秘密結社エゴスの本部に、前回鉄山将軍に斬られて死んだヘッダー指揮官の亡骸が横たえられている。
一心不乱に祈りをささげるサロメ。
サロメ「復活の儀式、滞りなく終わりました」
サタンエゴス「これより、ヘッダーに新たなる生命を与える」
怪人製造カプセルから噴き出した煙がヘッダーの亡骸を包み込んでいき、やがて煙ごとカプセルの中に吸収された。
サタンエゴス「全能なるエゴスの神よ、ヘッダーを我が子としてよみがえらせたまえ…… 生まれいでよ我が子! ヘッダー怪人よ!!」
エゴスの紋章から、怪人製造カプセルへと光線が浴びせられる。
不気味にうごめく怪人製造カプセル。
やがて、カプセルの中からエゴス怪人に作り替えられたヘッダーがはい出てくる。
怪人製造カプセル「ナマエ=『ヘッダー怪人』 ノウリョク=超魔力ヲツカウ 復讐心強ク バラバラニサレテモ アキラメナイ」
サタンエゴス「地獄よりよみがえった息子よ、出撃せよ! 復讐の牙を剥け、バトルフィーバーに復讐するのだ!!」
ヘッダー怪人「バトルフィーバーに復讐するのだ!」
かつてバトルフィーバーロボに倒された3体の悪魔ロボット=ドグウロボット、スポーツロボット、ギンガロボットが、岩山を割って姿を現す。
ヘッダー怪人の超魔力で、死せるロボットたちが、 次々とよみがえり襲撃を始めた! |
ビッグベイザー指令室──
鉄山「どうした」
ケイコ「エゴスのロボットの襲撃です」
鉄山「モニター!」
ケイコ「はい」
すぐさま、画面に暴れまわる悪魔ロボットの姿が映される。
四郎「派手にやってやがる!」
さらに電報も届く。
神「『トウキョウBチク ニ ロボット シュツゲン』……」
九太郎「えごすノ総攻撃!」
鉄山「バトルフィーバー隊、出動!!」
ビッグベイザーからバトルシャークが出撃。
サロメ「バトルフィーバー隊です」
ヘッダー怪人「出てきよったな」
エゴス戦闘機編隊がバトルシャークに迫る。
アメリカ「左舷45度角、エゴスの戦闘機発見!」
フランス「総数15機!」
バトルシャークは戦闘機の攻撃をものともせず、弾幕を張って撃墜していく。
そこへ地上からミサイルが放たれ、バトルシャークに命中。
アメリカ「第3酸素室、被弾!」
バトルフィーバー隊はバトルフィーバーロボを出撃させる。
ジャパン「行くぞ、エゴスロボ!」
バトルフィーバーロボと再生ドグウロボットの戦いが始まった。
ヘッダー怪人「八つ裂きにしろ!」
実力伯仲──互いの武器を駆使して、一進一退の大攻防戦が続く。
ケニア「どうも変だ」
フランス「どうした」
そこへさらに、再生スポーツロボットと再生ギンガロボットが参戦。
フランス「見たことがある」
コサック「見ろ、ロボットを」
アメリカ「そういえば過去に対戦しているわ、このロボットと」
ジャパン「そんな馬鹿な!」
ビッグベイザーの鉄山から通信が入る。
鉄山「今、君たちが戦っているロボットは、過去に撃破したものだ」
ジャパン「やはりそうか。しかし、どうして今頃になって?」
鉄山「おそらくエゴスの超魔力をもってよみがえったのだろう。信じがたい事態だ」
3体の再生悪魔ロボットに包囲されるバトルフィーバーロボ。
ジャパン「クロスフィーバー!!」
バトルフィーバーロボが足から取り出した短剣「ソードフィーバー」を投げつける。
再生スポーツロボットに命中するも、再生スポーツロボットはすぐに損傷を回復してしまった。
ケニア「ありゃりゃ、効かない!?」
ヘッダー怪人「ヒヒヒ、今にバトルフィーバーロボはエネルギーを使い果たす」
ならばと電光剣を取り出すバトルフィーバーロボ。
