わたしは見た、海から一匹の獣が海の中から上ってきた。
これには十本の角と七つの頭があった。
その角には十本の王冠があり、頭には神を冒涜するさまざまな名があった。
わたしが見たこの獣は、豹に似ており、足は熊の足のようで、口は獅子の口のようであった。
≪〝ヨハネの黙示録〟―――十三章・1.2節≫
―――≪人物≫
―――〝Master Therion〟≪黙示録の獣の王≫≪大いなる獣≫≪虚無の冥星≫≪穢れた名≫
それは〝獣〟である、ただ欲望のままに貪り、破壊し、全てを終焉へと導く〝獣〟。
その〝名〟すべては神のを冒涜し、背徳し、穢れきっている。
理由なく、無秩序に、無慈悲に現れては殺戮、破壊を繰り返す正体不明の少年、テロリストですらない無形の衝動
それは無邪気、ともとれる幼く、純粋な、故に恐ろしい存在。〝ある人物〟が封印を施していたが、それも徐々に崩壊を始める
そして断片を取り込み、〝獣〟はさらなる殺戮と破壊を求めて野を彷徨う、まるで災害のような勝手さ、無慈悲。
〝眷属〟達は徐々に、だが確実にその獣の因子を覚醒させている、いずれ、〝獣〟は―――。
その正体は聖帝ミーメによって遥か昔に封印された魔人でミーメの復活と共に〝
レギン〟によって封印を解かれ復活した
カノッサ機関のナンバーズNO.2として活動しており〝レギン〟の
夜の国から生物を根絶する計画、〝死夜計画〟の要となっている
現在は≪〝F-433 バーサークヘリオス〟≫によって破壊衝動を極限まで強化されており理性もほぼなくなった正真正銘の獣と化している
最後はレギンの手によって〝始まりの巨人〟の核として取り込まれていたが、
八攫 柊によって助け出され
破壊者としては、死の権化としては、獣としてはありえない〝感謝〟を述べてそのまま安らかに息を引き取った。
―――≪容姿≫
【灰をかぶったような真っ白な傷んだシャギーの白髪を肩まで伸ばし】
【真っ黒な喪服の下にダークグレーのシャツ、さらに黒いネクタイを付けて】
【同じく真っ黒のスラックスに白のベルトを通し、黒い革靴を履いている】
【瞳は光を灯していないような暗く、濁った赤色、さらに瞳孔に〝-〟が浮かんでいる】
【右手の甲には〝血で描かれた血涙を流すスマイルマーク〟のタトゥーが刻みこまれており】
【左手の甲には〝666〟と〝獣〟である事の証明である数字が、くっきりと刻み込まれている】
【肌は白く、全身をモノトーンで包み込んだ、170cm程の、少し痩せ形の15歳程の少年】
―――≪異能・技・武器≫
≪〝無形の黒剣/ケメティエル〟≫
アベルの力の断片が剣の形を成した物。形状は普通の西洋剣であるが、刀身から柄に至るまで全てが漆黒に塗りつぶされている
剣としての性能も高く凄まじい切れ味を誇るがネロ自体がそれほど剣術を得意としていないのであまり戦闘で用いられることはない。
ネロの断片なので肉体に取り込む事が出来、身体のどの部位からでもとりだす事が出来る。
この断片を取り込んだことで〝獣〟はさらなる進化を遂げる。
≪〝F-433 バーサークヘリオス〟≫
レギンがナンバーズNO.6に作成を依頼した〝精神波長増幅装置〟赤胴色の鎧の形をしており
『頸椎』部分に装着者の精神状態を把握するセンサー、望のスタイルに合わせて装着者に作用させる制御用マイクロコンピューター、さらにバッテリーが搭載されている
鎧の内部には、電気信号の発信機と、内部に作用する人工筋肉が張り巡らされており
興奮させるべき場面となると、制御部分が作動し脳に電気刺激を与え、興奮作用をもたらすホルモンを、強制分泌させる仕組みになっている
用途に合わせて、様々な脳内物質を発生させる、つまり装着者の精神状態は、プログラマーの思い通りに変更できる。
パワーアシスト機能がついており装備者は鎧の重さを全く感じないが、弱点として首の後ろに精密なパーツが集中しているのが挙げられる
レギンはこれをアベルに装備させ、その〝負の波長〟を限界まで増幅させその波長を使って何か恐ろしい事を企んでいるようだが…?
≪無骨なる黒獣/ラ・ベイバロン≫
空間の壁を砕き、〝空いた〟穴から現れる漆黒の五つの獅子の首を相手に向けて放つ。
獅子はそれぞれが強靭な牙を持っており、それを用いて相手をかみ砕く、軌道は基本的に直線であり
エネルギー系の攻撃であるため、目標に到達するか一定時間経過で消滅する。
≪Maga Therion ≫
ケメティエルを取り込んだことでより破壊衝動に特化した〝獣〟へと変貌した姿。その暴力は大聖堂を一撃で粉砕するほど。
漆黒の電撃、鋸のように鋭く鋭利に纏まった髪を自在に操る事が可能となる。
【その白い肌には、―――黒き紋様が刻まれ、―――淡く輝いている】
【その背には、半対の、右肩からのみ生える雪のような白であるが形状は悪魔の其れである翼が】
【腰からは、10本の白い大蛇がまるで尾のように生えており、床へと這いずっている】
≪愚劣なる背徳の門/アティエル・アドラメレク≫
右腕に〝空間〟そのものを吸収し、それを一気に腕を振った方向へ解き放つ攻撃
吸収に用いる時間はかなりのモノだが、解き放たれたそれは、まさしく〝世界〟そのものを形成する力である
この一撃を持って夜の国の大聖堂とその〝上空〟を吹き飛ばし、八攫にも甚大なダメージを与えた
最終更新:2013年11月10日 17:38