プロフィール |
名前 |
玉藻狂死郎 |
年齢 |
20 |
身長 |
180 |
性別 |
男 |
出身 |
櫻の国 |
仕事 |
探偵モドキ |
得意分野 |
交渉・契約 |
苦手分野 |
相手の気持ちを考える |
好きな人物 |
口答えしない人 |
嫌いな人物 |
一々文句を言ってくる人 |
立て襟の白い洋シャツに黒の袷と袴というバンカラスタイルに黒いインバネスコートを羽織った大正浪漫あふれる服装に、
頭には黒のカンカン帽に黒の短髪に黒目と兎に角黒尽くめの格好をした20歳前後の青年といった容姿の男。
お世辞にも現代風と呼べないファッションは単に彼の趣味である。
戦闘時に使用する退魔刀と封印符はインバネスコートの中に隠している。
基本的に両手両足に1枚ずつ即応性の高い符を仕込んでおり、懐や胸に隠している符は切り札と呼べる物。
また、黒のカンカン帽の中には常に『模倣』の封魔符を仕込んでいる。
一人称は僕であり、一見誰に対しても物腰柔らかな態度と笑顔を向けるために優しい人物だという印象を受けるが、
仮にも
櫻の国の守護を司る陰陽師であるにもかかわらず、その性格は外道に近いものがある。
元々玉藻一族の初代も色々と型破りで問題行動を頻発させていたと文献に残っているのであるが、
その生まれ変わりであるかのように戦闘でも不意打ち闇打ち魔族の命の軽視を平然と行う。
他にも命令範囲外の魔族の殲滅や捕縛を頻発、かつては人間と盟約を結んでいた魔族すら始末しかけるなど、
本来ならば守護を解任されていてもおかしくは無いが、高い実力と実績によって難を逃れている。
とはいえ最近は上から余計な目を付けられるのが嫌になったか、問題行動はあまり表には出てこなくなっている。
戦闘ないしは交渉・契約といった魔族を相手にする仕事を生業としているだけあって非常に用心深く、
簡単に人に心を開くように見せてはいるが心の内では常に他人を疑っていると言っても過言ではない。
しかしながら極一部の親しい者も存在しており、人嫌いというわけでは無いようである。
彼曰く、『本当に尊敬するところのある人とだけ付き合うようにすればいい』という考えなのだとか。
一応彼にも正義や秩序を愛する心は存在しているのだが、それを理解している人はとても少ない。
そもそも彼が人前に姿を現すときは仕事のときであり、優しさを曝け出す余裕などないのだ。
ミストラルとは記憶の解明の手伝いの代わりに悪魔合体の触媒と成り得る物品を譲ってもらう契約を交わしているらしい
【能力】『玉藻流退魔術・悪滅』
彼の一族に伝わる退魔術であり、封魔符というカードを使い魔族を使役する。
具体的には瀕死になるまで弱らせた魔族に空の封魔符を貼り付けることで無理やり下僕としての契約を交わし、
強大な敵に無理やり繰り出して死なせたり生き返らせたり死なせたりキモい魔族と合体させたりする退魔術である。
櫻の国に数多く存在する退魔術の中でも禁術に近い扱いを受けており、その名を聞いただけで魔族も泣き出すと言われている。
ただし必要に応じて半ば脅しに近い形ながら交渉による契約を行うこともあるようである。
最初から何体かの魔族が封印された封魔符を所有しているが、それらはあまり戦力になるとは言えない。
戦力を強化するためには新たな魔族と契約したり、魔族と魔族を融合させて新たな強い魔族を生み出すことが必要不可欠。
なお封魔符は合計13枚所持しているが、これ以上の数の封魔符を所持することは出来ない。
余談だが、召喚陣の展開方法及び召喚方法は召喚する魔族によってそれぞれ異なっているようである。
基本的に強力な魔族であればあるほど複雑な儀式を行う必要性があり、召喚時の隙も大きくなる。
低俗であればその名を呼ぶだけでいいが、高位の者は“触媒”や“代償”を必要とする場合もあるらしい。
