セイモールン王国

数百年程前に西ギールシクリヒト大陸に存在した都市国家。
サキュバスの女王が都市を占拠し、魅了によって人間や魔物を奴隷にしていたらしい。

そんな国であったが、僅か五年で滅亡する事になる。

ある日、この街に冒険者がやって来た。
たまたま来たのか、それとも女王を討ちに来たのかは分からない。
この冒険者は街に入るなり、なんと淫魔達を次々に殺し始めたのである。

淫魔達は逃げ惑い、中には『魅了』を掛けて支配してやろうという者も居たのがその魅了が全くと通用しない。
それでも淫魔達はこの冒険者は単に魅了に対して強い耐性があるだけなのだろうと考え躍起になった。

だが淫魔達の行動はやるだけ無駄であった。
実はこの冒険者、しっかりと魅了に掛かっていたのである。
それはこの男が愛する者ほど傷つけずにはおれず、性的興奮を覚え、そして殺す度に絶頂する“異常者”であったのだ。

深く魅了する程に興奮は際限なく上がり続け、結果として『大虐殺』が発生した。
戦えば容赦なく殺す。逃げたら愛の執念で追い詰め殺す。隠れても淫魔の発する魅了魔法の芳香に一直線に向かって行って殺す。

そしてこの地に居たほぼ全ての淫魔が死に絶え、この国は終了したのである。


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最終更新:2024年08月16日 22:29