グレムリン(Gremlins)
グレムリンは比較的最近有名になった妖精で、機械や道具にとりついて故障させてしまう。
第二次世界大戦中に戦闘機が不具合をおこすことが多々あり、イギリス軍のパイロットはその不具合を戦闘機に取り付いたグレムリンの仕業だと考えた。
また彼らは科学や物理学などに精通していて、人間の科学者の手伝いをすることもある。
フランクリンの凧と雷の実験にも手を貸したり、ワットにヤカンの蓋を上げ下げして見せて、蒸気の力に気付かせたりもした。
グレムリンの名前の由来には、嘆き悲しむという意味のアングロ=サクソン語gremianとグリム童話から来ているという説や、
ベーオウルフに殺された
グレンデル?から来ている説などがある。
井村君江、ローズマリ・エレン・グィリーで、青帽子、ドモヴォイ、ドワーフなどからの関連が示唆されている。
キャロル・ローズ『世界の妖精・妖怪事典』によれば、その形は
身長50cm、体重8kg、毛のまばらなジャックウサギに似て渋面を作った、とか
赤い上着に緑のズボンをはき、頭から角が生え皮の飛行ジャケットを着てブーツを履いていた、
また、ローズマリ・エレン・グィリー『妖怪と精霊の事典』によれば、
頭部に角が生えた背の高さ6インチ(約15cm)の小人で、黒い皮の長靴 あるいは
人間そっくりで身長が1フート(約30cm)、皺くちゃの赤い上着と緑色の半ズボン、
牡兎とブルテリやー犬との混血に見えた
という。KMブリッグズ他、フォークロアスタディの人は、妖精は赤と緑色の服を着ると指摘しているが、諸書でグレムリンに関してそれ言ってるのがないので言わない。
ローズマリ・E=グィリーによればC・リンドバーグ著『セントルイスの魂』で、飛び立ってから九時間目に「私がグレムリンと伴にあった」と書かれているという。
井村君江説では、ジェームズ・ワットへ蒸気パワーの使用法をインスパイアさせたヘクター・オクライドを「スコットランドのグレムリン」とする。
井村君江によれば、彼らは科学や力学、 ローズマリ・エレン=グィリーによれば、技術、気象学、工学、航空力学に、詳しい。
主な参考文献
『妖精学入門』井村君江 著 講談社現代新書
『妖精の国の住人』キャサリン・ブリッグズ 著 井村君江 訳 ちくま文庫
『妖怪画談』水木しげる 著 岩波新書
草野巧『幻想動物事典』
最終更新:2021年06月12日 09:27