『悪滅・零式』封魔符に封印された魔族たちの『力』だけを開放して魔術を放つ術。
封印された魔族に応じて強力な固有の魔術を発動することが出来、本体の消費霊力も比較的少ないが、
一度魔術を発動した封魔符は1日霊力を充填しなければ再使用できないという欠点を持つ。
さらに、後記する『肉体』の召喚も行えなくなるので十分注意が必要となる。
また、魔術発動には印を結ぶ動作や詠唱を必要とせず、ただ霊力を込めるだけで発動するのだが、
こういった準備動作を行ってから発動させることによって効力を向上させることが可能である。
『悪滅・百式』封魔符に封印された魔族たちの『肉体』を解放し召喚、使役を行う術。
封印された魔族をそのまま使役するために本体の消費霊力が高いという欠点を持つが、
魔族の持つ魔術を霊力の許す限り自由に発動することが出来、より強力である。
魔族を封魔符から呼び出して使役している間は霊力を常に消費しており、強力な魔族ほど消費は早い。
また、魔族の力を手にした武器に憑依させることによって強力な攻撃を放つことが可能である。
なお、魔族を使役している間も『力』を解放して魔術を放つことも出来るが、当然霊力の消費は激しくなる。
この二つ以外にも様々な術式が『悪滅』には存在するが、詳細は後記。
【装備】『退魔刀・斑鳩』『闇天礼装』
『退魔刀・斑鳩』は刀身に霊気を宿した霊刀であり、魔族の憑依に適している。
また退魔“刀”と呼ばれてはいるが、霊気によって様々に形を変化させる性質を持っており、
憑依させる魔族の種類によって西洋剣から槍、斧、鎚にいたるまで形状が変化し、同時に刀身が纏う属性も変化する。
見た目は脇差程度の大きさで、片手で扱うことが出来る。……が、基本的形状で扱うことは少ない。
刀憑依は魔力のコストパフォーマンスに優れており、かつ狂死郎の有する魔力量も破格であるため、
素の斑鳩を使うよりも、雑魚でよいので憑依させて使うことが望ましい。というかしないと損。
『闇天礼装』とは狂死郎が身に着けている黒のカンカン帽とインバネスコートそのものを示す。
魔族の扱う呪術を防ぐための魔術が込められており、元来の耐魔力も合わさって“魔眼”への抵抗力はかなりのモノ。
基本的に精神や肉体に直接作用する呪いをある程度防ぐが、炎や風といった“物理的”魔術は一切防ぐことは出来ない。
曰く、「伊達や酔狂だけでこのような格好をしているわけじゃあないのであしからず」とのこと。
戦闘に使う封魔符と退魔刀も、普段はこの闇天礼装の中に収納している。
陰陽師であることを極力一般人に悟られないように、人に怪しまれないようにするための配慮だが、
その風貌自体が人を怪しませる原因に他ならない。人が寄り付きにくいのは有難い話なのだが……
【戦闘方法】
彼の一族は陰陽師であるにもかかわらず、自分から霊力を消費して発動する攻撃呪術をほとんど持っていない。
彼自身が得意とする魔術分野は“結界”であるが、それだけでは魔族に対抗するには力不足と言えるだろう。
そのため戦闘には封魔符によって使役する魔族の力が必要不可欠であると言える。
様々な種類の魔族を召喚することが出来、あらゆる状況に対応することができるという可能性を持つが、
召喚及び召還の際には大きな隙を晒す事になるので決して万能と呼べる存在ではない。
彼の霊力は魔族を召喚している間少しずつ消費していく他、召喚した魔族が魔術を行使する度に追加で消費していく。
呼び出す魔族のランクにも依るが長期戦はあまり得意ではないと言える。
退魔術以外の彼の実力もかなりのモノで、剣術の腕前は雑魚魔族を退けるには十二分にある。
また、話術を用いて戦闘を此方のペースで進行させようとすることも常套手段。
召喚した魔族の特性を利用した連携や不意打ちも勿論行うので搦め手が得意と言える。
