チェーンメールの怪(Urban Legend of Chain Letter)


ここではチェーンメールに関する怪談などを紹介する。

ありささん(Arisa-san)

生ける屍となった女性でありずたずたに斬り裂かれて内臓が飛び出した腐乱死体の姿をしている。
惨殺された彼女の遺体が検死室から動き出して殺害現場に戻ったので何度連れ戻しても必ず殺害現場に戻っていたという噂があり、それを知ってしまった女性は確実に彼女に惨殺されることになるというチェーンメールが出回っている。
この噂を知ってしまった女性たちは少しでも彼女を遠ざけるためにメールを複数人に転送して多くの人々にこの噂を広めなければならないとされる。

菊池彩音(Kikuchi Ayane)

女学生の幽霊。
友達を欲しているが無差別に送信したチェーンメールを転送しなかっただけでその受信者を殺す上に復讐心に火がつくと復讐対象の殺害を楽しむという歪んだ心を持つ。
生前は幼少期に両親から虐待を受けていて学校でも虐められていたため腕や顔が痣だらけとなっており、最終的にクラスメイトの男子三人に片目を潰され、両親によってもう片目も潰された。
両目を潰された彼女は復讐として両親の目を潰した末に殺害することに成功したがその翌日に彼女はクラスの男子三人に殺された。
こうして幽霊となった彼女は仇である男子三人を殺害し、それからは友達が欲しかったので無差別にチェーンメールを送信しては友達を募集するようになった。
友達になりたくない場合はメールを複数人に転送しなければならずそれができなかった場合は彼女に殺される。

ともみ(Tomomi)

学校のプールで溺死して幽霊となってからも息ができずに苦しみ続けているため人々にメールを送信して助けを求め続けている少女。
彼女を助けられない場合はそのメールを複数人に転送しなければならないが、それもできなかった場合は午前2時に彼女からの電話がかかってきた後に彼女が直々にやってきて殺されるという。
その言動から察するにおそらく苦しんでいない生者が憎く感じるほどに長く苦しみ続けているのだろう。
携帯電話でメールを打ったり不特定多数の人々の元を訪れたりできるということはつまりプールの外に出ても息ができない感覚が続いていると思われる。

花代(Hanayo)

とある工場へ社会見学に行った時に友達に閉じ込められ10トンの機械に潰されて命を落とした少女。
友達が欲しいため無差別にチェーンメールを送信しては友達を譲ってくれる人を募集しているが、あの世の住民である彼女の友達になるということはあの世に連れ去られてあの世で永遠に暮らさなければならないということである。

みっちゃん(Mitchan)

両親に虐待されわずか6歳で命を落とした童女。
その後、両親を殺害したので今度は無差別にチェーンメールを送信しては新しい両親を募集している。
彼女の親になれない場合はメールを複数人に転送しなければならずそれができなかった者は彼女に殺される。
ちなみに一人称は自分の名前(みっちゃん)でさらに自分の写真を可愛いと評している自惚れ屋である。

美由紀(Miyuki)

殺人事件で刺殺された女性の幽霊。
自分を殺害した犯人は黒髪の人間だったというだけでそれに当てはまる人々に片っ端から殺害予告のメールを送信しては夜の11時に殺害しにやってくる危険人物である。
メールではぶりっ子のような砕けた口調で語尾に星マークを付けていたり、殺害対象の元へ行くのを楽しみにしていてお洒落をしてやってきたり、自分がやってきても驚かなかった良い子にはご褒美(詳細不明)をあげたりする不思議ちゃんでもある。
朝里樹『日本現代怪異事典』ではチェーンメールの怪として紹介されているが、彼女のメールは複数人に転送することを要求していないただの殺害予告メールである。

吉原千恵子(Yoshiwara Chieko)

4歳の時に誘拐され殺された童女。
歩行者専用道路標識の手を繋ぐ親子の絵は一般公募で決められたものでありある写真家が撮影した写真を元に描かれたものだというが、実はこの写真は手を繋ぐ親子ではなく彼女が誘拐される様子を撮影されたものだという。
そんなことは露知らずその写真から彼女の住所を調べた政府職員が記念品を持って挨拶に行くと彼女が行方不明となっていることが判明、そして写真も公開されることになったため焦った誘拐犯によって彼女は殺された。
彼女の遺体は山に埋められたが後にその場所に電波塔が建てられたので電波を通じて念を送ることでメールを送信し、このメールを複数人に転送しなかったら自分と同じ苦しみを味わわせると脅すことで人々にメールを転送させて誘拐事件の真実を広めて誘拐犯を見つけ出そうとしている。
誘拐犯への復讐が目的でありもし誘拐犯が寿命で亡くなっていたらその子供や孫に復讐するつもりである。

りさちゃん(Risa-chan)

一人称が自分の名前(りさちゃん)で読点と語尾に「ね」を多用する幼児語のような口調を使用する年齢不詳の女性。
タカちゃんという人物が好きなので贈り物として足をあげたいが自分の足はもう無いため不特定多数の他人に今日の夜あなたの足を貰いに行くという予告状のチェーンメールを送信している。
命令通りにメールを複数人に転送した者の命だけは助けてあげているが、転送しなかった者は足を奪って殺害している。

参考文献

 朝里樹『日本現代怪異事典』21, 40, 48, 54, 70, 116, 154, 162, 170, 171, 228, 238, 264, 297, 304, 329, 340, 356, 363, 367, 376, 379, 404, 413頁
 朝里樹『日本現代怪異事典 副読本』35頁

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最終更新:2023年03月05日 14:28