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『良質な教育、適確な運動、そして私の作る薬を一錠。
【詳細】
カノッサ機関系列の研究施設。主に薬物の研究を行っていたが、数年前に当時の正義によって壊滅させられた。
製造・研究の成果としては肉体増強薬(いわゆるプロテインのようなもの)や自然治癒力を高める薬など。
その中で最も際立っていたのが第三研究主任『ヴィルヘルム・フォン・グライツ』による『人口能力者』の研究である。
ちなみに名前のAPO研究所と言うのは
〝Apotheker〟(薬剤師:独語)が由来。
また研究所そのものは現在も廃墟としてだが某国の片隅に残っており、地下には瓦礫の中にそれなりの設備が残存している。
後述の
ブランデン・ケミッシュが長期睡眠していたカプセルも無事に稼働している様子。
【目的】
この研究の主目的は以下のとおりである。
1,一錠の薬物で無能力者を能力者にする事
2,被験者には全く負担をかけず、最長1時間程度で日常生活に戻れる事
3,加えて、同時に兵器としての洗脳を徹底的に行うこと
三番の頁に関しては特に施設がカノッサ機関の系列であるため機関への忠誠という洗脳が主だが
人間兵器として売り出すようなことが有れば販売先への忠誠を植え付ける、ということも可能であった。
またこの忠誠は主任研究者のヴィルヘルム個人に対しても存在し、その忠誠は何よりも優先される。
これらの目的は研究最初期は全く軌道に乗らず、唯一の成功例も暴走の結果ロスト。
その後長期間のコールドスリープなど徐々に手を変え品を変え、最終的にはほぼ達成される。
ただし終盤の投薬によって完成される兵器は人間としての感情が欠落しており
あくまでも『人間兵器』を目指すヴィルヘルムからすれば全くの失敗と言ってもよく
更なる改良を目指した所で正義組織の襲撃を受け、研究所の壊滅と共に主任が死亡、研究は頓挫した。
【関係者】
- ヴィルヘルム・フォン・グライツ
投薬による能力者を作るという研究の第一人者、天才。
容姿など詳しい事は全く分かっていないが、何かがうまくいくと『にやり』と笑うクセがある。
付き合いの長さ上、特にベイゼ・べケンプフェンと仲が良く、入れ込んでもいた。
尚、性格は捻くれていたことが研究の成果などから判明している。
というのも被験者はほぼ全員が少女であり、服としてネグリジェやホットパンツを用意したり
そもそもある種のセーフティだとしても自分自身への絶対忠誠を誓わせている時点で恐らく変態である。
また出身地だが、これは能力者のほぼ存在しない世界(第一次大戦後のドイツ南部)である。最初の研究もオーストリアの山中で行っていた。
ナチス党にも所属していたがその方がやりやすいからというだけであり、活動は熱心ではなかった。
やがて第二次大戦の戦局が悪化し始めるとナチス・ドイツを見限り、友人のストム・エアと共に渡界。
その後自身の方向性と会う機関に所属し、変人と見られながらも研究を続けていた。
- アーライン・アオスガング
AA。意味はドイツ語で〝全ての出口〟であり、研究の第一歩となった人物。
所謂『向こうの世界』では非常に珍しい適合者であり、男性だったと言われる。
しかし能力の発現後、そのあまりの強力さから暴走し、機銃掃射によって制圧され
そのままオーストリア山中の断崖から落ちて、消えた。当時の気温は体感でマイナス32度にもなったと記録にある。
また髪の色は黒か紺とされ、比較的小柄で物静かな人物だったという。
- アンジェル・ベルジュロン
AB。第二の被験体で能力の発現もスムーズに行き、様々な技術などの伝授も上手くいっていたのだが
こちらも早い段階で研究失敗。『機関(悪)への忠誠』から『社会的正義への忠誠』へと心根がすり替わり
おまけに研究所で過ごしていた時のことは全く忘れているという、ヴィルヘルムとしては最悪の結果に終わった。
ちなみに彼女は孤児となっていたところを引き取られたのだが、まっとうな両親は全く分からない。
――が、実はその母は半魔リリア、父はAAことアーラインである。また、厳密には魔族でも人間でもない魔力生命体である。
- ベイゼ・べケンプフェン
被験体BB。全ての被験体中で最も成功した存在であると同時に、研究の基幹となった人物。
これ以上の失敗をしないためにヴィルヘルムが全力を傾けたことと
彼女生来の天才的頭脳により、大概の学問は早期に修めた。運動も同様に得意であった。
彼女は能力を手に入れるために投薬を受け入れつつ、その安定性を高めるために長期睡眠を提案した経緯があり
それも一回目は失敗と思われた(実は能力の性質上気付けなかっただけ)ため、二度にわたって睡眠を続ける。
このため青春と呼べる時期は全てカプセルの溶液の中で過ごしており、また10歳以前の記憶はない。
そのせいで性格がやや捻くれており、また仕上げの段階でヴィルヘルムが死亡したため不完全体である。
- ブランデン・ケミッシュ
BC。アンジェル、ベイゼらよりも更に後期の作。分裂の能力を備えており
時間さえかければ無限に数を増やせる上、戦闘の技術やパワーなどは人一倍に強化された兵士であるため
ある意味では『人間兵器』の完成体であると言えるだろう。が、感情や常識の欠落が著しく
ヴィルヘルムの思想からすれば全くの失敗作、ということになる。
研究所の壊滅当時は長期睡眠に入っており、その後カプセルが自動で停止するまで目覚めることがなかった。
そのため近年になってようやく目覚め、機関への忠誠を第一に行動し、姉妹であるAA以下の主要な相手を探し求めている。
最終更新:2014年02月27日 04:28