時計泥棒(Tokei Dorobō)
兵庫県姫路市にあった旧制姫路高校での話。
ある時、学生がいない授業中を狙って寮に入り込んでは時計を何個も盗む泥棒が現れる事件が発生したため生徒が自警団を結成して見回りをするようになった。
後日、現れた時計泥棒を自警団が追いかけると時計泥棒は逃げ出して便所に閉じ籠った。
そして中から押さえつけられて開かない戸を時間をかけてこじ開けるとなんと便所の中で時計泥棒は首を吊って自らの命を絶っていた。
時計泥棒の遺体から無数の時計の音が聞こえたので上着を脱がせると両腕の肩の付け根まで大量の腕時計が巻き付いていた。
それからというもの、その便所では夜更けになると時計の音が聞こえてくるようになった。
余談だがこの時計泥棒は『日本怪異妖怪事典 近畿』の表紙絵にも選出されている。
参考文献
朝里樹/御田鍬/木下昌美『日本怪異妖怪事典 近畿』224頁
朝里樹『日本現代怪異事典』259頁
最終更新:2023年03月04日 19:15