エリュシクトン
テッサリア地方の領主で、非常に不信心な男。
この男が治める土地には、
デメテルに捧げられた森があり、そこには非常に
巨大な樫の木が立っていて、森のシンボルとなっていた。
あるとき、エリュシクトンは木材を調達するため、部下や森の精霊たちの警告も無視して、
この樫の大木を切り倒してしまった。神々に捧げられた森の木を勝手に伐採した上、その木が
森のシンボルとも言うべき存在であったため、さしもの
デメテルも激怒し、エリュシクトンに
神々に対する不敬の罪に対する罰を与えることとした。
その罰とは、エリュシクトンに永遠の飢餓を与えることで、エリュシクトンは絶え間なく襲い続ける
自分の飢餓感を満たすため、自分の財産すらも売り払って食費に変えていったため、あっという間に
没落することになった。
それでも飢餓感が満たされず、とうとうエリュシクトンは実の娘すら人買いに売り払ってしまったが、
親に売られた娘を哀れんだ
ポセイドンが、彼女を一時的に変身させて人買いの目をごまかして
あげて、無事エリュシクトンのもとへ帰れるようにしていた。それでも飢餓感は満たされず、最後は
自分の肉体すらむさぼり食うようになり、そのまま命を落とした。
最終更新:2005年08月09日 20:02