人間でも無い、悪魔でも無い、精霊でも無い
何にカテゴライズする事も出来ない生き物である、自分のために、自分でつけた、自分だけの名前だ
ラギデュース=キャニドップ(Ragidus=Chanidop)
『報恩の求道者』
【人物】
くたびれたコートを着込み、ツンツンとした短い髪で、右手にごつい杖を持ち、左目に眼帯を付けている深い青色の目をした男
路上生活者として日々を過ごしており、日雇いの仕事をしている時以外は、気の向くままにぶらぶらしている
ビスケットが好物で、主食兼嗜好品として、いつも一定量ストックしている。そのビスケットは、どこかの行きつけの店で買う決まった品らしく、彼の好みのためにかなり硬い。多く余っているときは歩くたびにカラカラと音が鳴り、食べるときにはパリポリと小気味良い音が響く
年齢不詳だが、恐らく20代前半~中盤であると思われる(ちなみに、本人にも年齢は分からない。理由は後述)
胎児の頃、両親に「精霊の加護」を授けるための儀式をささげられ、結果として能力者となるが、力が暴走して母を殺害
その後、世間から離れて生活をしていた「老師」に引き取られる
その「老師」の死をきっかけに、人間社会へと復帰する
まだ3、4年程度しか経過していないため、社会情勢に疎い
能力者であるが故に、人としての当たり前な生き方が出来なかった事にコンプレックスの様なものを(「自分は人間ではない」と思うほどに)抱いており、その原因である両親を深く憎んでおり、自分に対し、どこか自虐的な言動が目立つ
また「老師」には名前を付けてもらえず(世間から離れて二人きりで自給自足の生活していたために、不便はなかったが)ラギデュースと言う名前は、還俗する時に自分でつけた名前である。その為、名前と言うものに拘りを持っている
その拘り方は半端では無く、以前「長いから『ラギュ』ね」と名前を縮めて呼ばれた時には、ショックで声に張りが無くなり、名前を間違えられた時にはさりげなく、しかししっかりと訂正する程である
これは自分以外にも当てはまり、大抵まずは相手をフルネームで呼びたがり(「○○と呼んでくれ」と言われたり、親しみを込める時にはその限りでは無い)、愛着の特に湧いた所持品には名前を付けてしまうほどである(後述の「フォースガーディアン」など)
この様な生き方をしてきたため
- 言動がどこか古風
- 「如何に満足できる死に目に逢うか」を探求する事に生き甲斐を見出し、常に死を意識しているために腹の据わった度胸がある
- 飄々とした風でありながら、他人に興味を買ったり買わせたかったり、変な所で頑固など、子供っぽい一面がある
- 恋愛感情など、人間としての一部の情操が、全く育っていない(が、知識として知ってはいる)
と言う変わった性格をしている
また、物事を自分の納得できるように考察し、合否に関わらず自己完結する癖もある
半ば座右の銘の様になっているのか、事あるごとに、
ある人の言葉である「覚悟する事は美しい」と口にする
【足跡】
己の能力と、どのように付き合って行くのか。その点に関して悩んでいたが、
氷酉 零治との接触(及び模擬戦)により「能力を活かす事」に興味を持ち、その手段として(及び、
エルメア=ミルフォードから受けた、治療や身の上の相談などの様々な「恩返し」のために)
≪ネル・ナハト≫との敵対を目指しているが、
≪ネル・ナハト≫について詳しい事を知らず、具体的に何をすればいいのか悩んでいる
雷の国が強襲された際、
≪ネル・ナハト≫のメンバーである
柳 西鳳と戦闘
圧倒的な戦力差や赤子だった頃と同じような「能力の暴走」などによって、瀕死の重傷を負い、再び
エルメアからの治療によって助けられるが、その際に、戦闘の負傷によって右足首を痛め、能力の暴走によって左目の損傷(視力が大きく低下)、そして、能力の制御が不安定になってしまう
その後、リハビリと鍛錬のためと称して、育った「老師」の家に戻った
能力の制御が不完全になってからは、ある程度の制御率を取り戻すまでは、買い出しなどの理由が無い限り街などには顔を出さないようにしている
