エルフ(Elf)
複数形はElves。英語での呼び名。一応「超自然のなにか」を指す語である。
エルフの語源となったアールヴ(Álfr)は北欧で精霊(スピリット)一般を指す言葉であり、リョースアールヴ(ライト・エルフ)とデックアールヴ(ダーク・エルフ)の二つに分かれていたが、後にライト・エルフの方だけを指すようになった。
北欧のエルフの娘は美しくて、灰色の服と白いヴェールを身につけている。
見たところ人間にしか見えないのだが、長い牛の尻尾を生やしており、それを見てやっとエルフだと気付く事ができる。
デンマークのエルフは男女ともに美しいのだが、美しいのは正面だけで、後姿は空洞になっている。
また、スコットランド低地地方とイングランドではエルフという言葉の意味が違い、スコットランドの方ではエルフは人間と同じ大きさをした妖精のを指し、イングランドでは小さな群れをなす妖精のこと、特にその中でも小さな妖精の少年のことを指した。
kMブリッグズ『妖精事典』では、「ハルドゥーフォーク(隠れた民)」というが、
トロールに入る「フルドレ(隠れた民)」と呼ばれる、牛尾を持つものが別個にいる。
KMブリッグズは、ヨークシャーの鉱泉で働くおっさんが、扉が空かず、中が「わちゃわちゃ」してるので鍵穴から覗くと「緑色の服を来た小さな妖精」がまったりしていた、という伝承を引いて、この皆さんはエルフかもといっている。
キャロル・ローズによれば
- エルフの穴 節の落ちた穴
- エルフ・ケーキ 脾臓の肥大
- エルフ・チャイルド 取り替え子
- エルフ・カップ 水滴で窪みができた石
- エルフ・ファイア ウィル・オ・ザ・ウィスプ
- エルフ・ロック 縺れた髪の毛(エルフがやるとされる)
などの呼称があると言う
ちなみに、現在のテレビゲームや小説などに受け継がれる「長命の美男美女で耳がとがっており、魔法や弓矢の扱いに優れる」という設定は、トールキンの『
指輪物語』を元祖としている。なお、主に日本の作品に見られる耳が長いという設定は水野良のロードス島戦記が元であり、欧米の作品に出てくるエルフの耳は長くない。
主な参考文献
『妖精事典』キャサリン・ブリッグズ編著 平野敬一 井村君江 三宅忠明 吉田新一 共訳 冨山房
『妖精の国の住人』キャサリン・ブリッグズ 著 井村君江 訳 ちくま文庫
コラン・ド=プランシー『
地獄の辞典』66頁
最終更新:2025年07月27日 13:23