逆に相手の話術や不意打ちへの警戒を怠ることは無いためそういったものは効果は薄いと言えるだろう。
繰り返すが最大の弱点は召喚及び召還の隙と消費霊力の問題である。
特別苦手とする相手は数少ないが絶対的有利と言える相手も居ないのが召喚師の常と言えるだろうか。
ただし、仮にも陰陽師という役職である以上人間と殺しあうのは専門外であり、
また人間同士で戦う経験がそれほど多いわけではないので、あえて言えばそれが弱点と言える。
逆に言えば人外相手の戦闘経験は豊富であり、知識と合わせて魔族とも互角に渡り合うことが出来るだろう。
【備考】
古の昔より櫻の国に仕え都の霊的守護を任された陰陽師の一族の中の一つ、玉藻一族の8代目。
陰陽師の一族の中でも玉藻一族は式神や魔族との契約に長けた一族であり、彼もまた同じである。
陰陽師の一族には先代の子が代々その任を継承する場合と先代の弟子がその任を継承する場合の二通りがあるが、
玉藻一族の場合は後者であり、彼も先代である7代目玉藻狂死郎の下で陰陽師としての厳しい修行を積んで8代目に就任した。
となれば、彼に関する疑問が二つほど浮かび上がってくる――――陰陽師になった理由と本名だ。
しかし、彼はそれらの疑問について多くを語ることは無い。
何か後ろめたいことがあるのだろうか?それとも――――?
+
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使役している魔族 |
≪スライム≫またの名を≪シェイプシフター≫とも呼ばれる、非常に粘性の強いゲル状の身体を持つ魔族。
見た目は背後の風景が透けて見えるほど透明な水色であり、体積は直径2mほどの球体と同じ。
一般的なスライムとは違ってドロドロではなく、ゼリーのように結構しっかりした身体である。
基本的に球体の姿を取るが、人や動物などを模った姿に変形することも可能。
体積の合計は変化させることが出来ないが、身体を細かく分裂させることも勿論可能である。
動きは遅く、知性のようなものも見受けられないが、一応狂死郎の命令は聞くようである。
このタイプのスライムは消化液や毒液、強酸といった危険物を分泌することは無い。
(狂死郎曰く、そのような性質を持つタイプのスライムは扱いが非常に難しいので敬遠しているとか)
その代わり、強い水の属性を身に纏う性質を持っていて炎の攻撃にはとても強いという特性を持つ。
また、スライム特有の物理攻撃への強い耐性を持ち合わせるので防御に適した僕と言えるだろう。
近接戦闘タイプキラーとも言えるが、動きがかなり遅いというのが最大の弱点。基本的に壁扱いである。
開けた場所では無視すれば良い、ということになってしまうので、逃げ場の無い狭い場所が専門である。
その他、雷による攻撃には非常に弱く、一瞬で収縮して使い物にならなくなってしまう。
退魔刀への憑依時には刀形態のままで水を纏わせて切れ味を上昇させることが可能。
零式による発動魔術は『ゼラチナス・シールド』、目の前に2mほどのゲル状の壁を出現させて防御する魔術。
大抵の物理攻撃を跳ね返してしまうが、やはり雷による攻撃には非常に弱く、集中攻撃も苦手。
また、他の魔族を召喚している際に発動すると、出現する壁が魔族の持つ属性に応じて変化する。
≪管狐≫玉藻一族に代々伝わる使い魔兼召使の妖狐の魔族。といっても九尾の狐のような強大な力は持ち合わせておらず、
其の辺の狐よりちょっと大きくて尻尾が2本あるだけの弱小魔族に過ぎない。所詮は初心者用の使い魔である。
一応人間体への変身能力と弱い炎や妖術を操る能力を持ち合わせてはいるものの、能力者との戦いには不足か。
ちなみに雌。体色は雪色なのでかなり目立つ。人間体でもそれっぽい巫女姿になる。一種のマスコット。
