俺は、医者をやっている父親の都合で「日の出島」という小さな島へ住むことになった。
パワポケ「あーあ...ずいぶん離れた所まで来てしまったなぁ。
大安高校のみんなとは、もうなかなか会えないよなぁ......ん? なんだ、この石は?」
(ズル!!)
パワポケ「うわわっ!!」
(ドスン!)
(...ゴトン)
パワポケ「う、う~~~ん...」
パワポケの父「おーい、何してんだ? 早く行くぞ。」
パワポケ「...いててて....うん、わかったよ。いま行くよ...」
まさか、このことが後で恐ろしいことを引き起こすなんて、そのときは思ってもみなかった...
そして、パワポケは転校先の日の出高校に入った。
パワポケ「転校してきたパワポケです。よろしくお願いします!」
(ぱちぱちぱち...)
「ようこそ、日の出高校へ。
わたしが担任の田中深雪(たなか みゆき)です。
パワポケ君の席は、山田君の隣よ。」
「よろしく、オイラが山田でやんす。」
パワポケ「よろしく。」
山田「ところで、部活は何にするか決めてるんでやんすか?」
パワポケ「そうだなぁ。前の学校では、野球部だったんだけど...」
山田「なら、ここでも野球部に入るでやんす!
こんな小さな高校でやんすが、野球部はちゃんと活動しているのでやんす。
実は、オイラも野球部なんでやんすよ。」
パワポケ「えっ、そうなのかい。じゃあ、よろしく頼むよ。」
(そして...)
「みんな、聞いてくれ。今日から彼が野球部に参加してくれることになった!」
パワポケ「パワポケです。よろしく。」
「彼はあの大安高校野球部にいたんだ。戦力として期待できるぞ。」
パワポケ「あ、いや、俺は...」
「俺、山本 有三(やまもと ゆうぞう)だよ。よろしくなっ!」
「ボクは堤 篤弘(つつみ あつひろ)です。」
「...小山 高雄(こやま たかお)だ。」
「私は、マネージャーの神木 唯(かみき ゆい)よ。よろしくね!」
「うき~」
ユイ「で、この子は森本 満(もりもと みつる)君ね。」
パワポケ「(サル?!)」
「....。」
ユイ「どうしたの?」
「気にいらねーな...大安高校出身だからって野球がうまいとはかぎらねえし、顔つきが生意気だ。」
ユイ「はいはい...このすねてるのが島岡 武雄(しまおか たけお)君よ。」
島岡「ちぇ、勝手に言ってろ。」
「とりあえず、来月の秋季大会めざして練習だ。1勝めざしてみんながんばろう!」
みんな「(おおーっ!)」
(そして...)
山田「よーし、外野行くでやんす!」
(スカッ)
山本「おーい...打てないんだったら手で投げろよぉ。」
山田「投げたんじゃあ、届かないんでやんす!」
パワポケ「...ここの野球部、ハンパじゃなくレベルが低いな。これから先、大丈夫かなぁ。」
練習後...
「むうっ! なんじゃこれは。」
「おばあ様? どうかなさいましたか。」
「あけぼの丸の慰霊碑を誰かが壊しとる。
まったくバチ当たりなことじゃ! たたりがなければよいが...」
「たたり...ですか?」
次の週
パワポケ「ボールを取りに来たんだけど...ボロボロなのばっかりだなぁ。」
ユイ「あら、そのへんにまだ使ってないのがなかった?」
パワポケ「このあたり?」
(ボロッ)
パワポケ「うわ、ここ床がぬけてるぞ!」
山田「そのうちに修理しないといけないでやんすね。
学校が小さいから、予算が少ないのでやんす。」
(バン!)
島岡「おうパワポケ、ボールまだか! こんなところで油売ってんじゃねえよ。」
ユイ「乱暴ね! 今ので扉が壊れたじゃない。」
島岡「あ...ふ、ふん、知らねーよ。それよりパワポケ、とっととボールを持って来い!
本土から来たからってデカイ面してるんじゃねえぞ。」
(バタン!)
山田「デカイ顔しているのはどっちでやんす。
村長の息子で金持ちだからって! 金持ちなら、部に金をよこせでやんす。特にオイラに!!」
パワポケ「それより、この状況は部費でなんとかならないのかな?」
ユイ「ああ、それいえば! パワポケ君からは、まだ部費をもらってなかったわね。」
お金が\2000減った
そしてパワポケは山本に日の出島のことをいろいろ教えてもらう。
秋季大会は、14-1で日の出高校のコールド負け。そして...
(この...ふらち者がぁ!)
