ケネウ(Kenew)
アイヌに伝わる妖怪。
アイヌ語ではサケ科の魚類マスノスケ(キングサーモン)のことをケネウやサキペと呼ぶが、伝承によればこの魚は陸上では赤い着物を着た女性の姿に変身して蕗を採って食べたり赤子を背負って歩いたりするとされる。
昔、ある
アイヌの男性が中川郡本別町の美里別川で蕗を採る女性の姿をしたケネウに遭遇し、驚いて川に飛び込み魚の姿で逃げるケネウを追いかけて妻にした。その子孫はケネウを先祖とする印(ケネウイトッパ)を用いるようになったという。
ある男性が石狩川の付近で女性の姿のケネウに出会った時は、誰にも言うなとケネウが忠告したが、男性は帰宅後にこの事を話したため死んでしまった。
参考文献
朝里樹『日本怪異妖怪事典
北海道』154, 166, 235頁
最終更新:2022年10月28日 15:50