退魔刀への憑依時には刀形態のままで炎を帯びさせることが可能、だが大したことはない。
一応、火炎による攻撃に強くなる効果もあるが、あまり頼りになるとは言えないだろう。
零式による発動魔術は『狐火』、その名の通り狐火を飛ばす魔術、炎の勢いはそれほどでもない。
≪剛力のウルフェン≫櫻の国出身の狼の獣人タイプの魔族。筋骨隆々でゴツイ。常に緑色の拳法胴着を身に着けている。
顔も体も狼そのもので蒼毛で毛むくじゃらの二足歩行の狼といった容姿であり、より獣に近いと言える。
特にこれといった魔術を持ち合わせてはいないものの、とにかく馬鹿力でタフなので便利。
また、身に纏う“闘気”を波動として打ち出すことである程度の遠距離戦をこなすことも不可能ではない
(典型的な脳みそ筋肉タイプなので文字通りの噛ませ犬なのは内緒……)
ちなみに雄。体色は漆黒で闇に溶け込む。見た目どおりの武人タイプの性格をしている。
退魔刀への憑依時には両刃の斧形態へと変化し、同時に所有者の身体能力を若干向上させる。
零式による発動魔術は『金剛力』、こちらも対象の身体能力を向上させる能力。
≪月兎因幡≫氷の国出身の兎の獣人タイプの魔族。非常に珍しいらしく、狂死郎も実物を見たのは彼女が始めてだとか。
容姿は両手両足が白い兎の毛に覆われ、頭部から兎の耳が生えているが、それ以外は人間そっくり。
氷の国出身だけあって肌は非常に白く、普段は白のワンピース姿をしているので本当に白ずくめである。
髪の毛もとても長くて白いので、普段は円管状の髪飾りで後ろ髪に一本、左右の髪にそれぞれ1本ずつ束ねている。
狂死郎への信頼度はかなり高いらしく、もっと彼の力になるために『ジャンクション』を望んでいる。
肝心の戦闘能力だが、非力ではあるものの俊敏性は高く、高く飛び跳ねたり素早く動くことが得意。
さらに弱いながらも冷気を操る力を持っていて、吐く息は水面を一瞬で凍結させる。
退魔刀への憑依時には氷の力を纏った妖刀・雪月花となり、触れたものを凍結させることが出来る。
その他、狂死郎自身も冷気による攻撃に対して強くなることが出来る。
零式による発動魔術は『雪風』、強力な冷気を発生させる魔術である。
≪ドッペルゲンガー≫夜の国に出現する魔族で、相手の姿をコピーするという能力を持っている。
服装や武器まではコピーできるが、記憶や能力をコピーすることは出来ないので戦力としては不足か。
どちらかといえば零式の能力を使うために封印したと言ってもいいだろう。
退魔刀への憑依時には相手の所有する武器と同じ姿になる。使い勝手は微妙と言えるだろう。
零式による発動魔術は『コピー』、あらゆるものを1度だけコピーすることが出来るという強力なもの。
自分や魔族をコピーして数を増やしたり、退魔刀をコピーして二刀流を披露する事が出来る。
ただし一つの物しかコピー出来ないので使いどころには慎重にならざるを得ない。
≪ボム≫文字通り爆弾の性質を持った魔族で、炎で出来た球体状の体に導火線のようなものがくっ付いている。
手足は無く、物を食べることも無い代わりにゆらゆらと空中を浮遊して魔力を吸収・成長する。
目を持っているように見えるが視覚で獲物を捕らえることは無く、対象が放つ魔力に反応して自動追尾する性質がある。
自動追尾する対象は必ずしも生物であるとは限らず、持続型の魔術に反応して吸い寄せられることもある。
基本的にはその場に存在する召喚者以外で最も強い魔力を放つ対象を自動追尾すると考えればよい。
鬼のような非常に凶悪な顔付きをしているが、これは相手を威圧するための目的が強いといえる。
一応、言葉を話すことも出来るのだが、『会話』が出来るとは言いがたいだろう。
行動も思考もとにかく機械的で、一説によると魔族が造りだした魔導兵器の一つだという。
