元々は白壁北方の荒れ地において、開拓地と幾つかの荘園の管理を任されていた荘管一家の娘。
常に荘園で働く人々や開拓民達の暮らしにも気を配り、困り事があれば解決の為の支援を惜しまなかったとの事。
心根の優しい人物であると同時に武勇にも優れ、魔物や盗賊の襲撃には自ら武器を手に取り先頭で戦ったと記録に残されている。
そんなある日、偶然とはいえ身分を隠して各地を視察する帝国代官一行を魔物の襲撃から守った事でその名が皇帝の耳に入り興味を持たれる事に。
そして魔物から臣民を守るその気概が帝国に相応しい人物であるとして騎士の位を与え、帝都に赴き仕えるべしとの勅令が書かれた書面が彼女の下に届けられた。
だが当のウルリーケは皇帝からの勅令書を持ってきた使者に対し、この地を管理し守る役割を放棄する訳にはいかないとこれを辞退。
説得にも頑なに応じず使者を帰すも、なんと次は視察名目で皇帝本人がやって来たのである。
これには流石の彼女も平身低頭で迎えるしかなく、それでも生まれた時から開拓と共に育ったこの地の為に働きたいと懇願。
皇帝に対する無礼に打ち首すら覚悟したウルリーケではあるが、当の皇帝はひとしきり笑った後にウルリーケの手を取ると『ならば我が配下としてこの地を治める領主となるが良い』と言い放ったのだ。
もはや断る事など出来る筈もなく…。
こうしてウルリーケは新たな貴族として叙される事となったのである。
以降は領地経営を行いながら、遠いとはいえ皇帝の血筋に列なる者と結婚。
そして跡取りとなる子供達を厳しく育て上げ、その全てを軍へと入れさせた。
これ以降、子息を軍に入れる事がシュヴァルツェカッツェ家の伝統の1つとなっている。
関連
最終更新:2024年06月02日 22:28