八人御先(はちにんみさき)
八人みさきとも。
土佐の怨霊。
影も形もなく、声もしくは蹄の音のみの存在であったり、半透明の武士の姿で現れる。
意志・意思を持っている点で
七人御先とは異なる。
その正体は土佐の大名長宗我部(ちょうそがべ)家の家督相続問題で失意の内に死んだ家臣たち。
(詳しくは七人御先の項参照)
1588年(天正16年)家老久武親直(ひさたけ ちかざね)に讒言された、吉良親実(きら ちかなお)、比江山親興(ひえやま ちかおき)を初め、8人が主君元親(もとちか)の命で殺された。
彼らはその死後、幽霊として現れ、渡船(わたし)に乗って城に向かう、馬に乗って城に向かう、火の玉として出没する等の怪奇や病、突然死などの災いを起こした。
そして久武の8人の子のうち、7人が変死し、妻も発狂して死んだ。この騒ぎの大きさを無視できなくなった元親は各地の寺に8人の供養をさせた。
その後も怪異は続いたため対策を評議していた際、霊に取り付かれた家臣が「我らを神として祀らば、許そう。」と言った為、吉良神社を建て8人を祀ったところ、怪異は激減した。
この話は、8人ではなく7人で、
七人御先となった話もある。ちなみに久武親直はその後も健在だった。
最終更新:2005年08月18日 18:42