熊のカムイ

肉は食用、胆嚢は薬用、毛皮は衣類にと多大な恩恵を人間に与えてくれるため、全道的に篤く敬われたカムイ。北海道アイヌ語で、単にカムイといえば熊のカムイを指すほどである。
そのため多くの呼び名があり、
キムンカムイ「kim(山に)un(いる)kamui(カムイ)」
ヌプリコロカムイ「nupuri(山)kor(領有する)kamui(カムイ)」
シユク「si(真の)yuk(獲物)」
キムンエカシ「kim(山に)un(いる)ekasi(長老)」
キムンニシパ「kim(山に)un(いる)nisipa(旦那)」雄グマ・雅語
キムンカッケマッ「kim(山に)un(いる)katkemat(淑女)」雌グマ・雅語
キムンチャチャ「kim(山に)un(いる)chacha(お爺さん)」
へペレ「heper(子熊)」
エペレ「eper(子熊)」
カムイチコイキプ「kamui(神の)chikoikip(獣)」雅語
メトッウシカムイ「metot(山奥)us(いる)kamui(カムイ)」雅語
など、年齢、性別、日常語、雅語と無数に呼び名は存在する。住み場所によっても、山裾にいる熊は人間に危害を加える機会が多いために格下とされ、
ヌプリケスンプリウェンクル「nupuri(山)kes(下手)un(いる)puriwenkur(性悪者)」
などとよばれた。

同じ熊でも、尾が長い、自ら人に危害を加えるなどの特徴を持つ熊はカムイではなく熊の姿をした化け物と考えられた。ただし普通の熊でも、食べかけの獲物などを横取りするとどこまでも取り返しに来るとされそのような行動は忌まれた。これは実際の熊の性質にかなっている。

参考資料

北海道の項を参照のこと
山北篤監修『東洋神名事典』122頁

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最終更新:2021年07月04日 16:05