○○と秘密の本 case2-3 平日の過ごし方(部活動?編)
休日。
学園が転移して出来たこの世界に、休日出勤などと言うサラリーマン的なものは存在しない(一部教師除く)
毎週1度、所により2度は訪れる休日。学園世界において、その過ごし方は様々である。
学園が転移して出来たこの世界に、休日出勤などと言うサラリーマン的なものは存在しない(一部教師除く)
毎週1度、所により2度は訪れる休日。学園世界において、その過ごし方は様々である。
学園都市や真帆良、蓬莱など“学生の遊び場”が充実している学園に遊びに行くもの。
購買で依頼を受けたり、自主的にダンジョンに向かったりして“冒険”に明け暮れるもの。
“研究者の楽園”ザールブルグアカデミーで学業を忘れてひたすら研究に勤しみ、議論を戦わせるもの。
居住区で、出会った異世界の同好の士たちと様々な“同好会活動”を行うもの。
学園海や学園都市で“アルバイト”に精を出すもの。
購買で依頼を受けたり、自主的にダンジョンに向かったりして“冒険”に明け暮れるもの。
“研究者の楽園”ザールブルグアカデミーで学業を忘れてひたすら研究に勤しみ、議論を戦わせるもの。
居住区で、出会った異世界の同好の士たちと様々な“同好会活動”を行うもの。
学園海や学園都市で“アルバイト”に精を出すもの。
だが、ちょっと待ってほしい。
実のところ、これらの活動は“平日”にも繰り広げられている。
授業終了から、寮に帰って寝るまでの時間。
学園世界の学生たちは各々好きなように様々なことをして過ごす。
実のところ、これらの活動は“平日”にも繰り広げられている。
授業終了から、寮に帰って寝るまでの時間。
学園世界の学生たちは各々好きなように様々なことをして過ごす。
これは、とある高校の“色々”の様子を現した物語。
そして、“彼女”の平日の過ごし方は…
そして、“彼女”の平日の過ごし方は…
―――県立北高校
ペラ…ペラ…
「平和だ…」
いつもの喧騒とはほど遠い、静かなSOS団の部室を眺めながら、俺は束の間の平和を噛みしめていた。
(ハルヒの奴、今頃あいつらと何やってるんだろうな…?)
放課後になってすぐ、我らの団長様こと涼宮ハルヒは鶴屋さんが連れてきた“他の学校”の奴らと出かけてしまった。
まあ、どうせどっかの学園都市か居住区にでも遊びに行ってるんだろう。
『キョンは留守番!今日は女の子の日だから!』
とまあよく分からない理由で置いてかれたわけだが、俺としてもハルヒにつきあうのは休日の“ガチで不思議が見つかる不思議探索”だけで正直お腹いっぱいなので問題はない。
いつもの喧騒とはほど遠い、静かなSOS団の部室を眺めながら、俺は束の間の平和を噛みしめていた。
(ハルヒの奴、今頃あいつらと何やってるんだろうな…?)
