ケルピー(kelpies)

スコットランドの水棲馬。悪意ある水の精。

背中に乗った旅人を川や湖に引きずり込んで溺れさせるか、水中で引き裂いて喰う。
しかし、もしケルピーの首に手綱をかけることができれば、意のままに操る事ができ自分の代わりに働かせる事もできるだろう。

通常は若い馬の姿だが、時に毛むくじゃらの男の格好をして現れる事もある。

水棲馬は他にも
エッヘ・ウーシュカ(スコットランド高地地方)
シューピルティー(シェトランド諸島)
ノッグル(シェトランド 「巻尻尾のポニー」という凶悪なもふもふだが、人を溺れさせる程度しかしない)
ニックル(アイスランド)
ル・リュタン(フランス南部プロヴァンス地方)等がいる。

日本の河童に当たる存在だが、河童は馬を引きずり込むことが知られている。また、馬と並びそれより古くから水の精霊或いは水の神が好むとされた牛伝承は、イギリスほぼ全土に一応あるが、あー、石田英一郎(『河童駒引考』148頁)によれば、スコットランドの「Water bull」と呼ばれる牛ケルピーがいるそうである。

主な参考文献

『妖精事典』キャサリン・ブリッグズ編著 平野敬一 井村君江 三宅忠明 吉田新一 共訳 冨山房
『妖精の国の住人』キャサリン・ブリッグズ 著 井村君江 訳 ちくま文庫
『河童駒引考』 石田英一郎著 岩波文庫

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最終更新:2021年05月26日 09:53