主に、能力の制御の訓練や、左目の視力低下に慣れる訓練、野草を材料とした薬の調合の訓練などで日々を過ごしている
そうして人里を避けて行動する中で、偶然にも
エルメアの同胞である
貴宝院 織守と会う。その中で、己の全てを
エルメアへの「恩返し」のために賭ける、と言う自分の行動方針や、ただ「いかに満足できる死にざまに遇えるか」だけを人生の目標に掲げて行く生き様などは、本当に正しいのか……と、今後の身の振り方について考える様になり、その一方で、
≪ネル・ナハト≫への敵対意識も、益々高まる様になる
そして、第一次
金の国決戦に際して、
≪ネル・ナハト≫の総帥
キルベルク・シルバーソードと遭遇し、
織守(そして、顔は合わせていないが、
愛野 海里及び
刹那)と共に戦闘。
キルベルク・シルバーソードの左肩を穿ち、一矢を報いる。その後、
≪ネル・ナハト≫が
金の国を主目標にしている事を聞き、活動の拠点を
金の国に移す
第一次
金の国決戦後、しばらくは自作の丸薬調合のために再び「老師」の家に籠りがちだったが、
草陰ハルとの接触により、
カノッサ機関に関する情報を断片的ながらも入手。人里へと降りる事を決意する
その中で
天ヶ谷 双葉と接触。「対ネル・ナハトグループ」と同様に「
対機関連合」に対しても、外部協力と言う立場で助力をすると約束するが、優先度は「対ネル・ナハトグループ」にあると公言している(そして、それでも問題は無いらしい)
ヴュルヘイム決戦において、
燕の翼を持った少女(正体はメリィスワロォ=切通=スピードガン)と戦闘。
スピードガンが過去に重ねていた傷のために本調子を出せず、戦闘は勝利に終わるが、
スピードガンは最期に自爆をして果て、その余波を受けたために、左手首を切断されてしまう
その後、無事にヴュルヘイム古代遺跡からは生還したものの、左手首切断のショックは眼にも及んでいたらしく、
雷の国にて負傷した左目は、完全に失明してしまい、以後、眼帯を着用するようになる
その後、
水の国で開催されている第八回大会へ、
ラベンダァイスと共にエントリーする。大会に上位入賞し、生活費を稼ごうと考えたのである
大会予選中、
雪女の千歳と名乗る人物から、『櫻が夜行』の存在を聞かされ、宣戦布告を受ける事になる。その際、
≪ネル・ナハト≫について知っている事を話し、交換条件として予選の点数を渡される
結果、当落線上ギリギリで本戦出場を決めたが、本戦トーナメント一回戦にて
ウィルオウィスプと言う選手に負けてしまう
死を偽装され、監禁された
エルメアを救出するべく『囚人の森侵攻作戦』に参加し、
エルメアの
アートマンであるエセルの協力もあり、
エルメアの救出に成功する。
だが、その際に囚人の森の『負の瘴気』を身に取りこんでしまい、以後、たびたび発生する発作に悩まされるようになってしまう。『負の瘴気』を打ち消す結界を張って侵入したにも拘らず、後を引くほどの瘴気を浴びてしまったのだが、この時、頭や胸の痛みとは別に、妙に『懐かしい』感覚にも襲われたのだった
しかし、
機関員である魔斬 香月と遭遇した際に戦闘になり、そこで重傷を負わされてしまう。その時、突如として謎の力を発揮し、尋常ならざる口調で「時が来た」と言い残し、いずこかへと飛び去ってしまう
【終焉】 ~狂気ニ捉ワル戦慄ノ死亡遊戯~
【所持品】
ラギデュースの好物
常にコートのポケットの中に一定量ストックしている
小さな袋に入れられている
エルメアから受け取った物
≪ネル・ナハト≫との敵対を誓った際に、友好の証としてラギデュースがビスケットを送った際の返礼として渡された
ハンカチと同じく、
エルメアから受け取った物
教会の位置や連絡先などが書かれている
右手に持っている、やたらごつい外見の杖
負傷して「老師」の家に戻って以降、持ち歩くようになった物
「右足首を痛めたために、念のために持ち歩いている」と、対外的には説明しているが、実際には刃が仕込まれている仕込杖で、暗器として持ち歩いている
信頼性の下がった能力の代替としての戦闘手段、及び能力が暴走した際に自傷行為を行い強引に暴走を抑え込むための物であるらしい
