バトルフィーバーJの最終回

※ ここまでのあらすじはバトルフィーバーJの第51話をご覧ください。


秘密結社エゴスの本部では、生き残った女幹部サロメとカットマンたちにサタンエゴスが檄を飛ばしている。

サタンエゴス「我が息子たちのみか、ヘッダーまでも命を絶たれてしまった。いよいよ最後の戦略を決行する時が来た!」
カットマンたち「おう!!」
サタンエゴス「サロメ、準備はいいようだな?」
サロメ「はい! 万端、滞りなく」
サタンエゴス「怪人製造カプセルはどうだ?」
怪人製造カプセル「今日の来る日を待っていました」
サタンエゴス「その意気だ!」
怪人製造カプセル「武者震いをしております!」
サタンエゴス「よしっ! エゴス総反撃開始せよ!!」



英雄たちの
__交響曲(シンフォニー)




エゴス本部内研究室。

カットマン「マグニチュード8.5の地震を起こすようセットしろ!」「ハッ! 了解しました」

カットマンが機械を操作。一方、サロメも準備に入っていた。
そこへカットマンがジャケットを持って入ってくる。

サロメ「そこへかけときなさい」
カットマン「はっ」

ジャケットをかけるカットマン。

カットマン「これが取り消される写真です」

サロメが写真をチェック。
怪人製造カプセルも怪しくうごめいている。

サタンエゴス「バトルフィーバーめ、サタンエゴス、最後の戦略を受けてみろ!!」


マサルたちが下校していると、空から鳥が落ちてきた。

マサル「どうしたんだ?」

鳥を拾うマサル。

少年「撃たれたんじゃないか、空気銃で」
マサル「怪我してないぜ?」
少年「変だなぁ」
少女「見て」

鳥が次々と落ちていく。

マサル「どうしたんだろう?」
少年「地震のせいじゃないか?」
マサル「地震?」
少女「そういえば昨日から地震が多いわね。小さな地震が……」
少年「危ない!!」

急に車が猛スピードでバックしてきた。車は無人。

マサル「誰も乗ってない……」


ビッグベイザー基地でも、バトルフィーバー隊が地震の調査を行っていた。

神「ビッグベイザーで調査しましたところ、海底の隆起が見られます。この地点と、この地点です」
鉄山「富士火山帯が活動を始めたのだろうか」
正夫「東海大地震の延長では?」
鉄山「うむ……」

バトルフィーバー隊も、このところ続発する地震の調査を進めていた。

電話のベルが鳴る。ケイコが電話に出る。

ケイコ「はい。ああ、マサル! どうしたの? え? 車が坂を登った? バカね。え? 無人車? エンジンもかかっていない?」
鉄山「フランス、ケニア!」
2人「はい!」

京介と四郎が立ち上がる。

ケイコ「すると、坂道をバックで登ったってわけね!?」

再び地震が発生。

九太郎「地震ダ! マタ地震ダ!!」

揺れはすぐに収まった。

トモコ「昨日から105回目の地震です!」

うなずく鉄山。
一方、京介と四郎はマサルの下に来ていた。

京介「マサル君たちの証言通りだとすると、この坂道を100メートルも逆行したことになるな…… ん?」
四郎「そんなことありえないっスよ。ははは…… あっ、あらっ!」

