おりんさん(Orin-san)
東京都青梅市のおりん淵と呼ばれる淵の付近に現れる女性の幽霊。
ある時、おりんという娘が大きな不幸に見舞われ、苦しみ、悲しみ、世を儚み、ついには多摩川に身を投げてしまった。それ以来、おりんが身投げした場所の淵では深夜になると多摩川の流れる音に混じって「しくしく、しくしく」とすすり泣く声が聞こえるようになったため、おりん淵と呼ばれるようになった。やがて、夜には誰もおりん淵に近寄らなくなり、地元の人々はおりんさんの霊が泣いていると同情したという。
参考文献
山口敏太郎『江戸武蔵野妖怪図鑑』41頁
最終更新:2023年06月24日 13:36