放課後になってすぐ、我らの団長様こと涼宮ハルヒは鶴屋さんが連れてきた“他の学校”の奴らと出かけてしまった。
まあ、どうせどっかの学園都市か居住区にでも遊びに行ってるんだろう。
『キョンは留守番!今日は女の子の日だから!』
とまあよく分からない理由で置いてかれたわけだが、俺としてもハルヒにつきあうのは休日の“ガチで不思議が見つかる不思議探索”だけで正直お腹いっぱいなので問題はない。
ペラ…ペラ…
(…ま、平和なのは良いことだ。これで帰れれば文句は何一つなかったんだが)
内心の思いを胸に溜息をつく。
長門が言うには、今の俺らは“学園世界人”とでも言うべきものになってるらしい。
そのためか“世界を大いに変える”ハルヒの“能力”もその影響が及ぶのは“学園世界”の中のみであり、今の俺らにとっては“異世界”となる元の世界へは影響が与えられない。
まあ、俺には正直詳しいところは理解できないが、ものすごくかいつまんで言うと要するに“ハルヒの能力はそのままだがハルヒがいくら望んでもそれだけでは帰れない”らしい。
『また、今回の現象は涼宮ハルヒの能力の介在していない現象であると推測される。よって涼宮ハルヒに真実を明かすのは、危険』
そんなわけで相も変わらずハルヒの奴には色々と秘密にしておこう。
“宇宙人”も“未来人”も“超能力者”もいて、更に言えば住人の99%は“異世界人”である学園世界にいることと“SOS団の仲間”が実はそうでしたと言うのは別物。
それがハルヒを除くSOS団の5人で話し合って出した結論だった。
内心の思いを胸に溜息をつく。
長門が言うには、今の俺らは“学園世界人”とでも言うべきものになってるらしい。
そのためか“世界を大いに変える”ハルヒの“能力”もその影響が及ぶのは“学園世界”の中のみであり、今の俺らにとっては“異世界”となる元の世界へは影響が与えられない。
まあ、俺には正直詳しいところは理解できないが、ものすごくかいつまんで言うと要するに“ハルヒの能力はそのままだがハルヒがいくら望んでもそれだけでは帰れない”らしい。
『また、今回の現象は涼宮ハルヒの能力の介在していない現象であると推測される。よって涼宮ハルヒに真実を明かすのは、危険』
そんなわけで相も変わらずハルヒの奴には色々と秘密にしておこう。
“宇宙人”も“未来人”も“超能力者”もいて、更に言えば住人の99%は“異世界人”である学園世界にいることと“SOS団の仲間”が実はそうでしたと言うのは別物。
それがハルヒを除くSOS団の5人で話し合って出した結論だった。
そして、本日。SOS団のメンバーはそれぞれに用事があって部室には来ていない。
ペラ…ペラ…
長門は執行部の助っ人として放課後早々に管理棟に出かけて行った。
『どこの学園組織にも属してなくて事務ができる人ってすっごく貴重なんです!お願いします!手伝ってください!』
まさかうちにあの極上生徒会の執行部がスカウトに訪れるとは思っていなかったから最初は驚いた。
何かどっかの集まりだか何だかで長門の素晴らしい処理能力を見てスカウトを決めたのだと言う。
それで、ハルヒの勧めもあって長門はそれを了承し、時々、執行部に手伝いに出かけている。
現場には出ない事務要員だが、長門ならば例え現場にでても余裕だろうから、問題無いだろう。
『どこの学園組織にも属してなくて事務ができる人ってすっごく貴重なんです!お願いします!手伝ってください!』
まさかうちにあの極上生徒会の執行部がスカウトに訪れるとは思っていなかったから最初は驚いた。
何かどっかの集まりだか何だかで長門の素晴らしい処理能力を見てスカウトを決めたのだと言う。
それで、ハルヒの勧めもあって長門はそれを了承し、時々、執行部に手伝いに出かけている。
現場には出ない事務要員だが、長門ならば例え現場にでても余裕だろうから、問題無いだろう。
ペラ…ペラ…
古泉はいつものように携帯で連絡(最近機種変したらしい)を受け、“組織”の“アルバイト”があるとかで帰って行った。
