Sideイクス
春風が心地よく吹きぬける放課後の学園屋上。
5月を春と言うには若干のクエスチョンマークが残る気がしますが
昼食のブロッコリーのブロッコリー添え弁当が美味しかったので気にしないことにします。
昼のメールによると
アンゼロットの使いが指令を伝えに来る筈なのですが・・・・・・遅いですねぇ。
全身の穴と言う穴にカリフラワーでも突っ込まれてしまったんでしょうか。
僕が所在無く空を見上げていると、月衣で身を隠した使いが上空からこちらに向かってくるのが見えます。
少し話が逸れてしまいますが、表界は『世界結界』と呼ばれる結界に守られているのです。
世界結界の内部は"常識"に守られていて常識外だと判断されたもの、
例えば魔法使いや悪魔は存在できずに淘汰されてしまいます。
僕達ウィザードや侵魔も常識外であると判断され、本来であればこの世界に存在することができないのですが、
世界結界による淘汰から身を守ってくれるのがこの月衣と呼ばれるものです。
身に纏うタイプの個人結界という表現がしっくりくるでしょうか。
月衣というものはなかなかに多機能で、例えばイノセントしか欺けませんがあの使いの様に姿を隠す事もできるのです。
かく言う僕もイノセントに見つかると面倒なので月衣で姿を隠しているわけですが。
翼を数度羽ばたかせてふわりと着地した使いである若い使徒の男性は背筋をトウモロコシのように伸ばして敬礼します。
それにしても彼はどうやって地面への激突を免れたのでしょうか。これは是非聞いておくことにします。
「ご苦労様です。ピザでも作りましょうか?」
「あ、いえ・・・・・・自分はまだ回らないといけないところがあるので。本題に入りますが、ここ最近、地震と停電がここら一帯で頻発しているってことは、既にアンゼロット様から聞いていると思います。停電の方なのですが、ブリッツと言う冥魔によって引き起こされているそうです。貴方にはブリッツの討伐をお願いします」
なぜか質問に答えてくれませんでした。きっと企業秘密なのでしょう。
「火曜日は燃えないゴミの日ですねぇ・・・・・・。僕のブロッコリーが高まりますよ、了解しました」
「それと、もしヴァイオラと言うウィザードを見かけたら、助けになって欲しいとのことです。今からヴァイオラの写真を転送しますので」
彼がそう言い終えると同時に、僕の携帯電話が鳴りました。
送信されたデータを確認すると、コスモガードの制服を着た紫キャベツヘアーでブロッコリー顔の男性が映っています。
「彼のキュウリはどうなっているのでしょうねぇ・・・・・・、覚えておきますよ」
「お願いします。ブリッツの方ですが、奴が次に現れる場所は大体目星がついています。"セントラルタワー"です。先ほどのデータに地図ファイルも添付しておきましたので、次に地震が起きたら、そこに向かってください。連絡は以上です。何か確認することはありますか?」
どうやって目星をつけたのかその根拠も気になりますが
やはりアンゼロットのボッシュートで地面への直撃を避ける方法の方が気になりますね。ダメ元でもう一度聞いてみますか。
「ピザでも作りましょうか?」
使いは踵を返すと無言で飛び立っていきました。やはり相当の企業秘密なのでしょう。
最終更新:2013年02月04日 18:44