「−DUO−存在の証 2− 」
作者:本スレ 1-710様
13 :−DUO−存在の証 2−:2011/06/19(日) 17:39:27
本スレ710です。
遅くなりましたが、祝!wiki開設ってことで、SSを投下
・青年×少年で、サイキックファンタジー風味
・一応、
710 の続き?な感じ
・エロあり、当て馬注意
・SSにしてはストーリが長いよ!
という感じですが、よろしかったらどうぞ
創作物投下スレとこちらと、どちらに投下するか迷ったんですが、
どなたかに創作していただけると良いかなと思い、こちらに投下することにしました
SSでもイラストでも何でもOKですので、よろしければ、適当にいじってやってください
14 :−DUO−存在の証 2−:2011/06/19(日) 17:42:48
「ぅ……あ、あぁっ!」
先程から執拗に責め続けられている所為で、もう、言葉など、ろくに出てこないというの
に、こんな風に言葉にもならない、この声が止められない。
少年は、監禁されてから、もう数週間が経過しているであろう、この部屋のベッドの上で、
自分自身が見上げた視線の先に映る、いつもの見覚えのある姿の青年に、組み敷かれたそ
の体勢のまま、途切れていきそうな意識の中で、そう思った。
それでも、ここで、この声さえも押し殺してしまえば、今、相手から受けているこの行為
は増々長引くことになるだろう。だから、これで良いんだ。
「……うっ、あ! ……い……っ、あぁぁ!!」
少年は、そう思いながら、無意識のうちに、まるで小さな子供がするように、嫌々と小さ
く首を左右に振って、短く整えられた空色の髪を振り乱し、再び艶めいた声をあげた。
「エル……いや、EL-SION- TYPE-α1、また感じているね。
……ほら、君のココは、もう、充分に俺の指を締め付けてるよ」
「……っ、や……う、あぁ!」
エルと呼ばれた少年は、ほんの少しだけ、仰け反るようにして、再び与えられはじめた、
身体の中心が融けていくような、熱く疼く、痛烈な感覚に耐える。
それは、先程から、エルの身体の最奥のあの場所で、青年の指が数本、容赦なく繰り返し
抜き差しされることによって、与えられてきたものだ。
たった今、エルの眼の前で、微笑みを浮かべながら言葉をかけてきた、この青年からの行
為が繰り返されるその度に、エル自身が、自分の身体に感じている、熱く疼く、あの感覚
の熱量が増していく。
「っは、や……ぁ!」
先程から、もう、ずっと、同じような行為を繰り返されることによって、一番感じやすく
なっている内壁のその部分を複数の指で丁寧に何度も擦り上げられ、その都度、それだけ
で、意識が飛びそうになる。
それでも、そんな状況に至っても、今の彼には、まだ、意識を無くすことなど、許されて
はいない。
「エル……そんなに気持ち良いのか?」
「う、ぁあっ!! ……β2、β2!!」
その最奥の場所へと侵入する指の本数を更に増やされ、掻き廻されるようにして、かつ、
先程よりも早いペースで突き上げられた瞬間、エルは、目の前の青年の名を呼びながら、
相手の背中にしがみ付くようにして、自らの腕を伸ばした。
その声に呼応するように、β2と呼ばれた青年は、空いていたもう片方の腕で、エルの少
年らしさを残すしなやかな身体を抱き起こすようにしながら、耳元で囁きかける。
「俺はβ2じゃないよ、エル、ほら……
俺のことを、AL-SION- TYPE-β1との、あの時と同じように、シオンと呼ぶんだ」
「……嫌だ! アンタは違う!! ……アイツじゃない、だから、嫌……う、あぁっ!!」
余計に酷くされると解っているのに、エルの口から、途切れそうな声で、そう告げられた
瞬間、青年の指が、エル自身が耳を覆いたくなるような、卑猥な水音をたてながら、未だ
