穢れない、ごく真っ当な人物に見えるエルメアの過去は――凄惨だった。
幾度となく家族から虐待され、挙句の果てにスラム街の中に放り出されたのだ。
スラム街の中に一人取り残された幼いエセルは、それでも生きる事を選んだ。
人を殺し、奪い、壊し。麻薬に手を出し、果てに人肉食にまで手を染めたと云う。
そして、ある日〝教会〟の
メルフ導師に拾われ、やっと日の当たる世界に戻れたそうな。
しかし、彼女が犯した数々の罪は、長い年月が経って尚彼女の中で燻っていた。
だが、
朔夜、
貴宝院 織守との関わりを通して彼女はそれを克服。
斯くして少女は自らの居る場所を確かめ、名前を〝エルメア=ミルフォード〟と改める事となった。