五十鈴の能力の事実 ~ 高校野球最後の大会

あらすじ

3年目の春を迎えたパワポケ。突然桧垣に呼び出される。いったい何が?
能力の事実を知ってしまった五十鈴の自ら選んだ決断とは!?

パワポケは桧垣に突然呼び出され、再検査を受けた。
そして春の甲子園。星英高校は敗退してしまった。
そして3年目 4月2週、真薄 牡丹が新入部員として入った。
車坂監督はキャプテンのパワポケに「真薄自身から悩みを聞き出せ。
あいつの事情を先に知っているとお前を信頼しなくなる。
なんとしてでも、あいつの魂に火をつけろ。」と伝え、
パワポケは真薄の魂に火をつけさせる決意をかためた。

3年目 4月2週

パワポケは五十鈴に会いに行った。

パワポケ「五十鈴は...いないか。(そういえば、今日は保健室で検査があるって言ってたっけ。
最近多いけど、どこか悪い所があるのかな...)」

(その時...)

桧垣「(検査結果には強い反応がある。やはり何らかの作用があるのは間違いない。)」
五十鈴「先生、あれから頻繁に検査してますが、私の体に何か異常が?」
桧垣「......まだ仮説の段階ですが、あなたには話しておくべきでしょう。
あなたには強く念じた相手の行動を制御する能力が備わっている可能性があります。」
五十鈴「......えっ?」
桧垣「正確に言うと、ある人にある事象が起こりうる確率を指向性を持って操作する能力といえますか。
簡単に言えば、俗に運がいいとか悪いとかいう状況を人為的に作り出すことが出来るのです。」
五十鈴「...そういうお話でしたら興味ありませんので戻らせていただきます。」
桧垣「...パワポケ君に起こった不幸があなたのせいだとしてもですか?」
五十鈴「えっ...」
桧垣「信じられないのも無理はない話です。私自身もわかりやすい症例を見なければ、
こんなことは想像もできなかった。ただ、パワポケ君に起こった事象としあわせ草に
関する論文や症例、あなたに作用している反応を見ると...そう結論付けるのが妥当と判断します。」
五十鈴「...」
桧垣「つまり、あなたはパワポケ君に不幸が起こることを望んでいる。
正確には、野球に専念して欲しくないと考えているのです。」
五十鈴「そんなことはありません! 私は本当にパワポケに野球に専念して欲しいと思っています!」
桧垣「フム、確かにその言葉はあなたの偽らざる本心でしょう。
ただ、あなたが気づかない深層心理ではどうでしょうか?」
五十鈴「深層心理...」
桧垣「ええ。恋愛感情というのは非常にやっかいなものなのです。
心の奥底ではあなたはパワポケ君に野球のことより自分のことを大事にして欲しいと望んでいるのです。」
五十鈴「そんなことは...」
桧垣「ない、と言い切れますか?」
五十鈴「......」
桧垣「まあ、今までの話は全て仮説ですから。理論を構築するにはまだ検証が必要です。
天月さんにはもうしばらくご協力下さい。もししあわせ草の作用なら制御することができるようになれば、
パワポケ君へ危害が及ぶことはなくなるでしょう。」
五十鈴「...わかりました、お願いします。」

3年目 4月3週

パワポケは五十鈴に会いに行った。

パワポケ「五十鈴、ちょっといい?」
五十鈴「...すまない、今は忙しいんだ。」

(タタタタタッ...)

パワポケ「...しかたない、今日は自主トレでもするか。」

次の週、パワポケは真薄に会い、ベースランニングをした。

3年目 5月1週 身投げする五十鈴

『注意!』
これを起こす前に必ず野球魂60以上・体力71以上にしておきましょう(特に体力はできるだけ多い方がいい)。
もし、条件を満たしていなかったり、選択肢をあやまったり、救出に失敗すると...
五十鈴と別れることになってしまい、最初からか、セーブしたところから
やり直さないといけなくなるため、注意してください。

パワポケは五十鈴に会いに行く。

パワポケ「(最近、付き合う前に戻ったみたいに避けられてるけど...
今日こそちゃんと話を聞くぞ!) 五十鈴、大事な話があるんだ!」
五十鈴「...わかった。」

(そして...)