に狭い、エルその場所の更に最奥に向かって、無理矢理かつ、性急に押し広げるような動
きを伴い、強く突き立てられる。
それと同時に、青年は、エルの柔らかな首筋に強く、強く、痕が残るように口付けた。
「ああっ!! ……いっ……痛……君は、違う! ……β2……っ、あぁっ!!」
エルは、彼を抱き起こしたシオンと同じ容姿を持つ青年−自らが、β2と呼んだその青年
の肩へと自らの両腕を廻しながら、再びβ2の言葉を否定した。
そうなのだ、今、エルの目の前に居るこの青年は、エル自身が最も大切に想う存在として、
想いを寄せていた、シオン、その人ではない。
目の前のその青年は、シオンと同じく、青銀の瞳と流れるようなプラチナブロンドを持つ
その容姿を備えており、ほんの少しの点を除けば、シオンと違うところなど、何一つ、見
当たらないのだが。
彼がシオンと異なる点と言えば、シオン自身が目立つからと言って、短く切りそろえたプ
ラチナブロンドの髪が、背中まで届く程に長く、シオンが研究所に居た当時、そのままの
容姿を留めていることと、その彫像のような裸身の左側の腰に、β2の文字が小さく刻印
されていることだけだ。
しかし、彼、β2には、その見た目がシオンとほぼ、等しいにもかかわらず、大きく異な
る点があった。
それは、β2の意識が、その創造主によって、彼、β2自身が、シオンを超えた、または、
シオンに代わる存在となることを目的とするように、それをあらゆる行動基軸の1つとし
て判断するよう、彼の意識への定義が後付けで、追加されている点にあった。
だからこそ、彼、β2は、エルのことを殺しはしなかった。
β2は、エルを捕えて厳重な警備網を引いたこの部屋へと監禁した後に、エル自身の口か
ら、自らが望む返答がなされることを求めて、この場所へと訪れる許可を得た、その都度、
エルに対して、こうした行為を求めるようになっていた。
「……β2……も……やだ……止め……」
β2は、シオンではない。
β2の想いを否定すれば、否定する程に、彼から受けるこの行為は、熱を帯びる。
そんなことは、エル自身も、もう、十分に解っていたが、他の事を全て受け入れたとして
も、この事実だけは、曲げたく無かった。
それに、エル自身の方も、本来ならば、例え、この場所から脱出することが難しくとも、
自らの命を絶つか、β2を殺す程度なら、機会を窺った上で実行に移すなど、造作も無か
った。
それでも、エルがそうしなかったのは、β2のことを、自分自身と同じ立場である、人工
生命体の1人として、認めていたからだ。
後付けで彼の意識に無理矢理にも近しい形で、新たな思考パターンの定義が加えられてい
ることを考えれば、β2の置かれている状況は、自分よりも相当に酷いものだ。
それ思うと、エルは、β2に与えられているこの定義の一部を除き、どうしても覆してや
りたかった。
シオンと切磋琢磨するという意味で、競い合うならともかく、シオンに成り替わる事など、
決して、出来はしないし、なにより、β2そのものが、シオンとは異なる、たった1つの
個性を持った、有機生命体としての個体なのだということを彼自身に認識してほしいと思
っていたのだ。
「……んっ、あぁ……んっ、や! ……β2、もう、嫌……だ!」
先程から、もう、ずっと、自分自身の身体の奥へと繋がるあの場所で、β2の指が緩急を
付けて抜き差しをされる、その行為から受けている感覚の所為で、エルはもう殆ど、自分
の意識が保てなくなりつつあった。
それでも、彼は、目の前の相手へと自ら想いを込めて訴える。
「本当に嫌なのか、君の身体に聞こうか?」
「……っ、あぁっ!」
β2は、そう言って、自らのしなやかな指をエルの最奥へと繋がる場所から引き抜き、直
後に、エルの上半身身をベッドへと預けるように静かに降ろす。
