五徳猫は、鳥山石燕大先生がでっち上げた妖怪である。
舞いの七徳が二つ無くなって五徳になったとかで、出来たらしいのだが、五徳と猫をくっつけた駄洒落であろうというのがそのスジの見解である。
なので五徳を頭に乗せ火を興すためふぅふぅしている猫、という形をしている。
猫の五徳
南方熊楠は『十二支考』で、猫は「鼠を見ても捕まえないので仁の徳があり、鼠に餌取られてもむしろ提供する位なので義があり、客至って餞を設くれば出てきてそれを受けるので礼の徳あり、物を蔵しまた盗むので智の徳有り、冬月の頃には竈門の辺に居るので信の徳有り」とか言うのを引いている。この資料を鳥山先生が知ってるかどうかが不明である
参考文献
村上健司『日本妖怪大事典』
南方熊楠『南方熊楠全集第一巻』485頁
最終更新:2021年07月02日 17:22