戦闘においてはそれなりのランクの炎の魔術を使うことが出来るが、それを適切な判断の下に使うとは言いがたい。
本来の役割はやはり“爆弾”であり、ダメージを受けるたびに最初は普通の風船サイズだったものが膨張していき、
限界を迎え、半径2mほどに巨大化した時に衝撃を受けると大爆発を引き起こして周囲の全てを飲み込んでゆく。
しかし、受けた衝撃があまりにも大きすぎると限界を突破してしまい、爆発出来ずに砕け散ってしまう。
弱点はやはり水であり、一度でも浴びせられるとただの不発弾に成り下がる。冷気も苦手で、収縮させられてしまう。
逆に体そのものが炎であり爆弾なので、炎による攻撃を受けると急膨張し、爆発を受けると分裂してしまう。
退魔刀への憑依時には槍形態に変化して強い炎を帯びさせることが可能。管狐の上位互換である。
零式による発動魔術は『爆導索』、封魔符を直接対象に貼り付けて使用し、
対象を爆弾へと変化させて任意のタイミングで起爆できる。魔族に使って生きた爆弾にするのが常套手段。
≪鎌を持った動物≫正式名称は不明。現在判明しているのは零式による発動魔術のみである。
零式による発動魔術は『鎌鼬』、相手を切り裂く風を放つ魔術というシンプルなもの。
≪狐の姿をした女≫正式名称は不明。現在判明しているのは零式による発動魔術と刀憑依形態。
零式による発動魔術は『彼岸花』、対魔族用の捕獲魔術であり使用頻度も高い。
魔方陣から九本の鎖を出現させて相手を拘束させることが出来る他、
対象が魔族であった場合にはその力(魔力・身体能力両方)を弱体化させることが可能。
退魔刀への憑依時には聖なる力を宿した陰陽一対の双剣へと変化。
阿吽一対で装備することにより身体能力・防御能力を向上させることが出来る。
真名を干将・莫耶といい、嘗て鍛冶師の夫婦が共同で鍛え上げたと伝えられる宝剣のレプリカである。
しかしながら、退魔刀に憑依している“彼女”が持つ厖大な魔力によって本物以上の力が宿っている。
この干将・莫耶は担い手の“陰陽”によって威力が飛躍的に増大する性質を持った宝剣であり、
狂死郎は『服装の陰陽(白のシャツと黒のコート)』、『魔力の陰陽(陰陽師の聖と魔族の魔)』、
『人間の陰陽(精神と肉体)』、『感性の陰陽(積極的と消極的)』……などといった陰陽を完成させ、
干将・莫耶の8割程度の能力を引き出す事に成功している。裏表のある性格もこの“陰陽”に起因するとか。
干将・莫耶の能力を完全に引き出すためには、これに加えて『性別の陰陽(男性と女性)』も満たす必要があるが、
その手段が“オカマ”になるか“男と女の二重人格”になるかの二つに一つなので狂死郎には不可能だろう。
現在狂死郎が引き出している干将・莫耶の能力は、
・人間(陽)が担い手になることで魔族(陰)の肉体を滅ぼす、魔族特攻の能力
・肉体(陽)を持つものが担い手になることで魔力(陰)を捉える、魔術斬りの能力
・肉体(陽)を持つものが担い手になることで魔力(陰)を抑える、耐魔力の能力
・肉体(陽)と精神(陰)を合一させることで身体能力を向上させる能力
・白剣(陽)と黒剣(陰)を互いに強い引力で結びつける能力
……以上5つ。並べ立てると強力に見えるが、不完全であるために一つ一つの効力はそれほどでもない。
魔術斬りや耐魔力は一工程の魔術であれば苦にしないが、広範囲を破壊したり、逆に一点集中した魔術にはひとたまりもない。
身体能力の強化も、魔族を上回るほど強化されるわけではなく、手にすれば簡単に魔族を倒せるお手軽武器では決してない。
それでも、狂死郎の技術と経験によってこれまで数多の魔族を滅ぼしてきた“相棒”と呼べる武器であることに変わりはない。
≪金色の髪を持つ少女≫正式名称は不明。零式による発動魔術すら現在判明してはいない。
狂死郎曰く、『僕の母親のような存在だった人』らしいが……?
