特別執行委員異聞/第06話 - ナイトウィザード！クロスSS超☆保管庫

特別執行委員異聞：教師たちのララバイ

　居酒屋ろんぎぬす、即ち、教師たちが酔っ払ってくだを巻ける数少ない場所である。

｢ぷはー｣
｢この一杯のために生きている、って感じねー！｣
　香椎あやめと谷崎ゆかり、学園世界に生きる女教師が二人。黙っていれば美人と有名。

｢あのー、僕は何故ここにいるのでしょうか？｣
｢ここ、お酒飲む店ですよね……｣
　ネギ･スプリングフィールドと静･ヴァンスタイン、二人に連れてこられたご存知魔法先生。因みに未成年。

｢まあ、このミックスジュースはサービスだ｣
　春日恭二、即ちこの店の店主。あんまり色々な所で活躍(?)した経歴を持つが故に次元の壁の向こう側に投げ込まれた。
　最近、『チーム･カスガの栄光』なる物語が有ったらしいが詳細不明。始まる前からものすごくかがいていたんだけどねぇ。

｢しかし旦那、もう学生って年でもないのにこんな所に来ちゃって大変だろうに｣
｢ええまあ、慣れましたからね、こういう無茶は｣
　そう言いながら熱燗を“せんせい”に出す店主。
　きゅーっと飲み干すと、文字通り蕩けそうになる。
｢ふぅ、村にいた頃はこんな旨い酒はめったに飲めなかったよ。
　小さな村で、人の出入りもほとんど無かったからな｣
　昔を懐かしむような目つきのせんせい。
　思い出すのは、時折戻ってきてはコップ一杯だけ酌み交わしてまた旅立つあの生徒の父兄の事……

　女教師たちが上がり框で大騒ぎの中、カウンターでは男たちがしんみりと飲んでいる。
　今宵も、酒場の夜は更けていく……

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