濡れ女

絵に表現される姿と、民間伝承に伝わる姿がまったく違うことで知られる妖怪。

図版としては、狩野派の化け物尽くしの絵巻などに見られ、美女の顔を持つ蛇として表現される。狩野派の流れを汲む鳥山石燕?の描く濡れ女は鱗に覆われたような腕を持ち、鋭い牙と長い舌を持つ鬼女のような顔をしている。河鍋暁斎はたらいで行水をする、目のない顔の濡れ女を描いている。

民間伝承では、主に九州地方で、赤ん坊を抱いたびしょ濡れの女性の姿で水辺に現れるとされる。そして通りかかった人に赤ん坊を抱いてくれるように頼むが、赤ん坊は石になって手から離れなくなってしまい、身動きが取れないところを牛鬼が現れて食い殺すという。濡れ女は牛鬼の妻というわけだが、地域によっては牛鬼の変化した姿だともいう。

濡れ嫁女などとは別の妖怪。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2005年10月15日 23:15