ファシマ・マーヨッキの講義の書き起こし

何故、冒険者である自分達が薬師の私から応急措置や薬草講義を教わらなければいけないのか、手早く薬を使えばいいのでは、という事ですか?

いい質問ですね。
それは非常に簡単な答えで済ませられます。

死なない為、の一言に尽きます。

私がこの講義を行う理由は、あなた達冒険者も傷や病を癒す方法も知っておく必要があると知っているからです。
それをあなた達駆け出し冒険者に気付いてもらう為に、ギルドの要請でこの場に居ます。

確かに薬、癒しの力を持つポーションを使えば軽い怪我や病程度なら一瞬で治るでしょう。
ですがそのポーションはいつも貴方達の道具袋に入っているとは限りません。
街や村から出て、街道や野原を歩いている時点で薬を売っている店に駆け込む事は不可能です。
そうなれば、もしもの時に頼れるのは自分自身。或いは身近な仲間のみという事になります。

、あるいは魔道具等の乗り物の力を借りて戻ればいいと安易な考えを持つ者もいるでしょう。
ですが訓練のときを思い出してください。それらは乗る際にもそれなりの体力や気力が必要であると言う事を。
例えば毒を持つ魔物に襲われ、身体に毒が回っていたとしても、彼らを乗りこなせる事が出来ますか?
風邪等をひいた際を思い出せば、自ずとその答えは出るでしょう。

長くなってしまいましたが、とにかく私の伝えたい事は、最初に言った通りあなた達自身で窮地を切り抜けられるようになって欲しいという事です。

薬なんて自分自身で作れるのか、と思う方も多いはずです。
心配はいりません。本格的なものでなく、応急的なものであれば野外にあるありふれた材料と簡単な調合で作れます。
ま、話すよりやってみる方がわかりやすいでしょう。それでは実践に入りましょう。

ファシマ・マーヨッキの講義の書き起こしより


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最終更新:2022年08月05日 16:20