パワポケ「ここでなら聞かせてくれるよな。
何故急に俺を避けるようになったんだ? 俺のことが嫌になったのか?」
五十鈴「違う! そんなことはない! ...ただ...」
パワポケ「ただ?」
五十鈴「桧垣先生から聞かされたんだ。パワポケの不運は私のせいだと。」
パワポケ「えっ!?」

(五十鈴より桧垣先生の仮設の説明を受けた。)

パワポケ「つまり、俺の不運は、しあわせ草の薬を飲んだ五十鈴の力のせいだってこと?」
五十鈴「そういうことだ。」
パワポケ「むしろ俺は幸運だよ!
五十鈴が言うのなら、本当の事なんだろう。だけど、むしろ俺は幸運だよ!
確かに悪いこともあるけど、五十鈴に会えた幸運に比べれば、どうってことないよ!」
五十鈴「...パワポケの気持ちは嬉しい。だけど私は君の夢のジャマだけは
絶対にしたくないんだ。私が心の底でそれを望んでいるなら...」
(ザパーン!)

なんと、五十鈴が崖から飛び降りた!

パワポケ「えっ!? 崖から飛び降りた!?」

素早くB:「自分も飛び込む!」か、D:「自分も飛び込む!!」を選んで!
4秒以上かかると救出失敗が確定してしまい、攻略失敗になってしまいます!!

パワポケ「よし、行くぞ!」

(ザパーン!)

パワポケはすぐに飛び込み、五十鈴を助けに行った!

パワポケ「五十鈴! ...いた! 気を失ってる! 早く陸地へ...って、真っ暗で何も見えないぞ!」

(ザパーン!)

パワポケ「波が! うわーーーーーーー! ...(何とか陸地まで...)..........................」

(そして...)

パワポケ「ふう、何とか陸地にたどり着いた...五十鈴の様子は......意識はないけど、呼吸は安定してるな。」
五十鈴「うーん...ここは?」
パワポケ「よかった、目を覚ました! 真っ暗でよくわからないけど、
たぶん断崖のどこかにできた洞窟みたいな場所かな。明るくならないと戻るのは難しそうだ。」
五十鈴「そうか...パワポケにはまだ迷惑をかけたな...」
パワポケ「ああ、大迷惑だ。」
五十鈴「...」
パワポケ「だけど、五十鈴が俺の前からいなくなろうとするなら、またどんなことをしても追いかけるよ。」
五十鈴「...」
パワポケ「どんな不運があったって、ふたりなら絶対に乗り越えていける。俺は野球も五十鈴も大切なんだ。
...俺は甲子園連覇という五十鈴との約束を絶対に果たす。
だから五十鈴も二度とこんなことはしないと約束してくれ。」
五十鈴「......わかった、約束する。」
パワポケ「うん。」
五十鈴「(...クシュン!)」
パワポケ「水に濡れたから寒くなってきたね。何か燃やせるものがあればいいんだけど...」
五十鈴「パワポケ、こっちにきて私を温めて。」
パワポケ「えっ!?」
五十鈴「こういうときは、お互いに体を温めあうものだろう?
さっき私のことが大切って言ったのに、私の体を冷やしたままにしておくつもりか?」
パワポケ「わ、わかった!」
五十鈴「コッ、コラ! ちょっと強すぎる!」
パワポケ「ごめん、痛かった!?」
五十鈴「いや、少し驚いただけだ。このまま強く抱きしめていてくれ...」
パワポケ「わかった...」

......................

翌日、運良く通りかかった漁船により学校に戻ることができた。

パワポケさんは『絶倫』を身につけました!

そして...

学校に戻った途端、親切高校の教師たちが...!

BGM:ジャガーの一味(風来のシレン4) 原曲

陸手「パワポケ君、天月さん、ちょっと待ちなさい。」
パワポケ・五十鈴「...」
陸手「あなたたち、門限までに帰ってきませんでしたね。何処に行っていました?」
パワポケ・五十鈴「...」
陸手「言ったはずです。門限までには必ず寮へ帰るようにと。」
パワポケ「え、えーと...」
五十鈴「そ、それは...」
陸手「あなたたちには親切高校の生徒の自覚が足りないようですね。
ペナルティです! 桧垣先生、この二人に重い罰を与えなさい。」
桧垣先生「はい。」

(ぷすっ!)

パワポケ「うっ!? なんだ!? 何をしたんだ!? くそっ! 体が...しびれ......」

(バタッ)

五十鈴「パワポケ!?」

パワポケはそのまま連れて行かれてしまった。

そして...