エルは、ただ、指を引き抜かれただけなのに、こんなにも敏感な反応を返している自分の
身体の状況を思うと、明らかに感度が増している自身の身体のことを改めて直接的な形で、
今、目の前に居るこの相手から、思い知らされたような気がして、それだけで、涙を零し
そうになった。
「……っあ!」
「ほら、エル、君の身体は正直だよ。こんなにも、俺を求めている」
指を引きぬかれた代わりに、今度は、自分自身の身体の中心に在る最も敏感なあの部分に、
軽く手を添えられ、掌で包み込むようにして、触れられたエルは、ただ、それだけで、息
を詰めた。
β2は、未だにしっかりとした熱を帯びて勃ち上がったままのエルの其処を自らの掌で、
ゆっくりと扱くように擦り始める。
「……っ、は、あぁっ! ……ん! ……も、止め……ろ!」
先程よりも更に直情的な熱を帯びる、その感覚を受けても、なお、涙を零すまいとしなが
ら、切なげな表情で喘ぐエルを見つめ、β2は、満足したように微笑んだ。
そして、既に先程からエル自身の中心から少しずつ湧き上がってきている暖かな液体を指
先に絡めて、その先端をゆっくりと、焦らすように、なぞる。
「……っは、い……やだぁっ! あぁっ!!」
「俺が、欲しいだろう? エル、俺のことを、シオンと呼ぶんだ」
エルは自らの中心から背中へと這い上がっていく、熱い感覚を受けて、ベッドに敷かれた
シーツを強く握りしめながら、自身の背中を大きく仰け反らせた。
それと同時に、鋭敏すぎる反応を示したエルの様子を微笑みながら見つめていた、β2の
視線からも逃れようと、大きく首を振って、顔を叛ける。
こんなにも熱く激しい感覚の中に身を委ねていても、最後まで達することなど、エルには
当然のように許されていない。
β2が先程からエルの身体に対して、緩急を付けながら上手く施してきたその行為によっ
て、エルの身体の敏感なその中心部分は、常に張りつめた状態を維持したまま、半ば無理
矢理にその状況を保たされてきたのだ。
そんな状況の中で、エルは、今、目の前で相対する、この相手にさえ、一体、何処にそん
な気力が残っていたのかと、思わず、そんな印象さえ抱かせるような、強い意志をたたえ
た、鋭い視線をβ2の方へと向けると同時に、声を振り絞るようにして、相手に対して、
その言葉を告げる。
「……俺が、俺が今、欲しいのは、アンタなんだ! β2!」
「相変わらず、強情だな……」
β2は驚いたような表情で、エルを見つめていた。
そのβ2の表情を見上げていたエルは、何故だか泣きたい気持ちで、一杯になった。
それでも、それを必死に堪えようと、口元を強く結び、強い意思の宿るしっかりとした瞳
で、目の前の相手を見据えるようにして視線を返す。
目の前の少年のそんな表情を改めて眼に留めながら、β2は強く結ばれているエルの口元
へと、ゆっくりと、優しく口付けていった。
「……っあ、あ……β2……」
エルはβ2からの口付けを受けながら、不意に、今まで封じていた感情の全てが抑えきれ
なくなったかとでもいうように、その澄んだ空色の瞳から涙を零していた。
β2が欲しいと言った、自身の言葉とその気持ちに偽りなど無いが、それは、自分が、今
まで、一番大切にしてきた、いや、その筈である、シオンへの想いに対する、最大の裏切
りのような気がした。
今現在に至っても、自分は、シオンのことが、アイツが大好で、一番大切な存在だと思っ
ているのに。
この気持ちが変わる要因など、在りはしないのに、それなのに、俺は、今、β2に対して、
何を言ったんだ!
今まで、ずっと、これは、身体だけの反応だと、自分に言い聞かせてきた、これは、嘘な
んじゃないか!
俺は、β2の事も、アイツと、シオンのことと同じように、好きで、愛してるんだ!!
