アットウィキロゴ

ジョジョの奇妙な冒険 第5.5部 ~夜間飛行~


~プロローグ~

彼女は、戸惑っていた。
筆舌に尽くしがたい、陵辱の日々から抜け出したものの、彼女の体には確実に「奴」の種が宿っていた。
憎い男の子種など、育てなくない…そういった思いがなかったといえば嘘になる。
しかし、胎内に宿った新たな命に、俄かに芽生えた彼女の母性は、その思いすら超越した。
…子供に罪はない…
彼女は、時間をさまよいながらも、胎内で芽生えた命を育み、慈しんだ。
そして…

1994年、日本-…

彼女は、彼女の母の祖国でひっそりと二人を産み落としていた。
1994年の、7月7日。
ついに産み落とされた双子の娘は、お互いに相反する「何か」を醸し出していた。

(なんだろう、この不安な気持ちは…)

彼女はその思いを抱きながら、眠る二人の娘を見つめる。
一人は、顔立ちこそ自分に似ているものの、全身から吹き出る「プレッシャー」のようなものを感じさせ、圧倒するような…限りなく、あの男に近いものを感じさせた。
そのことに愕然としながら、彼女はもうひとりのほうの顔を覗き込む。
穏やかな寝息を立てて眠るその顔に、かつての友の面影を見た。
「奴」に首から下を奪われた「彼」の面影を…。
ふと浮かんだ肌寒い考えを振り払うように、彼女は頭を振った。

「この子達を、託す人を探さないと…」

そういって、彼女は歩き出した。

しかし、このときの彼女は知る由もなかった。
彼女たちが、ジョースター家とディオの因縁によって、必ず出会う宿命であるということを…。
最終更新:2009年09月16日 11:48