ジャパン「電光剣・唐竹割り!!」
再生悪魔ロボットたちを一気に切り捨てるが、やはり損傷を回復されてしまう。
ケニア「ありゃあ幽霊だ!」
鉄山「幽霊のはずはない! 必ず科学的な仕掛けがある、周囲に注意しろ! 超電磁波発生装置はないか?」
ジャパン「了解! おい、周囲を偵察しろ」
フランスたちがうなずいたのもつかの間、緊急サイレンがバトルフィーバーロボのコクピットに鳴り響く。
フランス「エネルギーメーターがレッドゾーンになったぞ!」
コクピットが小爆発を起こす。
ケニア「すぐに退却したほうがいいんじゃないか!?」
その時、ジャパンがヘッダー怪人を発見。
ジャパン「おい、みんな見ろ!」
鉄山「そいつだ! 超魔力でロボットを操ってるんだ」
ジャパン「了解!!」
バトルフィーバー隊がバトルフィーバーロボを降りて、ヘッダー怪人の下へ向かう。
ジャパン「バトルジャパン!」
コサック「バトルコサック!」
フランス「バトルフランス!」
ケニア「バトルケニア!」
アメリカ「ミスアメリカ!」
ヘッダー怪人「わしはヘッダー怪人だ。お前たちを地獄の住人にしてやるぞ!」
ジャパン「ほざくな!!」
ヘッダー怪人「やれ!!」
決戦が始まる。
元がヘッダーなだけあり、ヘッダー怪人は巧みな体術でバトルフィーバー隊を寄せ付けない。
さらに再生悪魔ロボットたちもヘッダー怪人を援護。
ケニア「おい、えらいことになったぜ!」
高笑いするヘッダー怪人。
鉄山「ロボットにかまうな、怪人を倒せ!」
ジャパン「ペンタフォースだ!」
4人「おう!」
一同「ペンタフォース!!」
ヘッダー怪人「ぐわぁ──っ!」
合体武器のペンタフォースが炸裂。
ヘッダー怪人は爆死し、再生悪魔ロボットも姿を消す。
アメリカ「同時に消えたわ」
フランス「口ほどにもない奴だ」
ケニア「これが最期かと思ったぜ」
ジャパン「引き上げよう」
バトルシャークへ戻っていくバトルフィーバー隊一同。
だが、爆発四散したヘッダー怪人の片目がひそかにバトルケニアの強化服に貼り付く。
ケニアはまったく気付いていない──。
バトルフィーバー隊がビッグベイザーに帰還。
鉄山「ご苦労」
正夫「おかげさまで命拾いしました」
四郎「まったくだ、ほっとしたら急に腹が減っちまって」
すると、急に九太郎が騒ぎ始めた。
九太郎「オイ! メ、目!」
四郎「静かにしろ、ロボ九め!」
九太郎「目、目!」
四郎「何が『目』だ!」
九太郎「目、目!」
四郎「おかしな奴だなぁ。めっ!」
鉄山「……エゴスはまた攻めてくるぞ。どうも引き下がり方があっさりしすぎる」
神「『一歩後退・二歩前進』?」
鉄山「そうだ。今度こそ、エゴスは勝負をかけてくるだろう。油断をするな」
正夫たち「はい!」
そこへ電話が鳴る。
トモコ「はい、こちらバトルフィーバー隊…… あっ、マサル君? うん、ちょっと待ってね── マサル君」
ケイコが代わって電話に出る。
ケイコ「マサル、どうしたの?」
マサル「すぐ来てよ。姉ちゃんのことで、気になっていることがあるんだ」
ケイコ「気になってること?」
ケイコはマサルの待つ新宿某所へ向かった。
ケイコ「マサル! いったい、気になってることって何なの?」
マサル「姉ちゃん、今夜あたりケガするよ」
ケイコ「ええっ? まぁ、縁起でもない。ケガするなんて…… そんなことでわざわざ呼び出したの?」
マサル「うん。俺、わりかし超能力があるんだ」
ケイコ「まぁ」
マサル「学校でも先生に指されそうになる時、わかるもんな」
ケイコ「人騒がせな超能力ね」
エゴス本部──
サロメ「サタンエゴス様、すべて計画通りに行きました」