グリップの部分には、浅く「FORCE GUARDIAN」と刻まれており、ラギデュースが自ら名付けたものである
「FORCE」には「力」「暴力」「軍事」の意味合いがあり、とってつけたような名前だが、実際に意味を込めたネーミングであるという
ラギデュースが「老師」の家に戻ってから、自作するようになった薬
黒く、苦い香りを放っている
使用すると、気つけ、治癒力の上昇、ある程度の解毒作用などが期待できる
余所の単語を借りれば、「レイズ+リジェネ+ポイゾナ」と言った感じらしい
が、ラギデュースいわく「粗悪品」で、まだまだ改善の余地があると言う
副作用として、過剰摂取した場合に頭痛を引き起こす
織守から受け取った紙
織守への連絡先が書かれている
ヴュルヘイム決戦にて左目を失明して以来、着用するようになった眼帯
特に特別な品物と言う訳ではないらしい
草陰ハルから渡された物
最初に
ハルと会った際に「似合いの花束」をプレゼントすると言う約束をしていた
そして、再び
ハルと会った際に、次に店で会った時に「約束を果たす」事を明言し、同時にこの引換券が渡された
メモ帳のページに、手書きで書いて即効で作った物である
後に、ラベンダーの鉢植えと交換される
第八回大会の本戦前夜、対ネル・ナハト連合の会合にて
織守から受け取ったもの
仲間たちとの連絡手段が存在しないために、
織守に渡された
織守とのみであるが、互いに声を届け合う事が出来る
【能力】
基本として『溶岩腕』『雷電脚』『氷閃眼』の三つがあり、そこからいくつか派生する技がある
『溶岩腕』
両腕に炎を纏う能力
効果範囲を細かく調整できるようで「手首から先だけ」「腕全体」などと使い分ける事が可能
この状態で攻撃を当てれば、当たりが浅くとも熱によるダメージが期待できる
派生技
「火炎放射」
オーソドックスに、手の先から火炎を吹き出す
温度や効果範囲などは調整が可能で、熱く、大きく炎を吹き出す程消耗が激しくなる
余談だが、彼は暖を取るために、人気のない場所では結構この能力を多用している
『雷電脚』
両足に電気を纏う能力
発動中は、足から放電を起こしており、チリチリとした光や音が発生する
溶岩腕同様、当たれば相手に電撃による二次効果を与える事が出来る
また、発動中は脚力が上昇し、走行能力などが通常時より高くなる
派生技
「韋駄天足」
『雷電脚』本来の効果である「脚力の上昇」を更に引き出す技
ごく短時間ではあるが、かなりの高速移動が可能になる
「雷神蹴」
「韋駄天足」にて加速し、敵に飛び蹴りを放つ技
スピードが速く、その運動エネルギーをそのまま威力に変換できる上に、足に纏う電気による二次効果を期待する事も出来る
主に、遠距離からの奇襲攻撃に使われる
一面では、そのスピードが災いし、回避された場合にスピードを殺ぐ手段に欠けるため、大きな隙を作ってしまう
「電光弾」
蹴りの動作と共に、足の先から纏まった電気の塊をボール状に打ち出す技
威力は高い方で、命中すれば多少の感電は避けられず、また地面や壁などに命中した場合、着弾箇所をえぐり取るほどの破壊力がある
ただし、打ち出す姿勢や蹴りの正確さに影響を強く受けるので、早く、正確な弾を打ち出す事は至難の業。また、外部からの干渉を受けやすく、何かに触れればすぐに拡散してしまうので、遠隔攻撃などで撃ち落とされやすい
更に、これを使用すると足の電量が減少してしまい、自然回復するまでの間は足技の効果が減少すると言うデメリットも存在する
性質上連射が効かず、使いどころが難しい
「雷散網」
足から周囲に放電を行い、近くの敵に電撃を当てる技
全方位へと攻撃が拡散するため、確実に当てに行く場合には有効な攻撃の一つである
電撃による効果、全方位への攻撃と言う利便性の代わりに、消耗の多さも突出する物があり、「電光弾」同様、放ってからは少しの間『雷電脚』の効果が薄まってしまう。また、遠距離までは届かないと言う欠点も存在する
この『雷電脚』は発展性が高く、現在更に技を研究中である
『氷閃眼』
