概要

 鬼火は、日本の妖怪である。

 誰もいないところで、ふよふよしている火 という形をとる。

 ウィル・オ・ザ・ウィスプやイグニス・ファトゥスなど、イギリスにも同様の怪異がないことはないが、水木しげるは、『妖精大百科』で、この手の者は日本で「遺念火(イニンビー)」「くらべ火」のような「怨みが火になったもの」は「龍灯」「老人火」など数えればきりがないと言っている*1

鬼火名彙

小松和彦編『日本怪異妖怪大事典』では、鬼火を「イゲボ」「ゴッタイ火」「怪火」「火の玉」と関連付け*2、また怪火で、

火車など地獄からのお迎え系、天火?神火と言った天からくるもの、不知火?龍灯? 船幽霊の火?など海に出るもの、釣瓶火のようなぶら下がるもの、赤い火? 青い火?紫の火?という色で呼称されるもの、提灯火?提灯行列?矢火?といった形からの名称*3、死者の霊である「火の玉」として、勘五郎火?、宗源火、掃部様の火?など死人の名前、遺念火 ジョウガ火?などその死が無念のものである場合と、油坊姥が火?という犯罪者の罪名から、さらに火球の中に顔が認められるとされる二恨坊の火?迷い火?、出現場所で称される虎の宮の火?辻の火?古戦場の火?、ある特定の日時に出ることから四九火?己亥の火?、「生き物が火を噴く」とされるもの狐火、狸火、川獺火、火、鼬火と言った哺乳類系、ぶらり火、青鷺火?火吹き鳥?などの鳥系、蛍火 蜘蛛火といった蟲系、音からジャンジャン火、妖怪によるとされる天狗火 キジムナーの火 猫又の火 ケンムン火 鬼火*4と分類する。

火の人






























参考文献

村上健司『日本妖怪大事典』
柳田國男『妖怪談義

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最終更新:2025年07月09日 12:46

*1 『水木しげる漫画大全集補巻3 妖怪画報集3』476頁

*2 小松編『日本怪異妖怪大事典』106頁

*3 小松編『日本怪異妖怪大事典』114頁

*4 小松編『日本怪異妖怪大事典』115頁