パワポケ「えっ? 誰?」
キャプテン「パワポケ、何か言ったか?」
パワポケ「いえ...この部屋、俺たち2人だけですよね?」
キャプテン「あ、あれ? 誰かが俺の腕を...う、うわああああああっ?!」
パワポケ「キ、キャプテン!? どこに行っちゃったんですかー!」
山田「なにを騒いでいるんでやんす? 反省会、やるんでやんすか?」
パワポケ「ああ、山田君! いま、キャプテンが俺の目の前で消えちゃったんだ!」
山田「はあ? なにワケのわからない事を言ってるんでやんす?」
パワポケ「信じられないだろうけど、本当なんだ! 俺の目の前で、こうスーッと...」
山田「そうじゃなくて! そもそも、うちの部にキャプテンなんていないのでやんす。」
パワポケ「......は? あの、菱村キャプテンだよ。」
山田「だれでやんす? それ。そんな人知らないでやんすよ。」
パワポケ「....へ?」
ユイ「どうしたの?」
山田「いや、パワポケ君がちょっとおかしいのでやんす。キャプテンがいるとかいないとか。」
ユイ「そうよねえ。やっぱり、うちの部もキャプテンを決めたほうがいいわよね。」
パワポケ「そ、そうだ、山本君! 君は、キャプテンに言われてみんなを呼びに行ったんだよな?」
山本「へ、なに言ってんだ? お前に言われて呼びに行ったんじゃないか。」
パワポケ「そ、それなら、前にみんなで撮った写真が、確かここに...」
パワポケがみんなで撮った写真を見てみると...写真から菱村キャプテンが消えてしまった!
パワポケ「うわっ、キャプテンが消えた!!」
山田「...パワポケ君。
試合がひどい負け方をしてショックなのはわかるでやんす。だけど、落ち着くのでやんす!」
パワポケ「(ど、どうなっているんだ?!)」
(...その後、島に帰ってみても、だれもキャプテンのことを覚えていなかった....)
次の週...
(.....野球をしろ....野球をするんだぁあああ...)
パワポケ「うわああっ! あっ、夢か....
なんだか、とても怖い夢を見た気がするけど...なんだったんだろう?」
(そして...)
「はて、菱村さんとこに息子さんなんていなかったはずじゃが...」
パワポケ「一応、記録とか調べてもらえませんか?」
「えーと...おや? 子供がいることになっておる。」
パワポケ「ほらっ、やっぱり!」
「間違っているんだから、訂正しておかんとな。...黒く塗りつぶして、と。」
パワポケ「い、いや、そうじゃなくて! 何かが起こって人が消えたんですよ!」
「はは、そんなわけないじゃろう。ぼうずは、漫画の読みすぎなんじゃよ。」
「あら、パワポケさん。どうしたんです、こんなところで。」
パワポケ「あ、君は同じクラスの...」
「天本です。天本 玲泉(あまもと れいせん)。変な名前だから、天本と呼んでくださいね。」
パワポケ「えーと、天本さんはひとつ上の学年に菱村って人がいたの、覚えてない?」
天本「さあ...うちは小さい学校で1学年1クラスですけど、そんな名前の方いたかしら?」
パワポケ「そうか...やっぱり、覚えていないのか...」
天本「.....? あの、何かあったんですか。」
「いや、さっきの子がね、野球部のキャプテンが消えたって言うんだよ。
そんな子は、もともといなかったのに。」
天本「へえ、確かにおかしな話ですね。...野球部?」
パワポケは「不眠症」になってしまいました。
1週ごとに体力とやる気が下がります。
10月2週 練習後...パワポケは天本の家に寄り、呪いの話を聞いた。
10月3週
パワポケ「甲子園に行くなんて、どう考えたって無理だよな。みんな、やる気もないし...」
山田「大変でやんす、大変でやんす!」
パワポケ「なんだよ朝から。俺は、もう大抵のことじゃ驚かないぞ。」
山田「今、野球部の部室が燃えてるでやんす。」
パワポケ「.........。な、なんだってぇええ!!」
(ゴオオオォォォォォ......)
野球部が燃え尽きてしまった...
ユイ「あーあ。バットも、ボールも、グラブも全滅ね。」
山本「これじゃあ活動できないよなぁ。...廃部かな?」
パワポケ「だ、駄目だ、駄目だ! 甲子園に行かなきゃいけないんだ!」
山田「甲子園~? いきなり、何を言い出すんでやんす。」
島岡「ふん、野球の名門校から来た奴は考えることが違うね。オレは野球部、やめさせてもらうぜ。」
堤「ま、論理的に見て自然なことですね。ボクも勉学に戻るとしましょう。」
山本「あ、俺も俺も。」
森本「うきー...」
小山「...終わったな。」
ユイ「そうね。しかたないわね。のこった備品と予算の処理は私がやるわ。」
パワポケ「............。」
部室レベルが1になってしまった!