眼から魔力を打ち出し、命中した箇所を瞬間冷凍する能力
ほぼ準備動作ゼロで放てる上、目に見える範囲のほとんどが「一応の」射程になるので、牽制用に用いる事が多い
威力としては微々たるものだが、間接部分などに当たれば、それなりに相手の動きを制限する事が出来る
なお、ヴュルヘイム決戦の後に左目が機能を失ってからは、右目のみで放つ事になったが、魔力の通りが良くなったのか、却って威力は増しているらしい
準備動作はほとんど必要ないものの、独特の魔力の流れがあり、魔力を持った人間ならば打ち出すタイミングを把握する事が出来る。更に、ごくわずかな準備動作として「睨みつける」動作と「元々青い眼の色が、更に深くなる」現象が起こるため、魔力持ちや能力者で無い者でも、外部からの識別は可能である
欠点として、視界の届かない場所(背後、頭上など)には放つ事が出来ない事や、高速で攪乱され、じっと見据える事が出来ない相手に対しては全くの無力になる点などが挙げられる
ただ『眼から氷を打ち出す』だけの能力であるため、発展性が低く、派生技は存在しない
複数の能力、武器を組み合わせた攻撃も存在する
「雷神閃」
「雷神蹴」の応用
「韋駄天足」にて加速し、仕込杖の「フォースガーディアン」による刺突を行う
「雷神蹴」の打撃+電撃とは異なり、斬撃+貫通のダメージを与える
また、「雷神蹴」とは異なり足を自由に扱えるため「雷神蹴」よりリカバリーが効く
「雷神緋」
「雷神蹴」「雷神閃」の応用
「韋駄天足」にて加速し、左手の「溶岩腕」による攻撃を行う
対
スピードガン戦において使用されたが、手首に掛かる負荷のために骨が折れてしまい、そこに自爆を受けたために左手首を失ってしまう
また、炎、雷、氷の三つの魔力を複合させて使用する技『トリニティ』が存在する
これら『トリニティ』系統の技は、魔力を集約させるための準備として、発動に1レスの時間が掛かる
『トリニティ・ブラスター』
両手足、そして首から発生させた魔力を胸元に集約させ、前方に強力な光線を放つ技
威力は凄まじいが、ある程度の体力、魔力が残っていない場合は使用不可能である
また、ダメージなどを喰らっていると、制御に支障をきたし、最後まで撃ち切る事が出来なくなる
放ち終わった後は、消耗が激しく、しばらく能力が使えなくなるため、最後の止めか、賭けに出る時程度しか使われない
『トリニティ・スレイヴァー』
収束させた魔力によって、二つの魔力球「スレイヴァー」を形成し、放つ技
「スレイヴァー」の性質を一言で表すと「ビット」であり、思念で操作する
「スレイヴァー」は、短い光線を発射する機能が備わっており、敵の牽制や運用性の高い射撃、そして味方の援護などに用いられる
『トリニティ・ブラスター』とは異なり、込められる魔力の量を調整できるため、使用後に即戦闘不能とはならない上、使用しながらラギデュース本人も行動が可能である
最大で、光線10発分(二つ合わせて20発分)の魔力まで込める事が出来る
【戦闘】
上記の様に、基本的に高いスペックを持っているが、実際には100%の力を出し切る事は不可能である
理由は簡単で「ラギデュース本人が戦闘の素人で、能力を使いこなせていない」為である
距離が遠いのに攻撃を仕掛けたり、先を読む能力に乏しいため、想定外の事態に対する対応がお粗末だったりと言った具合である
要するに「低い戦闘技術を、高い特殊能力で補う」と言うのが現状である
目下の課題は、近接戦闘のつたなさと、防御のもろさ
特に防御の弱さは深刻で、攻撃をされると大抵「韋駄天足」による回避か、イチバチのカウンターしか選択肢が存在しない
近接戦闘に関しては「フォースガーディアン」の使用により、やや改善がみられるようになってきた
先の「能力」を使った戦い方に杖の攻撃を織り混ぜたり、単純に「能力」による消耗をせずとも有効な攻撃が出来るようになるなど、手数に幅が出てきている
第八回大会の本戦にて、水が弱点であることが明らかになる
『溶岩腕』と『雷電脚』は、その性質上水に弱く、早急に対策を講ずる必要に迫られている
最終更新:2011年12月07日 17:42