四郎のバイクが逆行。

四郎「おい、止めてくれ!!」
京介「ああ……」
マサル「本当だろ?」
四郎「うわっ!」

四郎がバイクごと転倒。

京介「ケニア!!」
マサル「四郎さん!!」
京介「おい、大丈夫か!?」
四郎「ああ…… やっぱり大地震の前触れだろうか!?」

そこへ1人の女性が車から降りる。

女「バトルフィーバー隊の方ですね? 私、こういう者です」

女性は自分の名刺を差し出す。一条寺綾子という名だ。

綾子「探偵をしております。責任者の方にお会いしたいの。大事な用件です」

責任者=正夫が綾子からの連絡を待つ。京介と四郎は、少し離れた物陰でエゴスを警戒。
すると電話が鳴り出し、四郎が逆探知を作動させる。
電話に出る四郎。

綾子「その道をまっすぐ言った公園の、西側のベンチで待ちなさい……」
正夫「西側のベンチだな?」

サインを送る京介と四郎。
その後、正夫は言われた通りに公園の西側のベンチに座る。

正夫の横に綾子が座る。
少し離れた位置からマリアと神が隠し撮りを開始。

正夫「一条寺さんだな?」
綾子「これを買っていただきたいの」

正夫が綾子から受け取った紙を見る。

正夫「これは……」

それはエゴス本部の写真だった。

綾子「エゴスの本部。そしてそれは、地震発生装置です」
正夫「どうしてこんなものを!?」
綾子「黙って買ってください。1億円」
正夫「1億円!?」

立ち上がる綾子。

綾子「エゴスの核心とも言うべき場所です。お安い買い物のはず」
正夫「即答はしかねる」
綾子「ご返事はここへ……」

綾子が出したのは1枚のメモだった。

綾子「現金と引き換えに、地図を渡します」

綾子が立ち去る。
綾子が遠くなったのを見計らい、正夫が京介と四郎へ通信を送る。

正夫「後を頼む」
京介「了解!」
四郎「よし来た」

綾子が車に乗り込み、立ち去る。


ビッグベイザー指令室で、サロメと綾子の顔写真を合わせる正夫、神、マリア。

正夫「ピッタリだ!」
神「サロメか……」

そこへ鉄山たちが現れる。

鉄山「この写真は本物だ。エゴスの指令部…… そして地震発生装置!」
マリア「じゃあ、頻発する地震はエゴスが!」
鉄山「考えられることだ」
正夫「将軍! 一条寺綾子はサロメです」
鉄山「やはり。となると、罠か?」
ケイコ「フランスからの連絡です。一条寺綾子は南米への切符を予約しました! パスポートも持ってるそうです」
マリア「高飛びするつもりかしら? 1億円持って」
正夫「サロメの裏切りも考えられますね……」
鉄山「うむ……」
九太郎「地震ダ! 地震ダ!!」
ケイコ「脅かさないでよ。何も起こらないじゃない!」

再び地震が発生。

九太郎「ドウダ! ナマズヨリマシダゾ!」

しかし、すぐ納まる。

トモコ「200回目の地震です」
鉄山「この地震発生装置を、破壊する必要がある」


一方、恭介と四郎は綾子を待ち伏せていた。

京介「ケニア……」

綾子が車でどこかに向かう。

京介「よし、行こう」

恭介と四郎が尾行を開始。
綾子が電話に出る。

綾子「はい。はい、私です……」

相手は正夫だった。

正夫「すぐにでも取り引きしたい」

ほくそ笑む綾子。

綾子「承知しました。ではこれから、取り引きの場所に向かいます」
正夫「地図を忘れないように」

正夫が電話を切る。

正夫「行こう!」

正夫、神、マリアが出撃。


恭介と四郎はまだ尾行を続けていた。
すると銃撃が綾子の車を怯ませる。
綾子の車が止まる。

2人「フィーバー!!」

恭介と四郎が変身。カットマンに挑む。
フランスがドアを開けると綾子が気絶していた。

フランス「しっかりしろ! 大丈夫か!?」

フランスが顔の皮のめくれた部分をはがす。
案の定、綾子の正体はサロメだった。

フランス「ケニア! やっぱりサロメだ」
ケニア「ああ……」

バトルフィーバー隊によって病院に運び込まれたサロメは、
一命を取り留めることができた。

サロメの私物を調べる5人。

神「ない! 地図らしい物は何1つ……」
マリア「ロケットにも隠してないわ」
京介「靴にもない」
四郎「おい、一杯食わされたんじゃねぇか!?」
正夫「ん?」

サロメが目を覚ます。

正夫「大丈夫、ここは病院だ。なぜ裏切った、エゴスを?」
サロメ「死にたくなかった……」
正夫「地震のことか?」
サロメ「関東一帯を海中に沈める計画だ……」
5人「えっ!?」
サロメ「まもなく、大地震が起こる。マグニチュード8.5の……」