最初はいつものことなので気にも止めて無かったがよく考えたら学園世界にいる古泉の“組織”の人間は、古泉をいれても5~6人しかいない上に北高内部に全員いるということになる。
だったら一体こいつはどこでなにしてんだと疑問に思ったがどの道聞いてもはぐらかされるだろうし、そもそも元の世界の古泉の組織のことも俺はよく知らない。
つまりは今までとその辺はあんまり変わってないわけで、気にしてもしょうがない。
なので別段聞いたりはしていない。
最初はいつものことなので気にも止めて無かったがよく考えたら学園世界にいる古泉の“組織”の人間は、古泉をいれても5~6人しかいない上に北高内部に全員いるということになる。
だったら一体こいつはどこでなにしてんだと疑問に思ったがどの道聞いてもはぐらかされるだろうし、そもそも元の世界の古泉の組織のことも俺はよく知らない。
つまりは今までとその辺はあんまり変わってないわけで、気にしてもしょうがない。
なので別段聞いたりはしていない。
ペラ…ペラ…
朝比奈さんは学園世界に山ほどある同好会の1つ、“メイド技術向上委員会”のとやらの集まりに出かけて行った。
最初はメイド趣味の男女がわいわいやっているものかと思っていたが、朝比奈さんが言うには“超本格派”だと言う話だ。
なんでも実際にトリなんちゃら学校で働いているメイドやらメイドの養成学校であるガルなんたら学園の生徒やらがいて、心遣いやらをなんやら磨いているとかどうとか。
冷静に考えると別に朝比奈さんはメイドでも何でも無いわけなのだが、まあ、朝比奈さんらしいと言えばらしい話である。
最初はメイド趣味の男女がわいわいやっているものかと思っていたが、朝比奈さんが言うには“超本格派”だと言う話だ。
なんでも実際にトリなんちゃら学校で働いているメイドやらメイドの養成学校であるガルなんたら学園の生徒やらがいて、心遣いやらをなんやら磨いているとかどうとか。
冷静に考えると別に朝比奈さんはメイドでも何でも無いわけなのだが、まあ、朝比奈さんらしいと言えばらしい話である。
ペラ…ペラ…
そんなわけで、我らがSOS団の部室には静寂に満ちていた。
聞こえてくるのは時折ページをめくる音のみ。
メンバーが2人しかいないとこうも静かになるものなのか。
「…そう言えば、群田さんはどこか出かけたりしないんですか」
なんとなく暇を持て余し、今日唯一俺以外で部室に来ている、“6人目”のメンバーに話しかける。
聞こえてくるのは時折ページをめくる音のみ。
メンバーが2人しかいないとこうも静かになるものなのか。
「…そう言えば、群田さんはどこか出かけたりしないんですか」
なんとなく暇を持て余し、今日唯一俺以外で部室に来ている、“6人目”のメンバーに話しかける。
ペラ…パタン。
「はい。今日は部室でゆっくりこれを読もうかと思っていましたので」
その言葉に反応し、いつもの本を傍らに置き、『蓬莱学園島内鉄道大百科』と書かれた本を読み終えた、
我らがSOS団の6人目にして“異世界人”、群田理生(むろたりお)さんが顔を上げて、俺の問いに答えた。
その言葉に反応し、いつもの本を傍らに置き、『蓬莱学園島内鉄道大百科』と書かれた本を読み終えた、
我らがSOS団の6人目にして“異世界人”、群田理生(むろたりお)さんが顔を上げて、俺の問いに答えた。
「そう言えば、群田さんは異世界人なんですよね?」
「はい?そうですけど、それが何か?」
本を読み終えて俺と同じく暇になった群田さんと俺はしばし雑談に興じていた。
その中で、ハルヒの奴がいないと言うチャンスを生かすべく、俺は前々から気になっていたことを聞いてみた。
まずは少し遠周りに、さりげなく。
「群田さんのいた“世界”の“学園”は転移してきてたりはしないんですかね?」
この、長門とは別方向でミステリアスな雰囲気を持つ異世界人。
その群田さんがいた“異世界”がどんなところなのか。少しは…いやかなり興味がある。
だが、群田さんは俺の問いにふるふると首を振る。
「いいえ。それは無いと思います」
完全否定。しかも断言された。
「そうなんですか?」