ほくそ笑むサタンエゴス。
深夜、ビッグベイザー──
バトルフィーバー隊では、エゴスの反撃に備えて 24時間非常警戒態勢に入った! |
だが、四郎は熟睡している。
四郎の足にへばりついたままのヘッダー怪人の眼球が、怪しくうごめき始めた。
九太郎がそれに気付く。
九太郎「目、目! 目ダ!」
その声で四郎が起きる。
四郎「監視レーダー異常なし、探知機異常なし。こらロボ九め、真夜中にギャーギャー騒ぎやがって!」
九太郎「目玉! 目玉ニ気ヲ付ケロ!」
四郎「うるさい! 静かにしろ!」
四郎は九太郎の入っている鳥かごに布をかぶせてしまう。
四郎「これで少しは静かになるだろう」
また眠り始める四郎。
ヘッダー怪人の眼球にサタンエゴスの超魔力が送られる。
サタンエゴス「全能なるエゴスの神よ、ヘッダーを我が子としてよみがえらせたまえ…… 細胞の1つ1つに、魂を宿したまえ……!!」
ついにヘッダー怪人が再生を遂げる。
ヘッダー怪人「倉間鉄山はどこだ?」
ビッグベイザー内を徘徊するヘッダー怪人。やがて鉄山の道場へ侵入する。
鉄山は就寝中。
ヘッダー怪人「バトルフィーバーの頭脳…… えいっ!!」
ヘッダー怪人が鉄山に刃を突き立てる。が──
鉄山「ここだ」
ヘッダー怪人の背後から本物の鉄山が登場。
ヘッダー怪人「やっ!?」
鉄山「わしはアリが畳を這う足音を聞くことができる。廊下を進む足音でわかった」
ヘッダー怪人「こ、こやつ!」
そこへ四郎を除くバトルフィーバー隊も変身して駆けつける。逃げ出すヘッダー怪人。
ケイコとトモコがそれを阻もうとする。
ヘッダー怪人「どけ!」
ヘッダー怪人に押しのけられ、ケイコが腕にケガを負う。
トモコ「ケイコ、大丈夫!?」
ケイコ「マサルの言ったとおりだわ」
追い詰められたヘッダー怪人は苦し紛れに指令室のコンピューターを破壊しようとする。四郎が起きる。
四郎「あっ、なんだ貴様!!」
四郎も変身。バトルフィーバー隊と鉄山がヘッダー怪人を包囲する。
鉄山「おとなしくしろ。もう逃げられはせん」
ヘッダー怪人「フッフッフ、これを見ろ」
ヘッダー怪人の体には、小型時限爆弾が取り付けられている。
ヘッダー怪人「1歩でも動いてみろ。お前もろとも木っ端みじんにしてやるぞ」
爆弾を取り外そうとするジャパンとフランスを鉄山が制止。
ヘッダー怪人「どうだ、動けないだろう」
ジャパン「貴様は一度は死んだはずだ、ペンタフォースで!」
ヘッダー怪人「わしは不死身だ、たとえ目玉1個からでもよみがえることができる」
ケニア「えっ、目玉!?」
ヘッダー怪人「イーッヒッヒッヒッヒ!!」
ヘッダー怪人がヘッダーの姿へと変化する。
鉄山「貴様はヘッダー指揮官!?」
ヘッダー「そうだ。お前に斬られたヘッダーが、怪人に身を変えて復讐に来た!」
鉄山「怪人に身を変えて!?」
ヘッダー「ふふふ、とうとうお前たちに恨みを晴らす時が来た。この基地もろとも海の底へ引きずり込んでやる!!」
息をのむバトルフィーバー隊の面々。
ヘッダー「幾たび悔し涙を流したか…… 鉄山、土下座して命乞いしろ。悪かったと泣いて頼め!! ぐははははっ!!」
鉄山「のぼせるなっ!!」
ヘッダー「ぬぅ……!?」
鉄山「たとえ九分九厘ダメでも、後の一厘に逆転の望みを賭ける…… これが私の信条だ!」
鉄山が、急に九太郎へ話を振る。
鉄山「九太郎や、いい知恵はないかね」
九太郎は何も答えない。
ヘッダー「爆発10秒前」
鉄山も動かない。
ヘッダー「鉄山、お前の負けだ!」
ヘッダーが笑いながらヘッダー怪人へと戻っていく。
その瞬間──!
