ナルキッソス(Narcissus)


河の神ケピソス?ニンフレイリオペ?の息子で、大変な美男子。
母レイリオペは予言者テイレシアスにナルキッソスが長生きするかを尋ねたが、結果は「自分自身を知らなければ長生きする」というものだった。

やがて美しく育った彼は、多くの女性の羨望の的となるが、その中にニンフのエコーがいた。だがエコーはヘラの呪いの為に相手の言葉を繰り返すことしかできなかったので、思いを伝えられないまま手ひどく振られてしまう。

自らの美しさを鼻にかけた高慢な態度は神々の怒りを招き、呪いによって彼は水面に映った自分に恋焦がれてしまう。やがて水に映った自分を抱きしめようとして溺死したとも、水面を飽くことなく眺めたまま衰弱死したともいわれる。彼の死後、水辺にはまるで水面を覗き込むかのようにうつむいて咲く黄色い花、水仙が咲いたといわれている。だが実際には水仙ではなく、アヤメ科の植物ではないかとの説もある。

別伝によれば、侮蔑されたエコーが「彼が愛するものが決して手に入らないように」と願い、ネメシス?がそれを聞き入れたため、自分自身に恋をしてしまったのだという。

「自己愛」を意味する「ナルシシズム」や水仙の学名の語源となった。

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最終更新:2005年10月03日 23:40