとき、『リピート再生』が発動した。
衰え切っていたゴンさんの肉体が、一瞬にして殺し合い開始直後の鍛え抜かれたものに戻ったのだ。
いまにも喪失しかけていた意識も同時に覚醒し、幸せな夢はたちまち霧散する。
完治した自身の両手を眺め、ゴンさんは目を丸くした。
怪訝そうな表情を浮かべながら上体を起こすと、浴びせられたのは魔王の哄笑であった。
「ンハッハッハッハ! 一見大成功!!」
やたら高い鼻が天に向けられるほど、魔王はのけ反って笑っている。
その姿を見て、ゴンはゆっくりと手を伸ばした。
「First comes rock……」
「んん? 握手すりゅのか? ハハハ、殊勝なことだ! 死人同税のお前を救ったのは、この俺」
「Scissors」
魔王の高慢な言葉は、そこから先が告げられることはなかった。
彼の首は、ゴンさんの『チー』――二本の指から伸びた刃状の念により斬り落とされたのだ。
「Aiko is……」
物言わぬ魔王の亡骸から、ゴンさんがヴェル爺へと視線を移す。
念を知らぬヴェル爺にも、硬く握られた拳から次の攻撃を想像することができた。
(私のおじいさんがくれた初めてのお仕置き。
それはゲンコツで、私は四歳でした。
その拳は硬くてペインフルで……
こんな酷いお仕置きを受ける私のしたことは、きっととても悪い行動だったのだと感じました)
一歩ずつ、確実にゴンさんはヴェル爺に歩み寄っていく。
ゴンさんの拳を覆うエネルギーもまた、見る見る光度を増していく。
(いまでも私は、お仕置きをされる立場。
いまから喰らうのは、もちろんげんこつ。
なぜなら、私は――)
ゴンさんが足を止め、拳を大きく振りかぶった。
そのゆっくりとした動作は、相手を決して逃がさないという自信の表れだ。
事実、ヴェル爺に逃げる気力などなかった。
自信の過ちを理解し、罰を受ける覚悟を固めているのだ。
「このような怪物がいるというのに、身の程を知らず殺し合いを止めようとした……悪い存在だからです」
――ボ。
&color(red){【ジュラルの魔王@チャージマン研! 死亡確認】}
&color(red){【ヴェルタースオリジナルのおじいさん@ヴェルタースオリジナル 死亡確認】}
【E-08 森林/1日目 黎明】
【ゴンさん(ゴン=フリークス)@HUNTER×HUNTER】
[状態]:回復、ループ実装
[装備]:チェーンソー(頭の毛に絡まってる)@ジェイソンさんシリーズ、リピート機能(胸部)@ニコニコ動画
[道具]:基本支給品×2、ヴェルタースオリジナル一袋@現実、ランダム支給品(1~4)
[思考・状況]基本:カイトを生き返らす。
1:その為に優勝する。
※参戦時期はゴンさんになってから右腕を失う前です。
【支給品紹介】
【リピート機能@ニコニコ動画】
ヴェルタースオリジナルのおじいさんに支給された。
終わると始まりに戻る。
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|sm07:[[優しい魔王]]|ヴェルタースオリジナルのおじいさん|&color(red){GAME OVER}|
||村田修一|&color(red){GAME OVER}|
||多村仁志|&color(red){GAME OVER}|
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