ハジマリの街で冒険者登録してから数年経つが、
冒険者ランクはずっとDランク。
大きな冒険には出ようとせず、低ランクのクエストで日銭を稼いでその日暮らしを続けている。
その為か、所属しているギルドの他の冒険者からの評価は低め。
しかしある日、ギルドにやって来た彼は顔に多数の傷を負いながらも、悪魔
チャクラムーンを倒した証である『
月輪のチャクラム』を所持していた。
どういう経緯で手に入れたかは本人は話をはぐらかして語ろうとしなかったが、『実は悪魔を倒せるだけの実力があったのか』と周囲からは見る目が変わったという。
【実態】
ある日の簡単な薬草採取の帰り道、夜の山道で不幸にも悪魔チャクラムーンに遭遇してしまう。
一度は死を覚悟するも、
チャクラムが投げられた瞬間に姿勢を低くしてやけくそのタックルを敢行。
これが運良く決まり、突然の反撃に焦ったチャクラムーンは投げたチャクラムを引き戻して両断しようと試みる。
だが刃が当たる直前、偶然にもユーリは足を縺れさせて転倒。
その結果、チャクラムーンは戻って来た自分のチャクラムによって自らの首を刎ね飛す事に。
転倒した勢いで思い切り顔面を地面にぶつけ鼻血と擦り傷だらけで起き上がったユーリが見たのは、消滅していく悪魔の死体と、自身を新たな主と認め傍を浮遊するチャクラム。
運と偶然が重なった結果とは言え、こうしてしがない低ランク冒険者は悪魔を倒し月輪のチャクラムを手に入れたのだった。
この一件以降、本人もある程度自分に自信がついたらしく、チャクラムを手に少しづつ大きなクエストに参加する姿が見られるようになったという。
最近の口癖は『死ぬ気でやれば、なんとかなるさ』。
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最終更新:2024年01月04日 15:06