カムイ
アイヌ文化において、人間に対して存在するとされた存在。
多くの動植物や天体はカムイが扮装した姿と考えられ、風や雷もそれらを起こすカムイが存在すると考えられた。
また、人造物であっても、家、舟、精魂を込めた刺繍などにも存在すると考えられた。
ちなみに、北海道アイヌ語では単にカムイといえば
熊のカムイ、樺太アイヌ語ではアザラシのカムイを指す。
カムイは普通、アイヌモシリ(人間の国)とは別個に存在するカムイモシリ(神の国)に人間と変わらない姿で生活しており、神が製造できない酒や
木幣が欲しくなると、それぞれの扮装をしてアイヌモシリにやってくると考えられた。
そのためアイヌは、この世のものにはすべて役割があると考え、利用するために狩猟・採集した動植物には、酒や木幣を付けて神の国に「
送る」事が行われた。
白川静『字訓』によれば、日本語の神の「ミ」は上代特殊かなで乙音であり、そのミはおそらくえー「ムイ」と発音したと考えられる。のでこの辺はお互いで何らかの交流があったらしい
参考資料
北海道の項を参照のこと
山北篤監修『東洋神名事典』540頁
カムイの皆さん
最終更新:2021年07月06日 17:09