そう再び思い返すと、エルは自らの瞳から溢れるように零れる涙をますます止めることが
出来なくなった。その所為で、エルは、いつの間にか、自らの両手で顔を覆うようにして、
そのまま泣いていた。
彼の様子を黙って見つめていたβ2は、自らのもう片方の手を、エルが顔を覆っていた一
方の手に添えた。
β2は、その手の甲にそっと口付けると、エル自らが顔を覆っていた手を外していく。
エルの両方の手を外し終えたβ2は、涙に濡れて潤む、エルの空色の瞳の目元へと口付
けた。
目元への口付けによって、エルが一度、瞳を閉じてから、それを再び開けた瞬間、β2は、
エルだけが一番良く知る、そう、彼の最愛の青年−シオンの表情を思い出させるような、
真摯な面もちで、エルを見つめていた。
それから、ほんの少し間を開けた後で、β2は、小さな声でエルに告げた。
「エル、もう、いい……今は、もう、何も考えなくて良いから」
「……っ、う、β2……」
エルは、再び、目の前の青年−β2の名を呼びながら、その肩に自らの手を添えると、相手
からの求めに応じて、それに逆らう事なく、深い口付けを交わしていく。
こんな風に、ここまで深く、シオンと口付けを交わした事など、無い。
だから、今、自分の目の前に居るのは、β2だ。
そんなのは、解りきっていることだ。
そんな風に常に自分に言い聞かせていないと、不本意にも、大切なもう片方の相手の名前
を呼びそうになる自分が、本当に情けなくて、エルは、再び涙を零しそうになった。
β2と深く交わしていた、その口付けが外されたその瞬間にも、エルの意識は朦朧として
いて、何処か焦点が合っていなかったのだろう。
「エル、挿れるよ」
「……えっ」
だから、そう言われた瞬間、その言葉の意味をエルは捉えることができなかった。
いつの間にか大きく開かされていた自らの脚の間に、β2の身体が押し入ってくると同時
に、それは、エルの身体の内側の更に最奥に在るあの場所へと向かって、一気に貫くよう
にして、侵入していく。
「……っは、っ、あ!! ……あぁっ!!」
この部屋に収監されてから、もう、何度、β2のそれを受け入れたかさえ、解らないが、
エルの身体のその部分は、指などとは、比べ物にならない圧迫感と熱量を伴い、挿入され
るそれに馴れることは、一向に無かった。
エルは、先程と同じように、自らの背中を大きくのけ反らせながら、相手の熱い塊を一気
に受け入れていく。
自らの下肢の附根からじんわりと拡がってくる痺れにも似た痛みと、β2のそれを一気に
差し入れられ、相手の熱を受けて、更に潤むあの場所を一杯に満たしていく、内壁に感じ
る熱く疼くような感覚が、今、エルの心が感じている全ての出来事を塗りつぶしていった。
そして、エルは、自分自身が、それを感じるだけで、精一杯になっていく。
他のことなど、何も考えられない。
それでもエルは、ただ、その痛みと、与えられる快楽の全てに、自らの意識を傾けていた
かった。他のことなど、もう何も、考えたくは無かった。
「……っは、あっ、あぁ!! ……β2、い、や……だ!」
「……っ、俺の……何が、嫌なんだ……」
先程とは異なり、自らのものを苦しげな表情で受け入れたエルのことを気遣い、β2は、
一旦、自らの動きを止めた。エルの身体を不用意に傷つけるのは、本意では無いからだ。
動きを止めているにもかかわらず、エルの其処は、更に温かく心地良く潤むような熱をも
って、β2のそれを無意識に締め付けていく。
「……くっ、あぁっ、エル? ……どうして……」
「……動いて……いいから……もっと、アンタを感じたいから……」
「君の望みどおりに」
エルのその言葉を聞くと、β2はエルの額へと軽く口付けた。
それから、開かせていたエルの脚を自らの胸元の方へと抱え込むようにすると、自分自身
を先程よりも深く、エルの最奥へと打ち込んでいく。
先程よりも強い、その動作に合わせて、β2の熱いそれが自分自身の内側の最も敏感な部
分へと繰り返し突き当てられる度に、エル自身の身体が揺すぶられていく。
そして、エルの其処は、更なる熱を帯びながら、内側に差し入れられるβ2の熱い楔の先
走りを受け、先程よりもより一層、熱く潤み、濡れた音を立てて、抜き差しされるその度
に、受け入れているものをより強く締め付ける。
「……く……あっ! まだだよ、エル、君は、今、誰に抱かれている?」
「あっ、あぁっ!! ……も……いっ、あっ!! 」
β2は、エルの身体が絶頂に近づきつつあることを理解していたが、だからこそ、彼にも
う一度、その問いを投げかけた。
その問いの返事を聞くために、β2は、エルの腰を支えていた片方の手を外すと、シーツ
