はじまりとおわりの間にある時間は、自身の記録を刻むための猶予だよ。
【ブラウンの瞳に鮮やかな赤のロングヘアの取り合わせで、ぷにぷにとした幼い顔立ち】
【フリルの多い、どこかの私学の制服のようなブラウス一式を着た少女】
【――胸元で静かに語る、盾状の紋章に護られた《芸亭院》の3字】
∇BOOKMARK∇
I:彼女について我々が知りうる主要な情報
水の国で《芸亭院古物堂》と言う特殊なミセを営む少女。
普通の古書や骨董品は勿論扱っているのだが、事実上の本業は別にある。
――付喪神、残留思念、考古学的調査。
いろんな分野に彼女は手を出し、貪欲に『底知れない所に秘めた何か』を満足させる旧い知恵を求めている。
綾津妃に対しては「生まれる前の精神の再現」「未分化の感情の器を作る」事が目的だと言っていた。
性格について。
冗談や挑発で攻め手の言葉を使う事もありつつ、平生善良である。
潜在的に負けず嫌いで、恩義や義務に対して篤いところは、人によっては強引や無謀にも見えるかも。
金儲けへの姿勢や手練手管は、仕事人という感じはしないレベル。
だが、その蒐集癖や観察眼は間違いなく職業病だと言える。
普通の愛玩動物よりも、動かないもの、ままならないものに魅力を感じます。
芸亭院は「うんていいん」と読み、元はずっと昔に
櫻の国にあった図書館を指す言葉。
その開設者と特に血縁は無く、彼女の何代か前から勝手に名乗っている。
苗字もその時に変わったが、仰々しい名前のせいで歴史のある家だと思われると少し困る。
II:彼女が揮う異端の力を知るための指針
『セン』と呼称される、弾力に富み、翼と目と口のある青い球状の使い魔を操る。
これは帽子のように被ると、しおりの頭にぴったりとフィット。
思考をリンクさせて無言のまま命令をする事ができる。
『セン』は、標準仕様では二つしか能力を持っていない。
連射可能で若干の押し出し効果を持つ魔力弾を、一度の魔力供給でおよそ10発ずつ放つ能力。
そして耳の翼を利用し、主人ごと短時間のホバリングと滑空を実現する能力。
だが人間の残留思念が宿ったものからその思いを『吸い出す』ことで、火力や推力を大きく上げることができるようだ。
また芸亭院自身は、軽い物体(だいたい1kg以内)のものに対して働くテレキネシスの使い手。
直接的な攻撃力は皆無であり最大出力も低いが、考えて使えば効果的である。
III:彼女について、敢えて記述するには値しない余談
好物は水の国の飯店「計都羅喉軒」の激辛麻婆豆腐。
しかしその一方で人並みに甘いモノが好き。時に大人びて見える彼女も普通の女の子なのだ。
だから何をするか分からなくって子供ってやつは怖いんだよ
IV:彼女が紡いでいく歴史の断片
6月20日 〝着剣拳銃のお姉さん〟
7月3日 〝綾津妃お姉さん〟
∇ A HEAD!∇
最終更新:2013年01月16日 01:29