鉄山「九太郎、やれ!!」
九太郎の口から冷凍ガスが噴射され、ヘッダー怪人を一瞬にして凍結させる。
鉄山「『九分九厘ダメでも一厘に賭ける』、わしはそう言ったはずだ。九太郎、これでいい」
ヘッダー怪人は完全に凍結した。
鉄山「凍結時間は10分だ。基地の外に運び出して処分しろ、急げ!」
バトルフィーバー「はい!!」
バトルフィーバー隊は、ヘッダー怪人に熱線を浴びせ、 焼き尽くすことにした。 |
ジャパン「いいぞ、コサック」
コサック「うむ」
コサックが熱線銃を撃つ。
ケニア「やったぞ!」
ヘッダー怪人「弟よ、後を頼む……」
ヘッダー怪人が消滅。入れ替わりに巨大なヘッダーロボットが姿を現した。
ケニア「また出やがった!」
ジャパン「しつこい奴だ!」
ヘッダーロボットはサロメの奏でるオカリナの音色によってコントロールされている。
サタンエゴス「ヘッダーロボよ、三度生まれ変わって恨みを晴らせ!」
ビッグベイザーの鉄山がバトルシャークを出動させる。
鉄山「バトルシャーク出動! オートコントロール発進!」
ヘッダーロボットは足下の岩を蹴りつけてバトルフィーバー隊を寄せ付けない。
そこへバトルシャークが飛来。マジックハンドでヘッダーロボットを抑え込む。
さらにバトルフィーバーロボも出撃。
ジャパン「ジェット・オン!」
5人がバトルフィーバーロボに乗り込み、ヘッダーロボットとの一騎討ちが始まった。
ジャパン「クロスフィーバー!!」
バトルフィーバーロボが足から取り出した短剣「ソードフィーバー」を投げつける。
ヘッダーロボットはひるむ様子もない。
アメリカ「びくともしないわ」
ならばと電光剣を取り出すバトルフィーバーロボ。
ジャパン「電光剣・唐竹割り!!」
しかし、ヘッダーロボットは唐竹割りをも受け止める。
サタンエゴス「見たか! ヘッダーロボは不死身だ!」
鉄山「バトルフィーバーパワー!!」
鉄山が慌てずに指令室コンピューターのダイヤルを操作。
出力を最大にした電光剣がヘッダーロボットを切り捨てる。
胴から真っ二つに斬り裂かれて大爆発を遂げるヘッダーロボット。
ジャパン「やった!」
エゴス本部では、今度こそ完全にヘッダーが死んでしまった悲しみにサロメとカットマンたちが泣き濡れている。
サタンエゴス「泣くな! エゴスは勝つ。必ず勝ってみせる!!」
ビッグベイザー指令室──
正夫「しかし…… すごい執念でしたね、ヘッダー指揮官」
鉄山「敵ながらあっぱれだった。恐るべき執念だ」
京介「それにしても、九ちゃんの凍結光線にはびっくりしたな」
マリア「見直したわ、九ちゃん」
九太郎「けにあハマヌケ! 目玉ニ気ヲ付ケロッテ言ッタノニ!」
正論を言われて四郎が土下座する。
四郎「恐れ入りました、九太郎殿!」
それを笑って見るバトルフィーバー隊の面々。
ヘッダー怪人はようやく倒した。 だが、次のエゴスの戦略を警戒する 鉄山将軍であった。
がんばれ、バトルフィーバー!!
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最終更新:2024年05月29日 14:35