パワポケ「う...うーん。」

親切高校グラウンド

パワポケ「わっ!? なんだこりゃ!?」

火をつけた木の棒を持った元田はパワポケを縛っている木の棒に火をつけようとする。

元田「親切高校の校則に違反した社会のゴミ・パワポケ君を火で滅ぼします。
みなさん、親切高校の校則に従わない人間がどうなるか、しっかりと目に焼き付けておきなさい。」
パワポケ「なんだって!? 悪い冗談はやめろ!」
元田「冗談かどうかすぐわかりますよ、パワポケ君。」
パワポケ「ちょ、ちょっと待て! 俺は社会のゴミじゃないぞ!
五十鈴に何か理由があるのか聞きに行っただけだ! 社会のゴミなんかじゃない!」
元田「そうですか。じゃあ、死になさい。人間のクズ。」
パワポケ「や、やめろ!!」
「(待って!)」

五十鈴が入り込んで元田を止めに来た!

元田「なんですか、天月さん? ジャマをするというのですか?」
五十鈴「でも、彼は社会のゴミと決まったわけじゃありません。いきなりこんなひどいやり方は...!」
元田「校則違反をした人間ですよ! 社会のゴミに決まってるでしょう!」
五十鈴「でも...! パワポケは私のためにいつも話し合ってくれたり...
彼の野球のために甲子園大会に優勝すると誓ったり...」
「(いいだろう。)」

BGM:神官のテーマ(風来のシレン4) 原曲

元田「車坂監督!」
車坂監督「校長先生、パワポケを放してやってください。こいつはまだ使えます。」
五十鈴「ほんとですか!?」
車坂監督「ただし、本当に社会のゴミでなく、甲子園大会で優勝できるかどうか証明してもらおう。」
パワポケ「......」
車坂監督「校長先生、放してください。」

元田は縄を切ってパワポケを解放した。

パワポケ「ふう~、助かった。一時はどうなることかと思った。」
車坂監督「ただし! パワポケが先日に門限を破った罰として
野球部のお前らがたるんだり、試合で浮かれたりなどで
親切高校の顔に泥をぬるようなことをしないよう、かわりに天月五十鈴に人質になってもらうっ!!」

陸手と飯占と桧垣は五十鈴に刃物を向けて人質にとった。

五十鈴「あっ!?」
パワポケ「おい! 何するんだ!?」
車坂監督「もし途中で練習をサボったり、試合で浮かれたり、
途中でこの学校から逃げたり、甲子園大会で優勝できなかったなどで
野球部の監督のオレと親切高校の顔に泥をぬるようなことをしたらこの女を殺す。」
パワポケ「なんだって!?」
車坂監督「むろん、この女も先日にお前と同様門限を破った人間だ。
天月を見殺しにして逃げるというなら、逃げるがいい。」
パワポケ「お前ら...!!」
車坂監督「さあ、今すぐ練習を始めろ!! 天月の命が惜しかったらな!!」
パワポケ「くっ...! わかった。必ず甲子園大会で優勝してやるからな!」
山県「生徒全員も聞いたな。とりあえずパワポケは学校内での扱いは保留とする。
他の生徒と同じように接するがいい。」

パワポケ「五十鈴...安心して待っててくれ。俺は絶対に甲子園大会で優勝するから。」
五十鈴「うん......」

BGM:ボロンガ村(風来のシレン4) 原曲

パワポケ「よし、甲子園大会に向けてがんばるぞ!
でも、その前にまず天道率いる星英高校を倒して地区大会で優勝しないとな。」
車坂監督「どうした? こんなところでのんびりしているヒマはないんだぞ。
ぼーっとしてないでとっとと野球の練習を始めろ! さもなくばあの天月の命は...!」
パワポケ「......!!」

パワポケ「五十鈴、心配いらないよ。俺は必ず甲子園大会で優勝するからさ!」
五十鈴「うん、くれぐれも気をつけて。ムリはしないで。
もしもの時は私のことなど気にしないでパワポケは自分の野球に集中するんだ。」
パワポケ「何言ってるんだ! 五十鈴を見捨てるなんて俺にできるわけないだろ!
俺は甲子園大会で優勝してプロを目指すためにここまで来たんだ。安心して大船に乗った気で待っててよ。」

