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——ここまでの『File : ZERO』


【Flavor Song】
♪『Bombs Away』 - ONE OK ROCK



序章


 『公安六課』の新米捜査官・黒野カンナは、どこか空回りしがちな自分に悩みながら日々任務をこなしていた。

 そんなある日、彼女は警察内部の不正を監視する『検閲装置』こと、円 嗣星 特別監査官から密命を受ける。

 突拍子もないことに戸惑いながらも指令を受けて捜査を進めていくと、
 その背後には様々な事件や勢力の絡み合った国家的陰謀が渦巻いていることを知る。

 自分の所属課長すらも陰謀に加担する側だと判明し、四面楚歌の状況へ置かれながらも、
 彼女は円警視正の手によってその直属特捜班『ゼロ』の人員となり、この巨大な陰謀へ立ち向かうことを意に決めた。

+ 【01】『二・一二事件』
2018/02/18放送分 ——『二・一二事件』


 陰謀の重要な鍵となる『第211号事件』の真相を追う黒野カンナ。

 しかし現状彼女の他に捜査員のいない『ゼロ』では捜査が進む筈もなく、中々決め手となる情報を掴めずにいた。

 そんな時分、都市庁区街で何らかの暴動があったとの報せを受ける。
 武装集団は機動隊によってすぐさま制圧されたため大事には至らなかったが、
 この襲撃首謀者たる『公安一課』警部・西島は未だ逃走中だという。

 その折、彼女は円 警視正から西島を確保せよとの指令を受けた。
 曰く、西島は陰謀の黒幕を特定する為の重要な情報を持っている。
 黒幕側の捜査官に捕まって隠蔽されるより先に、こちらで西島を確保しなければならない、と。

 彼女は円から得た情報によって西島の居場所を掴むが、
 かつて公安一課のエースと目された彼は現場でも相応に手強かった。

 そんな二人の繰り広げるデッドチェイスに巻き込まれたのは、自警団所属の魔術剣士・ディミーア
 西島の行動が彼の余計な怒りを買い、一人『鬼』を増やす形で現場は更なるデッドヒートを生んだ。

 西島は非能力者でありながら、周囲の環境を最大限に利用したゲリラ戦術によって
 圧倒的戦力差のあるディミーアの追跡を巧みに躱すばかりか、
 逆に不意を突いて彼を打ち倒すあと一手のところにまで至った。

 しかし、ディミーアの発揮した人外の膂力と、
 あまつさえ自らを部下へと勧誘するという剛毅さを前にして戦意を喪失、そこへ追いついたカンナによって確保された。

 西島へ発布された罪状は『国家内乱罪』。
 適用されれば死刑は免れない程の大罪人とされる彼は、確保の直前、このような言葉を残した。

 「……お前達は何も分かっていない。
  今のままじゃこの国に未来なんてないんだ」

 「誰も信じるな。『能力者』なら尚更——」

 その言葉の真意は知れぬまま、彼は留置所へ送られる。
 黒野カンナはどこかやるせない思いを抱えつつ、それでも『法』の下で動く他はなく。
 彼女は人知れず拳を固く握りしめた。

 真実は、未だ深い闇の奥で——


最新話——『闇の奥』


 公安一課の西島当護容疑者、内乱罪の容疑で逮捕。依然として黙秘続く——
 世に流れる報道の裏で、事態は動いていた。

 彼の身柄は、留置所ではなく『ゼロ』の捜査本部にあった。
 留置所で黙秘を続けているのは、彼の姿を精巧に模した『アンドロイド』。
 『ゼロ』司令官・円 嗣星の手によって、すり替えられていたのだった。

 本部内において、
 円によって暴露されたのは、西島当護の『正体』。
 それは、『作りあげられた存在』としての『エース』——

 敢えて花形である『公安のエース』という役柄を“演じる”ことで、
 他の公安一課捜査官への注目を逸らし、非常時の際のスケープゴートとして機能する、
 それが西島当護という男に与えられた役割だった。

 厳重に秘匿していた自らの存在意義を看破されたことで西島は精神的に酷く動揺する。
 そこへ尋問を掛けるよう任じられた、『ゼロ』新米捜査官・黒野カンナ。

 しかし固く口を閉ざす歴戦の公安捜査官に、新米の言葉は遠く届かない。
 あらゆる手立て虚しく、ただ時間だけが過ぎる。
 それでも一週間という時間を掛けて食い下がった末、ついに西島当護が口を開いた。

 彼が暴動を起こした真の目的は、『円卓』という裏組織を検挙するためであった。
 国家権力の裏に巣喰い、『機関』と癒着して国を裏から牛耳る〝闇〟——それが『円卓』なる存在。
 彼らが持つ『グラーク書簡』という文書には、『機関』との繋がりを示す重要な証拠情報が載っているとのことだった。

 西島当護は入念な内偵と計画の末、『書簡』の奪取作戦を決行したのだが、
 仲間内にはスパイが紛れ込んでおり、情報は全て敵へ筒抜けであった。
 そのために何の成果を上げることもなく、無残に敗走——それが、事の顛末であった。

 西島当護は、自身の持つ情報と『ゼロ』の捜査資料を組み合わせ、
 『円卓』の他に存在するもう一つの〝闇〟——『真の黒幕』へ至る道筋を示す。

 しかしそこで、無情にも『時間切れ』が告げられる。
 『すり替え』工作の限界も近く、これ以上は『ゼロ』の本部へは留めておけない。
 西島当護は『ゼロ』と、そのまだ見ぬ協力者達へ未来を託し、自ら起こした事の始末を付けに裁判を受ける為、その場を後にした。


 一方、その頃——
 謎の『婦警』が暗躍を始めていた。

 陰謀に関する情報を嗅ぎ回る人間へ近づき、
 『能力を消去する』謎の機械を用いて対象を排除しようとする——
 その最初の毒牙にかかったのは、『擬態/ミミック』の異能を持つミラ・クラァケ

 何かの悍ましい陰謀の一端に触れつつもかろうじて生き延びた彼女は、
 捜索していた初瀬 麻季音の元へ赴くため、風の国・UT酒場を目指していた。

 ——件の『婦警』が、行き着いた先に潜んでいるとも知らず。


 真実へ辿り着く者は、果たして——



NEXT ——


「悪法もまた法だよ」                                                                                                                        

                                                                                「わたしはずっとあなたのことが嫌いでしたよ」

「全員動くな、屑ども!!」

「…………ぎゃは」                                                                                

「大丈夫ですよ、これから『新しい世界』が来るんです」

                                                  「人を守っているんじゃない。国を守っているんだ」

「次は、『夢』じゃないところで」                                                                                                    

「これは大いなる剪定ですよ」                                                                      
                                                                                                    「ようこそ、オーウェル社へ」

「よう、番号付き。お前はどっちだ?」                                                                      

                                                                      「三課を解体します」





闇は渦巻く。
あらゆる色を飲み込んで。


次回、File : ZERO ——『 N2文書 』



——『正義』を、問い質せ。






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最終更新:2018年03月02日 09:44