(そして...)
パワポケ「部室の跡は、きれいに片付いちゃったなぁ...
みんな野球部やめちゃったし。ひょっとして、俺、神隠し決定かな? はぁああああ.....」
天本「あら。どうしたんです? こんなところでため息なんて。」
パワポケ「ああ、天本さん! 実は部室が火事で燃えちゃって、
野球部がなくなっちゃったんだよ! これからどうすれば...」
天本「なくなった...? まさか、あなたも野球部をやめたんですか。」
パワポケ「いや...でも俺一人だけじゃ野球なんてできないし。」
天本「では、部員をあと8人集めるしかありませんね。」
パワポケ「無理だよ、そんなの! うちの学校の男子は数が少なくて、そもそもほとんど野球部にいたのに。」
天本「なるほど...それは、大変ですね。」
パワポケ「そんな、ひとごとみたいに!」
天本「ふふ、だってひとごとですもの。」
パワポケ「え?」
天本「呪いは、なによりもまずあなたの問題なんでしょう?
それに、あきらめる前にまだやれることがあるはずです。じゃ、がんばってくださいね。」
パワポケ「.......俺の問題、か。
くそー、こんなワケのわからない呪いなんかに負けてたまるもんか!」
(そして...)
山田「ええーっ! 野球部を続けるんでやんすか?
まあ、オイラは別に構わないでやんすけど...あと7人いないと、野球はできないでやんすからね。」
パワポケ「大丈夫、集まるさ! そして、甲子園に行くんだ。」
ユイ「ふーん。甲子園に行けるかどうかはともかく、私もマネージャー続けてもいいわよ。」
(山田とユイが仲間になった!)
山田「島や学校をうろついて、野球部に入ってくれる生徒を探すのでやんす!」
パワポケ「よし、行くぞ山田君!」
(うろつきコマンドが追加されました!)
そして...パワポケに謎の声がした。
(お前にマスターリングを与える。これは人類に課せられた試練だ...)
パワポケ「これは...」
パワポケはマスターリングを受け取り、すぐに腕にはめ込んだ。
パワポケ「試練...? いったいどういうことだ?」
パワポケは学校や島をうろつき、野球部に入ってくれる生徒を探し、集めた。
仲間になったのは堤、小山、島岡、森本、上田、村田、石田。
その後、町で天本に会って交流を深める。そして1月2週、みゆき先生が野球部の顧問となる。
1月3週
山田「パワポケ君、野球部員が一人増えたでやんす。」
パワポケ「えっ?」
山田「うちのクラスの秋穂 不作(あきほ ふさく)君が、野球部に入ってくれることになったのでやんす。」
パワポケ「へえ、いいニュースじゃないか。......秋穂って誰?」
山田「そこにいるでやんすよ?」
秋穂「...僕...です...」
パワポケ「うわぁ! い、いつからそこにいたんだ!!」
秋穂「...1時間くらい、前...」
パワポケ「そこで、何してたのー!?」
秋穂「......ぼーっ、と......くす...」
パワポケ「あの、野球の経験とかは?」
秋穂「...スポーツ、やったこと......ない...運動神経...ゼロ...」
山田「まあ、人数が絶望的に足りないでやんすからね。ぶきみ君も貴重な戦力でやんす。」
パワポケ「「ぶきみ君」? いや、山田君。そういうあだ名は良くないぞ。」
秋穂「...それ...僕の...考えた、名前...」
パワポケ「え! あ、そうなの?」
秋穂「...ナイスネーミング...」
山田「いやー、野球部の戦力が厚くなってよかったでやんすねー。」
パワポケ「本気で言ってるのか?」
秋穂が野球部に入ってしまった!
!:注意
秋穂はプレイヤーのみなさんのジャマをしようとたくらんでいて、
呪いをかけてきて「腰痛」などにしてきたりするので要注意です。
そして、なんと! 誕生日のときに秋穂がやってくることがあります。
誕生日で秋穂と会ってしまったら、「呪いの人形」や「ゆがんだバット」などを
渡されてしまうので、気をつけてください!!
パワポケは町で天本と会い、電話番号を手に入れた。
そして天本と交流を深めた。
第弐話へ続く...
最終更新:2023年04月02日 17:55