≪猿魔ハヌマーン≫猿魔と呼ばれる人間と猿が合わさった姿をした魔族であり、変身能力に定評がある。
全身の毛が白く、人間から見て老人のように老いた顔をしているが種族の中では若輩者。
武器は伸縮する“如意棒”、防具は胴体に黄金の鎧を着込んでいる。
俊敏で力強い上に多少の仙術を扱うことも出来るが、専ら変身能力を利用されることが多い。
退魔刀への憑依を行えない代わりに、自らが変身することで狂死郎の武器になることが出来る。
さらにその状態でも、元の体積の半分以下ならば自由に手や足や顔を武器から“生やして”攻撃できる。
基本的には伸縮・拡大が自在な“如意金箍棒”への変化が十八番であり、物量やリーチに優れている。
その他にも様々なレパートリーが存在するが、特別な理由が無い限りはまず“如意金箍棒”に変身する。
両端に金の装飾が施されたこの棒には魔族を退ける力が仙術の影響から込められている他、
伸縮・拡大を行っても使い手と定められた者が感じる重さは変化しないという特性を持つ。
零式による発動魔術は『隠行』、人物や物体への変身を行うことが出来る。他人にも使用可能。
ただし変身には変身対象の情報を隅々まで知っている必要があるので、人物への変身は難しい。
≪グリム・リーパー≫別名・魔海詩人とも呼ばれる魔海出身の作家・吟遊詩人であり、『物語』を紡ぐ事を生き甲斐とする魔族。
本来は種族名が存在するはずなのだが、本人曰く覚えておらず、狂死郎の辞書にも載っていないため不明。
その姿は青い中世の貴族風の衣装に身を包んだ金髪の中年男性。立派な顎鬚を蓄えたダンディ。
姿から魔族であることを判別することは難しいが、一応翼や尻尾は隠しているだけらしい。
戦闘面の評価だが、身体能力自体は非常に低く、まともに近接戦闘を行うことなど不可能と言ってもよい。
その代わり、死亡しても召喚者の魔力を無理矢理使って自らの分身を生み出すことですぐさま復活する。
消費魔力自体はそこそこ大きいので、殺され続ければ何時かは狂死郎の魔力が枯渇するだろう。
この魔族の本来の運用方法はエンチャンター、つまり召喚者の強化・補助であり、
自分が戦わない代わりに召喚者を戦わせるという完全な立場逆転の運用方法である。
強化魔術は彼が手にする無数の『物語』が詰まった分厚い魔本のページを破り捨てることで発動し、
様々な『物語』にそった強化魔術を召喚者及び指定した人物にエンチャントすることが出来る。
中には強力なものも存在するが、戦闘中同じ強化魔術を2度使用することは出来ない。
退魔刀への憑依は彼の身体能力が最底辺のため向いてはいない。
零式による発動魔術は『シャッフル』、彼が発動する強化魔術を1つだけ選択して発動する。
1度しか発動できないため普通は召喚した方がよいが、肝心の彼が気分屋なので安定感を求めるならこちら。
余談であるが、彼の名前が死神(グリム・リーパー)である所以は彼が書く小説の内容に由来し、
バッドエンド症候群で兎に角人を死なせたがることからくる一種の蔑称であるのだとか。
≪エーミール≫所謂“エルフ”と呼ばれる種族の男性で、その中でも一二を争う弓の名手として知られている。
森の精霊の加護を受けた緑のマントに身を包んだ、金髪碧眼のイケメンにして皮肉屋。
しょっちゅう狂死郎と喧嘩ばかりしては、嫌がらせにコレクションの昆虫標本を破壊されている。
戦闘スタイルとしては、“守りの弓”と“螺旋の弓”という二張の弓を駆使する遠距離タイプ。
“森の狩人”として毒や罠、そして植物に関係する知識が豊富であり、扱う魔術もそれらに関連したもの。
麻痺毒や出血毒を放つ矢に染み込ませ、足元にはこれまた毒を持つ魔の植物を罠として設置し、
自分は森の緑にカモフラージュで隠れながら狙撃を行うといった外道戦法を得意中の得意としている。
