ナイトウィザード
きくたけワールド全開の、伝奇ラノベ風TRPGです。
ルールの配分
楽しいキャラ作成:★★★★
深いワールド:★★
物語性の高いセッション:★★★★★
疑似体験性の高いセッション:★★
ゲーム性の高いセッション:★★
パーティゲーム性:★★★★★
楽しい成長:★★★★
縞パン:★★★★
ロリババァ:★★★★★
FEAR系ルールの例に漏れず、キャラメイクの楽しいゲームです。豊富なクラス・特技に加え、装備を整えたり魔法を購入したりといった部分もわりと時間を掛けて楽しめる印象ですね。これは賛否分かれるところ(詳しくは後述します)なのですが、スタイルクラスの導入により「取り柄の住み分け」が推奨されており、膨大なデータながら途方に暮れるという事がないように工夫されています。
ワールドは没個性でありきたりなのですが、アニメやリプレイ等で個性豊かで萌えなNPCが多数紹介されています。有名NPCが出てくるというのが楽しい、数少ないルールと言えるんじゃないでしょうか。
物語性・疑似体験性については、よくある
FEAR系TRPGと大差ありません。
シーン制や
ハンドアウト制、
コネクション制は物語性を安易に再現し増強してくれます。
ゲーム性は普通です。特別優れてもいないし、だからといって救いがたいほど低いわけでもありません。
が、全編通じてどこかコミカルさが漂い、ダイスによるアクシデントが充実したルールですので、ワイワイ盛り上がるパーティゲーム的に楽しむ事も出来るでしょう。
成長はわりと楽しめます。特殊能力を選ぶだけでなく、戦闘値の割り振りでもそこそこ頭を使う事でしょう。戦闘値の割り振りは後々まである程度やり直しが出来、割り振りの失敗を多少補正できるのも利点です。
所要時間
ルール把握:★★
シナリオ作成:★
キャラ作成:★★★★★
実プレイ:★★★
※これは当然、「慣れ」や「参加者の背景」で変わるものです。目安程度に捉え、自分の基準と異なるからといって、あまりめくじらを立てないで下さると嬉しいです。
ルール把握は簡単です。
1. セッションの最初に2d6を二回振って、クリティカル値とファンブル値を決める。
2. 2d6+判定値を振って、クリティカル値なら振り足し、ファンブル値ならファンブルで達成値が下がる。
3. 達成値が高ければ高いほどいい。成否を決める判定なら、目標値以上なら成功、以下なら失敗。
4. イニシアティブを決める判定はクリティカル/ファンブルが起こらない。
あとは大体、
FEAR系TRPGのとおりです。用語の統一などもかなりの高水準で実現しており、ルール解釈で迷っても「用語の使い分け」に注意しながら読めば大体は解消できるはずです
シナリオ作成もさして手間は食わないでしょう。
FEAR系TRPGに準じます。
キャラ作成は前述の通り、このゲームの核にあたる部分です。
FEAR系TRPGの中でも特に時間を食う類のルールかもしれません。
実プレイはスピーディです。が、これは前述の「ルールが明解で揉めにくい」事に起因しており、戦闘中は意外とやる事が多いです。全員がルールに通じており、共有するべき情報(キャラクターの配置など)の開示方法に問題がなければ確かにスピーディかつ軽快に遊べるのですが、ルールに不慣れだったり、共有するべき情報の開示にもたついたりすれば、1戦闘に膨大な時間を要してしまいます。特にこのゲームは「戦闘がキモ」な部分がありますので、手強いゲームを目指すとこの傾向はより顕著になります。GMはボスのオリジナル特技などに工夫する前に、いかにプレイヤーに軽快に行動宣言してもらうか(判定でもたつくのは各自の問題です)を工夫するべきでしょう。
ルールの概要
きくたけが人生を賭けて研究し続けている(多分)、2d6ルールです。
印象として、出目に一喜一憂するタイプのゲームと言えるかもしれません。が、それでたやすくセッション崩壊などに結びつかないように調整してあるのはさすがといえるでしょう。
ワールドはやはり
きくたけ色が前面に出ていて、いい意味でお約束を大事にしつつ、どこかゆるい笑いに満ちたものに仕上がっています。
アニメにもなっているので、そこから入る人も多いかと思うのですが、それがプレイヤー間に齟齬を産む危険性を孕んでいるといえば孕んでいます。
それでも原作ものTRPGの中では、トップクラスにましな方でしょうけど。
ルールの配分の項で軽く触れた「スタイルクラス」についてなのですが、このゲームは「ウィザードクラス」と「スタイルクラス」に分かれています。
前者はいわゆる「クラス」のゲーム内肩書き的な要素を担い、魔術師ならば魔術を使いますし、転生者ならば転生を繰り返しながら戦うキャラクター、という事になります。
問題は後者です。スタイルクラスは「プレイヤーの役割分担」を明文化するクラスであり、基本的にこのスタイルクラスは1パーティに特定のスタイルが出来るだけ平均的に割り振られる事が推奨されています。
スタイルクラスの導入によって、同じ土俵で仲間の間で競争させられたりとか、似たような役割のキャラクターばかりに偏ってパーティが機能しなかったりとか、そういう問題を回避する事が出来ます。が、同時に「スタイルを強要される」事に不快感を覚えるプレイヤーもいるようです。特に、「やりたいウィザードクラスが適性的に、割り振られたスタイルクラスと合致しない」といったような状況が頻発するように見受けられます。ゲームシステム的には「まずスタイルありき」で、そこからウィザードクラスなどを選んでキャラクターを構築していく事を想定しているものの、比較的有名ルールであるだけに、「まずやりたいウィザードクラスありき」というプレイヤーの方もちらほら見受けられます。
そういう方も、「やりたいウィザードクラスを先に宣言して適切なスタイルを受け持つ」などの手順を踏めば問題なく楽しめる思うので、慣れている方もそうでない方も、そのあたりの便宜を心がけてあげると妙な摩擦を産まずに遊ぶ事ができると思われます。
あと、これは余談になるのですが、データの膨大さに途方にくれる初心者プレイヤーに、先輩プレイヤーが「定石をレクチャーする」という場面を実によく見かけます。
多少かじった身に大体その手のレクチャーは確かにもっともな内容なのですが、初心者プレイヤーの方がうんざりしていても顔色を見抜けないケースを時々見ます。親切心(いくらかの優越感があるとしても)が動機なら、遊ぶ前からノウハウを押しつけてプレイヤーのモチベーションをへし折ってしまうような事がないようにしたいものです。
推奨するプレイヤー
ロリババアになじられたい人。
ベル様に言葉責めされながら踏まれたい人。
関連書籍
ルール
ナイトウィザード2nd
スクールメイズ
ラビリンスシティ
ソウルアーツ
シナリオ集
リプレイ集
フライミートゥーザムーン(ファンブック)
設定資料集
参考資料
導入ガイド
基本ルールがあれば遊べます。が、基本ルールだけだと痒いところが出てくると思うので、そこに手が届くデータの為にスクールメイズまでは導入した方がいいでしょう。
ワールド等への理解は別になくても遊べるのですが、特にファンでないなら改めて新しく導入するほどの事もないかもしれません。似たような遊び方をするなら、他のどの
FEAR系TRPGでも十分でしょう。
最終更新:2009年05月17日 16:32