戸惑うバトルフィーバー隊。

サロメ「サタンエゴスエネルギーで作動している、強力な地震発生装置なのだ……」
正夫「地図を譲ってほしい。大地震の発生を防がなければならない! 我々が、責任を持って南米へ送り届けよう」

するとサロメは口から何かを取り出す。
エゴス本部の地図は、銀歯に偽装したカプセルの中に隠されていたのだった。

サロメからエゴス指令部の地図を入手したバトルフィーバー隊は、
直ちにエゴス基地へと向かった。

変身したバトルフィーバー隊がエゴス本部の所在地に到着。すでに日が傾いている。
基地を守る大勢のカットマンが5人を包囲。挑みながら洞窟の中を進む。
するとどこからか音が鳴る。

コサック「この下から聞こえるぞ!」
ケニア「何の音だ?」
ジャパン「地震発生装置かな? 行くぞ!!」

5人は走り出すが、その先は行き止まり。

ジャパン「行き止まりだ!」
ケニア「何だこりゃ?」

ケニアが壁を調べる。

ケニア「よーし!」

ケニアは登ろうとするが、ダメだった。

ケニア「ダメだダメだ!」
ジャパン「よし、破壊しよう!」
5人「コマンドバット!!」

コマンドバットをクロスしてエネルギーを発射。
岩が砕け散り、隠し通路があらわになる。

ジャパン「行くぞ!」
フランスたち「おう!!」

バトルフィーバー隊は、ついにエゴス本部へ突入した。

サタンエゴス「ようこそ、バトルフィーバー。私がサタンエゴスだ」
ジャパン「サタンエゴス!? すると貴様がエゴスの神!!」
サタンエゴス「私は世界中の人間の心を、邪悪なものに変えようとしてきた。だが、ことごとくお前たちに邪魔されてきた! 今日こそ、お前たちを抹殺してやるぞ、バトルフィーバー!!」
フランス「何をぬかす! ここがエゴスの本拠地と知ったからには、容赦はしない!!」
サタンエゴス「ふっふっふ、どこまでお人好しにできているのだ、お前たちは? ──サロメよ!」

入院しているはずのサロメが姿を現す。

ケニア「ややや! 確かに病院に入院していたはずだ……」
サロメ「ははははは! お前たちをここに運び込むのが、私の使命」
サタンエゴス「なぜ、お前たちをここへおびき寄せたか知っているか?」
ケニア「サタンエゴスの踊りでも見せようってんだろうが!」
サタンエゴス「ハッハッハッハッ! 教えてやろう、バトルフィーバー怪人を作るためだ!」
コサック「何? バトルフィーバー怪人だと!?」
サタンエゴス「左様! 知能・体力の優れたお前たちの染色体を合成すれば、それこそ無敵の怪人が出来上がる。エゴスの用心棒がな……」
ジャパン「そんなふざけた真似ができると思ってるのか! よーし、行くぞ!」
コサックたち「おう!」
サロメ「そうはさせないよ!」

エゴス最後の戦力・怪人製造カプセルがバトルフィーバー隊に挑む。

怪人製造カプセル「ははははは、行くぞ~!!」

怪人製造カプセルが体当たりで5人を跳ね飛ばし、ミサイルを乱射する。
怪人製造カプセルの思いがけぬ猛攻に苦戦のバトルフィーバー隊。

ジャパン「ペンタフォースだ!」
4人「おう!」
一同「ペンタフォース!!」

ペンタフォースが炸裂。
しかし、怪人製造カプセルは無傷。

ジャパン「ペンタフォースが利かない!?」
サタンエゴス「ハッハッハ、思い知ったかバトルフィーバー! そのカプセルはあらゆる熱エネルギーを吸収する性質を持っている。したがってミサイルを受けても平気なのだ」
フランス「まるでお化けだ……」
サタンエゴス「怪人製造カプセルよ、復讐の時は来たれり!!」
ジャパン「何? とおっ!!」