使用する装備は聖なる木の枝から作られたクロスボウタイプの“守りの弓”と大弓タイプの“螺旋の弓”、
森へのカモフラージュに使う緑のマント、そして護身用の短剣。
“守りの弓”は片手で扱えるクロスボウタイプの弓の欠点である『装填に時間がかかる』という点を、
『森の精霊の加護を得た魔術で瞬時に矢を“装填された状態”で作製する』ことによって克服。
さらには森の精霊の魔術によって放たれた矢の軌道をまるで生き物のように自在に変化させることも出来る。
魔術で召喚してから瞬時に矢を放てる即応性と目立たない大きさから、暗殺に最も適した弓。
矢の威力は粗悪な鉄の鎧であれば貫通することが出来るが、重装甲の相手は“螺旋の弓”の専売特許か。
“螺旋の弓”は“守りの弓”とは違って、威力を高めるために弦を渾身の力で引き絞る必要があり、
矢を瞬時に放つことは出来ないが、その分威力と速度は段違いで、対物狙撃銃をも上回ると言われている。
実際に射程距離も“守りの弓”の数倍で、狙撃の目的であればこちらの方が優れていると言えるだろう。
並大抵の鎧では防御することは難しく、魔術的防御も貫くための手段が存在するために“必殺”と言えるが、
小回りが聞かず、人間を相手にするにはオーバースペック気味なために常用されるのは“守りの弓”の方である。
緑のマントは森の緑へのカモフラージュ効果を高める魔術礼装である。
重要なのは“森”で無くては一切の効力を発揮しないということ。召喚する場面は選ぶ必要がある。
もっとも、エーミール自身は隠密行動に長けているため街中で召喚することに支障は少ない。
短剣はもしものための自衛用の武器であり、常用するものでは決して無い。
矢と同じように毒を塗ることによって致命傷を与えることは不可能ではないと言える。
退魔刀への憑依時にはなんと弓へと変化し、あらゆる武器を番えて矢として放つことが出来る。
その性質上、他の魔術とのコンボを狙わなければ憑依させる意味が存在しないと言える。
零式による発動魔術は『毒の杯』、武器に毒を帯びさせる強化魔術である。
≪ルーナ≫いつの間にか狂死郎にくっ付いて来た謎の黒猫。性別は雌。この名前は ビィーズが名付けたもの。
人語を解するどころか言葉を話すことすら出来ることから、魔族の一種であることが推察出来る。
狂死郎のデータにもないほど珍しい種族で、封印の際に多大な霊力を要求したことから高位の魔族であることが疑われる。
黒髪黒服の少女の姿を取ることが出来、こちらが本来の彼女の姿である。普段の猫の姿は狂死郎の魔力消費を抑えるためのもの。
その能力は見た者を“夢の世界”に飛ばすことが出来る魔眼・【胡蝶の夢】―――抵抗する強い意志が有れば抗する事も可能である。
戦闘では使いにくいため、狂死郎は魔眼の発動を黒猫の姿の時のみに限定し、用途も拷問・尋問専用に限定している。
一応、それ以外にも戦闘能力を有しているのだが、何分不確定要素が大きいので使い勝手は良くない。
月の模様が描かれた漆黒の日傘を大切にしているのだとか。
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【特殊封魔符・術式等】
魔族を封印した13枚の封魔符の他に、それを補助するための使い捨ての封魔符を所有している。
これは陰陽師の一族に伝わる秘術を封魔符へと封印したもので、それぞれ固有の術式を展開する。
戦闘に用いられるよりもむしろ、副業の探偵家業に使われるものが殆どである。
それ以外にも悪滅には魔族の力を利用した様々な術式が存在するので合わせて紹介する。
『悪滅七式・黒椿』表に穴のような絵が描かれた特殊封魔符。発動魔術は『転移』であり、術式を展開すれば、
その場に黒い渦のようなものが出現してそれに吸い込まれた者を指定の場所へと転移させる。
