大谷が動くとなると、我も動かねばなるまい
皆の者!出撃の準備をせよ!
東への進軍に備え、まずは背後を固める!

毛利軍武将「はっ! 御意にござりまする」

大谷「事はどうだ、順調か?」

盟約どおりよ、心配など無用だ

大谷「同胞の上首尾を喜んだまでよ
天下は三成に、中国はぬしに…  その盟約は忘れてはおらぬ」

ならば、我よりも貴様を案ずる事だな

大谷「案じているとも、ぬしを案ずると同様にな  ……笑え、ここは笑いどころよ」

…………………………
貴様の冗談は笑えぬわ


よいか大谷、忘れるな
我は毛利家さえ安泰であれば
他がどうなろうと興味などない

大谷「その調子よ、毛利  媚びへつらう者は信用できぬ
なぜなら、われがそういた者であるゆえ  …では、ぬしに武運を」

…………………………

東軍にさしたる動きなしか…

大谷「今のところはな
それよりも厄介なのは三成だ  アレを抑えるのは至難の業よ」

凶王がどうした

大谷「徳川と渡り合うには下準備がいる  アレにもそれを分かってほしいのだがな
毛利、なにか良い策はないか」

容易いことよ、別の駒に替えればよかろう

大谷「馬鹿を抜かすな、それだけは困る」

フン、やはり気苦労の絶えぬ男だな

大谷「長曾我部が徳川に使いを出していたぞ  蹂躙を問う書を持たせてな」

それで、もちろん斬ったであろうな

大谷「蚊のように叩きつぶした  ぬしも見たかったであろ?」

大谷……
少しは冗談が上手くなっているようだな

大谷「ではかの地にて待つ  ぬしに武運を」

…………………………


これにて背後は安泰……ならば……
皆の者、大坂にて石田軍と合流を目指す!
東へと歩を進めよ!

毛利軍武将「はっ! 東へと進軍、開始っ!」


ものはついでよ、金吾の様子も見ておくべきか

捨石程度には役に立て、よいか

金吾「ううう……ごべんなざいぃ……」

三成「毛利…本当に貴様は信用に足るのか?  私は、貴様を信じた事など一度もない」

貴様は馬鹿か?
つまらぬ知恵を働かせる暇があったら
東へと進んだらどうだ

大谷「二人ともおさえよ、徳川も待ちかねておる  おしゃべりしている時間は無いぞ」
三成「刑部に免じて、その暴言は許してやる…  ただし…!  二度目は無いと思え…!」

それは己に向かって言うがよかろう

大谷「ついに来たか…三成はこの日を望んでいた  もちろん、われもよ」

貴様の思惑に興味は無い
天下など、欲しがる者にくれてやろう
我が望むは、中国の安泰のみ…

大谷「人の心は変わりやすい  ぬしの心に他の望みは生まれ出らぬか?」

…………………………


大谷「毛利…ぬしに言わねばならぬ事がある  ぬしには感謝している、コレデモな」

大谷……突然何を言っている
頭でも打ったか?

大谷「覚えているであろ  生きて帰らば、と言った事を  よいか毛利、死ぬな
我はこんなにも良い、悪しき同胞を失いたくはない…ヒヒヒッ」

誰が死のうが生き残る
端からそのつもりだと言った筈だ

大谷「それでよい  …では、ぬしに武運を」

…………貴様にもな

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2012年02月09日 16:25