チドリ・コジマ

「君は人からよく思われたいと望んでいるのか。
それなら、そのことを自分で言ってはいけない。」
──フレーズ・パスカル

『The Lady, or the Tiger?』

「素敵なお召し物。お借りしても、よろしい?」  


【名前】
チドリ・コジマ

【外見】
フォーマルなビジネススタイルに身を包んだ、毅然さの中に瑞々しさと艶っぽさを含むような、そんな立ち姿の女性。身長は160cmと少し。黒縁の眼鏡をかけている。
タイトなスカートの下には黒いストッキングが覗く。その引き締まった、けれど零れそうな曲線美を──殆ど露出がないのにも関わらず──否応無く強調する。足元は深紅のハイヒール。
派手さはないが、かと言って地味とも言えない、女らしさだけをアピールしてくる薄桃色のマニキュア。爪先は丁寧にヤスリがかけられていて、円やか。
ジャケットの下、ネクタイを締めた白いシャツの胸元にて、釦を弾けさせんと主張する膨らみ。猫目の垂れ目は然し切れ長で、青い瞳はどことなく底知れない。右眼の下には、泣き黒子。
端整な顔立ちではあり、如何にも切れ者と名乗りたげなスマイルを絶やさない。手入れの行き届いている艶やかな黒髪は、かきあげて綺麗なシニヨンに纏められている。時々下ろしてセミロングにしている。そこまで濃い化粧は好まない。薔薇の香りの香水が好き。
薄くありながらも、どこか柔らかそうな唇。口紅は少し濃いめ。──ちろり、と唇を舐るのならば、垣間見えるのは半ばほどまで裂けた舌先。唾液の乗った、やたらに長い、紅色の舌。本人いわく、「二枚舌」。

【能力】
「ロングアイランド・アイスティ」
              ── Long Island Iced Tea:甘美で冷たい劇毒
破壊力-B スピード-C 射程距離-D
持続力-C 精密動作性-E 成長性-D
上下の犬歯に「細胞の異常分裂」を促す劇毒を分泌する毒腺を持つ。ただし厳密には、自己増殖性においてウイルスに近い。
感染経路は経口または傷口から。噛み付かれたり、毒を塗った武器で切りつけられたり、毒入りの唾液を飲まされたりすると発症する。
濃度が薄ければ良好な利用がしやすい。ごく軽度な毒なら再生能力を向上させたり(四肢が吹き飛んでも1レス程度で再生)、人間ではあり得ないくらいの筋力を得たり、もう少し濃度を高めれば背中や胴体から「3本目の手足」を生やしたり──
本人の生命力が持つ限り、「賢くて素早いゾンビ」みたいになる。特に彼女は同カルトの信者らしく「関節の増殖」や「意図的な脱臼」による、蛇のようにうねって絡みつく動きを好む。
濃度が濃ければ攻撃的な傾向が強まる。無制限に自己複製する細胞は即ち腫瘍である。武器に塗れる程度の毒であっても、侵された傷口は見る間に「にくにくしく」腫れ上がり、無駄で無秩序な増殖により宿主の体力と生命力を奪っていく。
基本的には、膨満した組織を自ら分離・破壊するのが治療法。また彼女自身の血液が血清であり、少しでも経口摂取すればすぐに症状を抑えられる。そのまま戦闘を終え、安静にしていれば後遺症もなく完治する。ただしウイルス自体の突然変異はそれなりに頻繁に生じるため、獲得した抗体が次の戦闘で役立つことはない。

【戦法】
逆手で握った特殊ナイフの二刀流による格闘を得意とし、そこに自身の異能を組み合わせたり、搦め手として投げナイフや銃を用いたりする。元より敏捷性と判断力は中々のもので、更に能力で十分なブーストが与えられる。
ひとたび毒を与えてしまえば防戦に徹して衰弱死を待つこともできるため、その戦術は回避と防御に重点が置かれている。ただし、タネがバレると力負けすることが多い。
正直なところ戦闘は苦手らしい。だからあまりやりたがらない。拷問とかの方が好き、とのこと。多分、サディスト。

【装備】
  • QSB-91特殊短剣
グリップ部に拳銃弾の発射機構を備えた特殊な軍用ナイフ。彼女はこれを2振り持つ。斬れ味はなかなか、人の骨くらいなら労せず切れる。またグリップのトリガーを引くと、鍔の部分から9mm特殊消音弾を発射する。装弾数4発。
普通のナイフとしての使途以外にも隠し武器として使えるが、無茶な構造をしているため耐久性に難がある。乱暴な扱いをすると割とすぐ折れる。また、弾丸の威力は虚仮威しにしかならない程度。

  • MP5K「コッファー」
高い射撃精度を有する短銃身のサブマシンガン。コッファーとは貴重品入れの意味。装弾数15発、9mmパラベラム弾仕様。MP5シリーズのバリアントの一つであり、アタッシュケースの中に収めたまま射撃ができる変わり種。
これも不意打ちとしては中々上等。ケースから外して普通のサブマシンガンとして扱うこともできる。ただし、対能力者戦では威力にあまり期待すべきではない。

  • 投げナイフ
スーツの下、そして「身体の中」にたくさん隠してある。使うときは引き抜くか、肌の奥から捌いて抉り出す。
指に挟んでぱっと投げる。ストッピングパワーは微妙だが、毒を食らわせるには必要十分。

【概要】
某国の非正規工作部隊に所属する異能力者。肉体は完全に生身。サーペント・カルトの一員。階級はサーバント。外交屋でありながら一種の倒錯性癖者でもあり、「他人の皮を服状に剥いで纏う」行為に尋常ならざる執着を示す。
しかしながら自身の性倒錯を野放しにしておくほど野蛮ではなく、「合法的に」それを満たせる環境に身を置くことを好む。
また加えて、性癖以外の感性は極めて平凡。無意味に人を殺すのは嫌い。正義感のない人間は嫌い。自分の行いが正当化されないのは嫌い。
そんな彼女が同カルトに身を置く理由は、その資金の動きとテロリズムを外交上の横車として使えないか模索する「飼い主」から命じられてのこと。同組織内では資金調達や違法薬物のブローカー、勧誘役、あるいは拷問や異端審問などをこなしている。
試しに舌を裂いてみる程度には教義は気に入っているし、教団の行動に協力的にならない理由もなく、表向きは「ありがちで凶悪な狂信者」を演じろと指示を受けているから、今のところは害意あるスパイではない。今のところは。

+ いろいろと。
  • ネーミングは、なんとなく
  • 見た目の元ネタは、DTBの霧原さんとカウビのフェイを足して2で割った感じ。
  • 性格の元ネタは、羊たちの沈黙のバッファロー・ビルと、更にその元ネタになった殺人鬼より

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最終更新:2018年05月31日 21:55