ハラ・ナ・ゴダン(Hala Na Godang)


インドネシアの伝説に登場する巨竜。
北スマトラ州のバタク族は、オリオン座の星々ことを巨大な竜だと考えていた。
昔、天にハラ・ナ・ゴダンという巨大な竜がいた。その大きさは天から垂らした尾が地上に届くほどで、尾で卵を温めながら頭部を絶えず動かし獲物を探していた。ある日、森で雨宿りをしていた羊飼いが偶然にも竜の卵を見つけて卵の巨大さに驚き、あわてて石を投げた。すると卵は1つ残らず割れてしまった。竜は怒り狂って「よくも私の子供達を殺したな。今すぐお前を食ってやる!」と言った。羊飼いは竜が追いつけないほど遠くへ逃げた。地の果てまで走り続け、大空に出て、とうとう月に辿り着いた羊飼いは、月に助けを求めた。そして竜がやってきて、羊飼いにやられたことを月に話し、羊飼いを渡すように要求した。月は太陽と相談して、羊飼いには罰金を科すことにしたが、竜は納得しなかった。どうしても羊飼いのことを食べてしまいたかったからである。そして月は羊飼いのことを気の毒に思い、自分が竜に食べられることにした。それ以来、毎月29日か30日になると月は竜に食べられて、夜空から消えるようになった。

参考文献

 海部宣男/柹田紀子/川本光子『アジアの星物語 東アジア・太平洋地域の星と宇宙の神話・伝説』207頁
 出雲晶子『【増補新版】星の文化史事典』138頁
 木下仙/下谷徳之助『蘭印のお話』93頁

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2023年05月18日 19:54