パワポケが甲子園大会に向けて練習後...桧垣は五十鈴の異変に気づく。

桧垣「(!? 反応が明らかに弱まってますね。)
崖での一件は私の耳にも入っています。パワポケ君の目の前で崖に飛び込んだそうですね。」
五十鈴「...」
桧垣「本当にパワポケ君の前から姿を消す気なら彼のいない所で消えたはず。
つまりあなたは彼の為でなく、自分のことを救ってもらいたいから飛び込んだのでしょう。」
五十鈴「...先生の仰るとおりです。それが何か?」
桧垣「...そこでパワポケ君と何かあったんですね。」
五十鈴「...いえ、特には何も。...強いて言えば...彼と約束をしました。」
桧垣「約束?」
五十鈴「もう二度とパワポケから離れるようなことはしないと。不運なことがあっても一緒に乗り越えていくと。」
桧垣「彼にあなたのことを話したんですか?」
五十鈴「はい。その上で、彼は私のことを受け入れてくれると言ってくれました。
私はもう迷いません。ここに来るのも今日で最後にします。それでは失礼します。」
桧垣「(...困りましたね、このままでは彼女の能力が失われる可能性が高い。
ですがせっかくの貴重なサンプルを失うつもりはありませんよ。)」

6月1週はパワポケの誕生日。パワポケは五十鈴から誕生日プレゼントをもらった。
その後、真薄の悩みを聞いてあげ、優しく接してあげながら練習をこなした。
そこで何かが変わった天道が現れる。
そして7月1週はパワポケたちにとっての高校野球最後の大会。
1回戦の平面高校、2回戦の鉄砂高校を倒した。そしていよいよ決勝戦...

パワポケ「今日は地方大会の決勝戦だ! ついに、因縁の星英と戦う時が来たな。
...思えばこの3年間、天道と星英が俺たちの前に立ちふさがってきた。
だが、今日! 星英を倒して因縁に決着をつける! 行くぞ、みんな!」

(オウッ!)

羽生「...天道。肩の調子は大丈夫か?」
天道「......大丈夫です。ちゃんと投げられます。」
羽生「いいか、くれぐれも無理はするなよ。お前はこれから先の野球界を背負って立つ人材なんだ。
それに甲子園なんて、もう何度も行ったじゃないか。」
天道「監督! ここで手を抜いた投球をするようななら、
俺のこれまでのがんばりは何だったんですか? ...全力で行きます。」

(スタスタ...)

羽生「今日の試合さえしのげばしばらく休める。今日さえ乗り切れば...」
若菜「天道君...」
車坂監督「...おい、パワポケ。」
パワポケ「はい、監督?」
車坂監督「チームの状態はお前が一番把握しているようだ。この試合、お前の助言を参考にしよう。」
パワポケ「はい、わかりました!」

星英高校戦

パワポケと天道の戦いは熾烈を極める。そして...

パワポケ「おりゃぁっ!」

スリーストライク! バッターアウト!

パワポケ「後一人だ。」

パワポケは最後の打者を三振にしとめ...完投勝利!!

星英高校に勝利後

パワポケ「やったー、勝ったぞー!!」
荷田「また甲子園に行けるでやんす!」
車坂監督「お前たち...本当に...本当に...」
パワポケ「監督、どうしたんですか?」
車坂監督「本当に甘すぎるッ! 地方大会に優勝しただけで満足なのか? ...違うだろ。行くからには日本一だ!
あんまりふざけるようなことをしやがったら天月を殺すぞパワポケ!!!」

パワポケ「はい!」
みんな「(ハイ!)」

ミーナ「......」

ミーナは車坂監督の行状を静かに監視している...

翌日

後輩「...キャプテン、朝刊が届いてますよ。」
パワポケ「ああ、ありがとう! 俺たちの地方大会優勝の記事でも読ませてもらおうか。
えーと............「天道投手、ケガに泣く」? なんだ、この記事は!」
後輩「どうやら、あいつは肩を壊してたみたいですね。
オレたち、その怪我のおかげで運よく勝てたってことになってますよ。」
パワポケ「そんなバカな! 俺たちは実力で、あの天才、あの天道を倒したんだぞ!
こんな...こんなことがあるかー!」
官取「ま、世間の注目度が違ったってことだよな。」
パワポケ「...............。こうなったら、甲子園で優勝しよう!」
荷田「いきなり何を言い出すんでやんす?」
パワポケ「そうでもしなきゃ、みんなからなめられたままじゃないか。
本当に、実力であの天道に勝ったってことを世間に認めさせてやる。」
越後「お、いいねいいね。同じ野球バカとして賛成だ。」
官取「たしかに口で何かを言うよりもずっと説得力があるだろうな。」
パワポケ「みんな、今日からまた挑戦者だ! 練習をがんばるぞ!」

(おーっ!!)

天道「...............。そうか、あいつがパワポケか。」

8月1週

そして...

山県「いいかね、いいかね。日本中に親切高校の思想を広めて、広めてくるのだぞ。」
(はい!)
大河内「がんばってこいよ!」
(はい!)
基宗「俺達の分もがんばってくれ!」
(はい!)



(そして...)