これは魔族を召喚する際の術式を応用したものであり、『逆召喚』とも呼ばれている。
面倒なのが事前により複雑な術式を用いて召喚先を“登録”しておかなくてはならない点。
戦闘では使えないので基本的に逃走用の術式であり、どんな時でも最低一枚は所有している。
(かっこよく逃走するための小道具のようなものであると認識していただければ……)
『悪滅二拾壱式・沖津鏡』表に魔方陣のような絵が描かれた特殊封魔符。発動魔術は『結界』である。
奥義の名を呼称することによって展開し、符を中心に円形の盾のような青い結界が形成される。
鋼鉄製の盾と比べても遜色の無い防御力とそれよりも遥かに軽い重量が利点と言える。
要するに符を媒介に霊力を放出して結界を作るだけなので、破壊されない限りは再利用が可能。
狂死郎はこれをラウンドシールド代わりに使う他、投げつけることによって武器としても扱う。
投擲時には円盤状だけでなくバレーボール大の球体に結界を形成することも可能である。
攻撃と防御が一対になった便利な符術だが、取り出す際の隙が問題になってくるだろう。
また、狂死郎が単独で発動できる符術の中で直接戦闘に関わる符術はこれだけである。
さらには、自身の周囲を公転させるように展開して瞬時に防御・攻撃を行うことも可能であるが、
消費魔力が激しく、これに魔力を割く位ならもっと高位の魔族を呼んだ方が基本的には良いので、
自分が主体になって戦わざるを得ないような特別な状況にならないとまず使わない。
なお、本来展開すれば不動である結界を動かすことが出来るのは単に狂死郎の才能によるもの。
詳しく説明すれば、彼の生まれ持つ魔術特性によって成し得る事が出来るものである。
『悪滅三拾九式・地返』表に十字架のような絵が描かれた特殊封魔符。発動魔術はなんと『下僕の蘇生』であり、
使役している魔族でさえあれば例え死亡したとしても復活させることが可能である。
実際の所、『肉体』が死亡しても『魂』の契約は存続しているという原理を利用しており、
正確には『蘇生』ではなく『新たなる肉体への憑依』と言い換えるべきだろうか?
無論だが消費霊力は膨大で、術式の展開自体にもそれなりの時間を要するために、
間違っても戦闘中に倒れた魔族を復活させるようなことは出来ない。
(魔族の命を軽視するための小道具のようなものです、はい)
『悪滅五拾式・付喪』封魔符に封印された魔族を退魔刀に憑依させる術式。本来は百式に付随する機能であるが、
狂死郎は修行によって封魔符の状態のまま魔族を退魔刀に憑依させることが可能になった。
発動時の術式は退魔刀で封魔符を突いたり斬ったりと千差万別。
当然、一度憑依させると零式や百式の発動に使えなくなってしまうので注意が必要。
その代わり、消費霊力はかなりの省エネ。百式との同時使用も十分可能。
『悪滅奥義・虚構結界』玉藻一族の中でもごく僅かの者にしか体得できない悪滅の奥義の中の一つ。
一度に複数枚の封魔符を触媒及び魔力源として発動する結界魔術らしいが詳細は不明。
どうやら“魔族が最大の力を発揮することが出来る場所を作りだす”結界魔術らしいが……?
『木符』
幸徳井佳乃から譲られた3枚の符。簡単な印と掛け声で治癒の力を発揮する。
人間の怪我を一瞬で完治させられる力は無いが、動植物ならもう少し効果が期待できる。
―――狂死郎曰く、悪魔が居なければ簡単な符術も出来ない自分が情けなくなるときがあるらしい。
『黒水晶の髑髏』 所謂『クリスタル・スカル』。襲われていた男を助けたお礼として押し付けられた呪いの髑髏。
珍しい黒水晶から生成されているため、美術的価値も高く、魔術・呪術の媒体 としても優秀だとか。
狂死郎はこの髑髏が放つ呪いを自らの魔力へと変換し、飛躍的に上昇する術を考案しようとしている。
最終更新:2013年08月18日 12:53