七人御先(しちにんみさき)

七人みさきとも。

日本全国に出現するが、本来は土佐の妖怪(怨霊)。
影・形は無いが、白装束の七人組の姿、火の玉、蛇等の姿で現れる。
出会った者は熱病、死等の災いに見舞われる。

その正体は、土佐の大名長宗我部(ちょうそがべ)家臣吉良親実(きら ちかざね)と比江山親興(ひえやま ちかおき)らの怨霊。もしくは、それに関わった者たちの怨霊。

発端

 土佐の大名長宗我部元親(もとちか)は、戦で家を継ぐはずの長男を亡くしてしまう。そのため、家を誰に継がせるかの問題が生じた。

八人の死

 元親はどういう訳か四男に長男の娘を嫁がせ、家を継がせようとするが、「次男、三男を無視しており順序の規律を乱す」「叔父と姪の関係で結婚することは道徳に背く」という二つの理由から家臣吉良親実、比江山親興らに反対される。
 しかし、吉良と仲の悪い家老久武親直(ひさたけ ちかなお)は元親に讒言し、それを真に受けた元親は吉良と比江山ら8人を処刑してしまう。(八人御先の項参照)

六人と一人の死

 比江山親興は死ぬ間際に、その妻と子供の6人を逃がした。これをある寺の住職が不憫に想い、かくまうが、恩賞に目のくらんだ農民に通報されてしまい、結局6人とも捕縛される。
 処刑場において6人が斬首された直後、その場に居た住職は隠し持っていた刀で自分の腹を割き、見物していた農民に呪いの言葉を吐き散らして絶命した。
 この事件以降、鬼火等の怪奇や病に倒れる者、突然死ぬ者、狂う者が続出し、「七人御先」の祟りとして現代まで祟りは続いている。

補足

 最近でも旅先で突然、熱病や急死に見舞われる事は、七人御先に出会ってしまったためだと言う。 

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最終更新:2005年08月18日 18:44