ジャパンはキックを繰り出すが、怪人製造カプセルに飲み込まれてしまう。

ジャパン「うわああっ!!」
アメリカ「あっ、ジャパン!!」

他の4人も吸収されてしまう。


怪人製造カプセルの中は、ヘドロのような濁った液体に覆われている。

ジャパン「どこだ? カプセルの中は、こんなに広いのか……」
フランス「なんてとこだ」
ケニア「お、おい……」
アメリカ「見て!」

サロメが中を覗き込んでいた。

ケニア「サロメだ!」
ジャパン「どうやら俺たちは、ミクロ化されてしまったらしい」
フランス「このままではバトルフィーバー怪人にされてしまうぜ!」
コサック「このカプセルを、破壊しなければ……」
ジャパン「それぞれの武器で破壊するんだ!」
ケニアたち「よし!」

5人はいろいろと試みるが無駄だった。

ジャパン「ダメか……」
フランス「何だありゃ!?」

煙が噴き出す。

アメリカ「このままじゃ溶かされてしまう……」
コサック「何とか脱出する方法はないのか!?」
フランス「うわっ、あちっ!」

フランスが赤く点滅する部分を発見。

フランス「なんだありゃ? 心臓!?」
ケニア「そうに違いない!!」
ジャパン「ペンタフォースだ!」
4人「おう!」
一同「ペンタフォース!!」

ジャパンたちが怪人製造カプセルから吐き出され、カプセルも爆発四散した。

サタンエゴス「おのれ、心臓部を破壊しおったな!! こうなったらいよいよ奥の手だ!!」

サタンエゴスが脱出。同時にエゴス基地が崩壊を始める。

サロメ「サタンエゴス様、私もお連れください……」

サロメが瓦礫に飲み込まれ、見えなくなる。


巨大化したサタンエゴスが地上に降り立った。
その異容に言葉も出ないバトルフィーバー隊。

サタンエゴス「風よ吹け、嵐よ起これ~!!」

サタンエゴスの超魔力で竜巻が起こる。

サタンエゴス「エネルギーよ、爆発せよ。大地震となって爆発せよ!!」

サタンエゴスの突風に吹き飛びそうになる一同。

ジャパン「ケニア、ペンタフォースだ!」
ケニア「よーし!!」
一同「ペンタフォース!!」

ペンタフォースが跳ね返される。
ジャパンたちの周りが爆発。

サタンエゴス「風よ吹け、大地よ怒れ!!」
ジャパン「バトルシャーク、出動願います!!」

ビッグベイザーからバトルシャーク、そしてバトルフィーバーロボが出撃。

ジャパン「ジェット・オン!」

5人がバトルフィーバーロボに乗り込み、ついに最後の戦いが始まった。

ジャパン「行くぞ、サタンエゴス!!」

バトルフィーバーロボは突風で前に進めないでいた。

ジャパン「クロスフィーバー!!」

バトルフィーバーロボが足から取り出した短剣「ソードフィーバー」を投げつける。
サタンエゴスはひるむ様子もない。

フランス「クロスフィーバーを弾いた!?」
ジャパン「電光剣ロケッター!!」

バトルフィーバーロボの投げた電光剣がサタンエゴスの胴を貫通。
サタンエゴスの体から緑色の血があふれ出し、やがて大爆発。
エゴス本部、そして各地のエゴス支部も次々と爆発。ついにエゴスは壊滅したのだ。

サタンエゴスの死により、そのエネルギーを受けていた
エゴスの会員たちも、次々と死んだのである。

エゴスに勝利したバトルフィーバー隊は綺麗な夕日を見ていた。

鉄山「どうだ。戦いが済んで、夕日が美しいだろう」
ジャパン「ええ。平和な気持ちで見るから、優しく見えます……」



鉄の意思と、団結のスクラムで、
ついにエゴスを壊滅に追い込んだバトルフィーバー隊!

バトルジャパン・伝 正夫。
バトルフランス・志田京介。
バトルコサック・神 誠。
バトルケニア・曙 四郎。
ミスアメリカ・汀 マリア。

今、彼らの耳に聞こえるのは、天使の歌声。
それは、英雄たちの交響曲(シンフォニー)でもある。

さらば、バトルフィーバー隊!
さらば、バトルフィーバーロボットよ!!




おわり

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最終更新:2024年05月29日 01:17