「はい。“私の世界”に“学園”と言うものはありませんでしたので」
「…あ、なるほど」
そもそも無いならそれが転移してくることも無いわな。海よりも深く納得し、ぽんと手を打つ。
考えて見れば当然の話である。
そりゃ異世界つったって色々あるのだ。その中には学校の無い世界ってのがあったっておかしくない。
群田さんはそう言うところの出身。つまりはそう言うことなのだ。
それが分かっただけでも少しは収穫があったのかも知れない。
「…ただ」
「ただ?」
そうして納得していると、群田さんがぽつりと呟く。
「“近しい世界”の学園なら転移してきてますが」
「へえ。どこなんですか?」
それなら群田さんがいた世界がどんなところかも分かるかな。
そう考えて、詳しく聞いてみる。
だが、そこで群田さんが答えた学園は、予想外のところだった。
「…A地区にある、輝明学園です」
「…マジですか」
「マジです」
あの“ウィザード”とか言う万国びっくりショーな方々のいる学園が近いと聞き、俺は驚く。
群田さんのいた世界って一体…
「…それと」
「まだあるんですか?」
「はい。実は…私の世界の“仲間”がこの世界に“転校”してきたみたいです」
んな無茶な。わざわざ転校て。
「なんでまた?」
「さあ?…ああ、“なぜならその方が面白いだろう?リオン”だそうです。そう、この書物に書かれていました」
いつもの本をしげしげと眺めながら、群田さんがまるで話しかけられているかのような文体を読み上げる。
「…実にあの方らしいですね」
そして、それを遠い目をして、どこか嬉しそうに言う群田さん。
「はい?そうですけど、それが何か?」
本を読み終えて俺と同じく暇になった群田さんと俺はしばし雑談に興じていた。
その中で、ハルヒの奴がいないと言うチャンスを生かすべく、俺は前々から気になっていたことを聞いてみた。
まずは少し遠周りに、さりげなく。
「群田さんのいた“世界”の“学園”は転移してきてたりはしないんですかね?」
この、長門とは別方向でミステリアスな雰囲気を持つ異世界人。
その群田さんがいた“異世界”がどんなところなのか。少しは…いやかなり興味がある。
だが、群田さんは俺の問いにふるふると首を振る。
「いいえ。それは無いと思います」
完全否定。しかも断言された。
「そうなんですか?」
「はい。“私の世界”に“学園”と言うものはありませんでしたので」
「…あ、なるほど」
そもそも無いならそれが転移してくることも無いわな。海よりも深く納得し、ぽんと手を打つ。
考えて見れば当然の話である。
そりゃ異世界つったって色々あるのだ。その中には学校の無い世界ってのがあったっておかしくない。
群田さんはそう言うところの出身。つまりはそう言うことなのだ。
それが分かっただけでも少しは収穫があったのかも知れない。
「…ただ」
「ただ?」
そうして納得していると、群田さんがぽつりと呟く。
「“近しい世界”の学園なら転移してきてますが」
「へえ。どこなんですか?」
それなら群田さんがいた世界がどんなところかも分かるかな。
そう考えて、詳しく聞いてみる。
だが、そこで群田さんが答えた学園は、予想外のところだった。
「…A地区にある、輝明学園です」
「…マジですか」
「マジです」
あの“ウィザード”とか言う万国びっくりショーな方々のいる学園が近いと聞き、俺は驚く。
群田さんのいた世界って一体…
「…それと」
「まだあるんですか?」
「はい。実は…私の世界の“仲間”がこの世界に“転校”してきたみたいです」
んな無茶な。わざわざ転校て。
「なんでまた?」
「さあ?…ああ、“なぜならその方が面白いだろう?リオン”だそうです。そう、この書物に書かれていました」
いつもの本をしげしげと眺めながら、群田さんがまるで話しかけられているかのような文体を読み上げる。
「…実にあの方らしいですね」
そして、それを遠い目をして、どこか嬉しそうに言う群田さん。
そんなわけで俺の“群田さんのいた世界ってどんなところ?”と言う疑問は更に深まることとなったのだった…