司馬遼太郎「坂の上の雲」(1978)
評価
★★★★
ひとこと
実は初・司馬遼太郎なのです。
言わずと知れた「日露戦争」を中心とした歴史小説。
ちょっと離れたところからの視点で描かれている語り口は好き嫌いが分かれそう。
私はどちらかといえば好きな方ですが、とはいえチョットくどい部分と、
人物の描き方が類型化し過ぎのキライはある。
古き佳き明治の時代を描いた一作。
分類
目次
- 春や昔
- 真之
- 騎兵
- 七変人
- 海軍兵学校
- 馬
- ほととぎす
- 軍艦
- 日清戦争
- 根岸
- 威海衛
- 須磨の灯
- 渡米
- 米西戦争
- 子規庵
- 列強
- 十七夜
- 権兵衛のこと
- 外交
- 風雲
- 開戦へ
- 砲火
- 旅順口
- 陸軍
- マカロフ
- 黄塵
- 遼陽
- 旅順
- 沙河
- 旅順総攻撃
- 二〇三高地
- 海濤
- 水師営
- 黒溝台
- 黒溝台(承前)
- 黄色い煙突
- 大諜報
- 乃木軍の北進
- 鎮海湾
- 印度洋
- 奉天へ
- 会戦
- 退却
- 東へ
- 艦影
- 宮古島
- 敵艦見ゆ
- 抜錨
- 沖ノ島
- 運命の海
- 砲火指揮
- 死闘
- 鬱陸島
- ネボガトフ
- 雨の坂
主要登場人物
- 秋山好古
- 秋山真之
- 正岡子規
- 高浜虚子
- 伊藤博文
- 山形有朋
- 大山巖
- 児玉源太郎
- 桂太郎
- 陸奥宗光
- 小村寿太郎
- 西郷従道
- 山本権兵衛
- 林薫
- 乃木希典
- 陸羯南
- メッケル
- 広瀬武雄
- 島村速雄
- 明石元二郎
- 李鴻章
- 袁世凱
- 丁汝昌
- ニコライ2世
- ウィッテ
- アレクセーエフ
- ステッセル
- クロパトキン
- マカロフ
- ロジェストウェンスキー
質問の本意をきかずに弁じたてるというのは「政治家か学者のくせだ」と好古はつねに言う。
<中略>
軍人は敵を相手の仕事だから、敵についてその本心、気持、こちらに求めようとしていること、
などをあきらかにしてから答えるべきことを答える。(一:p158)
人間の頭に上下などない。要点をつかむという能力と、不要不急のものはきりすてるという大胆さだけが問題だ
従って物事ができる、できぬというのは頭ではなく、性格だ(二:p230)
年をとるということは、葬儀の指示ができるということかもしれませんな(三:p32)
要するに、ボンヤリを見込まれて出てゆくわけですから、いくさのこまかいことはすべて児玉サンにまかせます。
しかし敗けいくさになったばあいは、自分が陣頭にすすみ出て、じかに指揮をとります。(四:p13)
敵艦見ユトノ警報ニ接シ、聯合艦隊ハ直ニ出動、之ヲ撃滅セントス
本日天気晴朗ナレドモ浪高シ(八:p36)
メモ
参考文献
本書を引用している文献
最終更新:2011年11月12日 23:55