西瓜(Suika)
長野県と岐阜県の境、飛騨山脈の南部に位置する槍ヶ岳に現れる亡霊。
この山の標高の高い所には、常に凍り付いたとある斜面がある。この場所では滑落事故が多く、その犠牲者は人体で一番重い頭部を下に向けながら滑落し、やがて頭が岩にぶつかって割れることで命を落とす。その亡骸は頭部が西瓜割りの西瓜ように割れているため“西瓜”と呼ばれる。
そして、霊感の強い者がこの山に行くと、その頭の割れた亡霊たちが千鳥足で山道を歩いてくる様子が見えてしまう。この亡霊たちが生者とすれ違う時にはこちらの顔を覗き込みながら横を通り過ぎて行くが、亡霊たちが通り過ぎた後に振り返って後ろを見てしまうと、山道から引き摺り下ろされあの世へと連れて行かれる。
参考文献
朝里樹『続・日本現代怪異事典』201頁
朝里樹『日本現代怪異事典 副読本』296頁
朝里樹『山の怪異大事典』182頁
最終更新:2024年07月05日 01:02