ノブスケの自作ゼリフ @ ウィキ
少女
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nobusukeserif
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タイトル
少女
配役
少女 性別♀
父 性別♀
母 性別♂
村人 性別不問
医師 性別不問
伯父 性別♂
伯母 性別♀
兼役はOKです
台本
これは、とある少女の過去である。
少女「お父さーん!早く遊ぼー!」
父「待て!ホントにお前は元気だな!」
少女「お母さんも早くー!」
母「2人とも…元気すぎよ。」
ある次元に住んでいた笑顔の素敵な少女は父と母に囲まれ、とても平和に暮らしていた。しかし、少女が5歳の時、この平和は崩れ去ってしまった。
少女「お父さーん!遊ぼー!(間を空けて)あれ?お父さーん!どこー?ねぇねぇお母さん。お父さん、どこ行ったの?今日は日曜日だよね?」
母「……………………」
少女「ねぇお母さん!聞いてる?」
母「あ、ご、ゴメンね。ちょっとボーッとしてたわ…」
少女「もぉー、しっかりしてよ…」
母「お父さんなら、薬草でも取りに行ったんじゃない?」
少女「えー、折角新しく覚えた魔法見せようと思ったのに…」
しかし、何時まで経っても父は帰ってこなかった…その夜
少女「お父さん!何処にいるの!返事して!」
村人A「おい、どうしたんだい?」
母「実は、夫が帰ってこないんです…」
村人B「何だって!?こうしちゃいられねぇ!知り合い集めてくるよ!」
母「ありがとうございます…!」
村人たちの懸命な捜索も虚しく、父は見つからなかった…父は行方不明になった。残念ながらそう考えるしかなかった。だが、少女の悲劇はまだ終わらない。
少女「ただいまー!お母さん!今日も学校で新しい魔法覚えたよー!…お母さん?」
少女は恐る恐る、母の部屋へと入った。
少女「(大事な人が倒れてると想像しながら)お…お母さん!しっかりして!どうしたの!」
その後叫び声を聞いたお隣さんが、医者を呼んだ。何とか母は目を覚ました。しかし、医師の口から、信じられない言葉を聞く。
医師「良く聞いてください。あなたの命は、持って1ヶ月です。」
母「え?魔法で、どうにかならないんですか?」
医師「残念だが、打つ手がないんだ…」
母「そんな…私が死んだ後…娘はどうするんですか!」
医師「親戚や知り合いを頼る他ありません。」
母「…分かりました。」
その後母親は自分の死後に娘を頼れる親戚や知り合いを、ひたすら探した。そして、自分の兄を頼ることにした。そして、1ヶ月後…
母「今まで…ありがとう…笑顔を…忘れないでね…」
少女「お母さん…私…ごめんね…何も…出来なくて…」
母「良いのよ…私は…あなたが…傍にいるだけで…幸せだから…お願い…笑って…」
少女「…うん!」
少女の母は、亡くなった。少女は、笑顔を保とうとするも、少女は泣いた。周りに人がいることを忘れ、6歳の少女には、とても辛い出来事であった。それから暫くして、伯父夫婦と共に暮らすこととなった。
伯父「さぁ着いたよ。今日からここが、君の家だ。君のお父さんやお母さんみたいに、強い魔法使いでもないし、君自身、僕の想像以上に辛いこともあったろう。それでも、本当のお父さんみたいにじゃんじゃん頼ってくれ!」
少女は伯父夫婦に本当の子供のように愛情を注ぎ育てられた。住む場所の関係で学校も変わったが、成績優秀で誰からでも頼れる人気者となっていた。そして12年後、少女は成人式を迎える。
伯母「(少し泣きながら)大きくなったねぇ…最初は怯えて心配だったけど、こんなべっぴんさんに育ってくれて、嬉しいよ…」
伯父「天国のお母さんも絶対喜んでるよ!だから、胸を張っていきなさい!」
少女「今日までありがとう。伯父さん。伯母さん。」
悪天候の中、成人式は行われることとなった。そして、少女が両親に向けてのスピーチをしようとした時、赤い雷が彼女に直撃した。死んだかに思われたが、少女は何処にもいなかった。それもそのはず、少女は別次元へと飛ばされていたのだ。
少女「ここは…何処…」
少女は別次元へと来た代償として、ある物を失った。それは、感情である。
少女「皆…何処…何で…涙が…出ないの?」
少女は感情を失ったため、悲しみの涙を流すことも、怒りの声を上げることが出来なくなってしまった。そして、自分の象徴とも思っていた笑顔でさえ、出来なくなってしまった。
作品の概要(ネタバレ注意)
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