薬師如来

(1)大地が瑠璃で出来ている東方の彼方にある浄瑠璃世界に住んでいると言われている。薬師如来の姿は釈迦如来の説法の姿によく似ている。違いは左手に薬壺を持っている事だが、年代が古い者になるとその壺を持っていないものや、後に紛失したものもあるため、それだけで調べる事は出来ず、寺に伝わる文献などで判断する事もある。
 薬師如来は日光菩薩・月光菩薩を脇士としていることや十二神将を眷属としている事もある。
(2)薬師如来は菩薩の時十二の大願を誓い、その誓いを果たしたときに如来になったとされる。
  • 第一願:自らの光で世界を照らし、全ての人々を自分と同じように悟らせる。
  • 第二願:瑠璃のように清浄で汚れの無いように暗闇を照らし、人々の意の赴く所に従い事業を成就させる。
  • 第三願:知恵を以て、人々に無尽の施しを行い豊かにする
  • 第四願:異端の道を進む者に悟りの道を教え、自分一人の悟りの道を進む者に多くの他者を救う事を教える。
  • 第五願:仏の道を修業する者に戒律を守らせる。
  • 第六願:身体障害者の様々な病苦にある人々の苦しみを取り除く。
  • 第七願:医者に見放され、医薬も効かず、身よりのない人々の苦しみを取り除く。
  • 第八願:女性である事が障害となっている人々の障害を取り除く。
  • 第九願:人々を煩悩から解き放ち、正しく道理を見る事が出来るようにする。
  • 第十願:国宝による災難などの苦しみを取り除く。
  • 第十一願:上のために悪事を働く人々に香味の食を施す。
  • 第十二願:飢えて衣服が無い人々に必要な衣服や装身具を施す。

参考

紀元社 密教曼陀羅

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最終更新:2006年11月26日 21:25