パワポケ「ようやく甲子園へ出発か。」
荷田「意外にいろいろ大変だったでやんすね。寄付金集めやら、応援団との打ち合わせやら...」
パワポケ「早く野球に集中したいよ。」

(そして...)

荷田「お~い! 真薄。お前に面会が来てるでやんす。」
真薄「...え? あ、はい...だれだろう...?」
「よお。久しぶり!」
真薄「ああ! 羽柴(はしば)くん! どうして? こんなところに?」
羽柴「お前が甲子園に出るって聞いたもんだからさぁ、
こっちに来る用事があったから、応援に来たんだよ。」
真薄「...あ、ありがとう...」
羽柴「甲子園まで来たんだからよぉ、絶対優勝しろよな!」
真薄「う、うん。そうだよなぁ...がんばるよ!」
「がんばるじゃねえだろ。勝てよ! 勝ち抜いて優勝するんだよ!
甲子園だぜ、お前! 野球やってる奴の憧れの甲子園に来てるありがたさがわかってるのか?
ここまで来たんだから絶対優勝しろよ!」
真薄「な、なつみちゃん...!」
夏海「お前だけだぜ、ガンバーズ出身者で甲子園に行けたのは。本当、うらやましいよ!」
真薄「うん。うん。絶対優勝するよ!」
夏海「この試合で優勝したら、ガンバーズのみんなに集合かけて、同窓会しようぜ!」
真薄「うん、いいね! あれ、えっと...でも優勝できなかったら?」
羽柴「同窓会はナシだな...」
真薄「えええ~!? 優勝しなくても同窓会しようよ!」
夏海「しない。中途半端な勝ちで、お祝いはしない! だから、絶対優勝しろよ!」
真薄「う、うん! 絶対に優勝する!」
夏海「スタンドから応援してるからな!」
真薄「うん。」
羽柴「じゃあな! 優勝だぜ!」
夏海「がんばれよ!」
真薄「うん! 必ず優勝するよ!」
パワポケ「お前、いい友達がいるんだな。」
真薄「ええ、キャプテン。」
パワポケ「お前の友達の為にも甲子園で優勝しような!」
真薄「はい! 絶対に優勝します!」
荷田「で、さっきの可愛い子は誰でやんす?」
真薄「え?」
荷田「さぁ、さぁ、さぁ! オイラに紹介するでやんす!
それとも、先輩の言うことが聞けないでやんすかぁ?」
パワポケ「おいおい、荷田君。そろそろミーティングの時間だ。さあ、行くぞ!」
荷田「あとでこっそり教えるでやんすよ!」
真薄「......。みんな...僕は頑張る! きっと優勝する!」

真薄がパワーアップした!

8月2週

パワポケ「いよいよ、俺の高校生としてのクライマックスだな。............」
荷田「キャプテン、眠らないんでやんすか?」
パワポケ「月が明るくて、眠れないな。荷田君もか?」
荷田「こういうときは、無理やりでもキャプテンは全員を休ませるべきでやんす。
その本人が起きててどうするでやんす。」
パワポケ「ははは、たしかにそうだ。......荷田君。」
荷田「なんでやんす?」
パワポケ「俺、10年後も野球をやってるかな。10年後もこの夜の月のこと、覚えているかな?」
荷田「はぁ~。どうせ10年後にわかるでやんす。今はとっとと寝ろ、でやんす!」

(その時...)

五十鈴「(...パワポケ。)」
桧垣「やはりここにいましたか。」
五十鈴「桧垣先生!」
桧垣「やっとつかまりましたよ。あれから、全く呼び出しに応じてくれませんからね。」
五十鈴「先生と話すことはもうありません。」
桧垣「今日は協力の要請ではなく、ひとつだけ忠告に来たのです。」
五十鈴「忠告?」
桧垣「ええ、やっとわかったのです。あなたの能力は消えたわけではない。
パワポケ君との約束が支えとなって一時的に抑えられているだけです。」
五十鈴「......」
桧垣「もし、約束が果たされなかった時、パワポケ君と会うことはお勧めしません。
今までの反動で命にかかわる事態となってもおかしくないですから。」
五十鈴「...そんな。」
桧垣「だから、もう一度私に協力して、能力を制御するようにしませんか?
それがあなた方にとって最も幸せな道のはずです。」
五十鈴「......」

五十鈴は去っていった。

桧垣「(...少し脅しが効きすぎましたか。ただこれで私の元にくるしかなくなる。
...パワポケ君が優勝しない限りは。)」

続く

最終更新:2022年08月28日 10:02