を強く掴んでいるエルの華奢にも思える一方の手首の方ヘと自らの手をそのまま滑らせる。
そして、自らの手でエルの手首を掴んだままの彼の頭上へと上げさせ、そのまま、ベッド
の上に、押しとどめるように、自らの腕力をもって、エルの手首を固定した。
「あっ、や! ……β2、もう……だ、め……!!」
「エル、君の答えが欲しい」
エルは耳元で囁かれたその言葉と、彼の腰の奥から伝わってくる、熱を帯びた感覚に意識
を飛ばしそうになり、しどけない様子をβ2へと晒しながら、首を左右に小さく振った。
その度に、短く整えられたエルの空色の髪が乱れ、揺れた。
「……っや、あぁっ!!」
空色の潤んだ瞳に涙を一杯に溜めながら、エルは、β2の背中へとしがみ付くように廻し
た反対側の腕に込める力を一層強くしていた。
もう、自分のこの想いさえも、容易くは言葉にならない。
俺は、こんな風に激しく、シオンに抱かれた事など、一度も無い。
俺と、シオンは、こんな風に最後までしたことなど、無かった。
シオンは、いつか君がその気になってからで良いよと、微笑みながら待っていてくれたの
だから。
だから、これは、β2だ、俺には、解っている。
俺の想いをこんな風に受け止めて、この激しい想いを共有して、
俺の全てを奪い尽くすように抱いてくれるのは、β2、アンタしか居ないから。
「っあ! ……いや……だよ、β2、俺は、今、アンタに、アンタに抱かれているんだ!!」
エルは、涙と艶めいた吐息を零しながら、やっとの想いで、その言葉をβ2へと告げた。
その言葉を聞いたβ2は、自らの両腕で、エルの身体を手繰り寄せ、その華奢な腰を再び
ベッドから少し浮かせるようにして、強く抱き締めた。
「ならいい。今は、俺が、俺が君を抱いているんだ。エル……好きだ、愛している」
そして、β2は、エルの肩越しで、囁くようにして、そう言うと同時に、エルの最奥へと
自らの腰を再び突き入れる。
それに呼応するように、エルの身体が、その最初の衝撃に僅かに跳ねた。
それから、エル自身の内側がβ2のそれを受け入れ、互いが、再び熱い感覚に満たされて
いく。
「……ぅあ! ……β2、β2!!」
「……っ、エル!」
エルは、自らの身体で感じ続けている、この身体の芯から熱く灼けていくような感覚にう
かされながら、ただ、純粋に、今、目の前に存在している相手のことだけを求めるように、
β2の名を呼んだ。
それと同時に、エルは、内側の最も敏感な部分へと幾度か突き付き当てられると、その度
に、しなやかな背中を仰け反らせながら、先程よりも更に鋭敏な反応を返していく。
β2は、それに応じるように、エルの名を呼び、彼のしなやかな身体を再び強く抱きしめ
てやる。
「……β2、やっ、あぁっ! ……も……い、ふ、あぁっ!!」
「……エル!!……っ、くぅ、う……っ!! 」
エルは、片方の腕をβ2の背中へと廻したまま、自らの背中を反らせながら、今まで抑え
てきた自らの中心に籠る熱を解き放った。
そうして、エルが果てたことを見届けたβ2は、自らの熱い迸りをエルの奥深くへと、叩
きつけるように放つ。
自らの内側の奥深くへと、それが放たれた瞬間、エルは、身体を震わせて、小さく喘ぐと、
意識を手放した。
β2は、意識を失ったエルの身体から自らの萎えたものを引き抜くと、エルの額へと軽く
口付けてから、自らの身体をベッドから起こした。
それから、ベッド縁へと腰掛けて、意識を失ったままでいるエルの身体へと、手近にあっ
たタオルケットをかけてから、彼の頬を軽く叩いて呼びかける。
「エル、大丈夫か? 大丈夫なら、シャワールームに連れて行くけど?」
「……あ……うん……β2、頼む……」
普段よりも幾分激しかった行為の所為で、未だに意識がしっかりとは覚醒していない所為
か、エルの返事の切り返しは、いつもよりも若干遅れてなされた気がした。
それでも、エルは、いつも、行為の最中も、そしてその事後も、もう一人の最愛の存在―
―自分と容姿が全く同じ青年――AL-SION- TYPE-β1、シオンの名を呼ぶことは、決して
無かった。
あれ程に、エル自身が焦がれる程に愛している、その存在と同じ容姿をした自分のことを
無意識のうちに呼び間違えることなど、この状況下にあれば、起こしそうだとも思うが、
エル自身は、決してそれをすることが無かった。
だからこそ、β2自身にとっても、エルは、特別な存在となっていったのだろうとも思う。
β2は、いつものようにエルの身体を先程かけたタオルケットに包んだまま、抱きかかえ、
ベッドの上から運びあげた。
そうして、エルをシャワールームへと運ぶのは、エル自身が、この行為の終わった後に、
そのままの状態で眠るのをとても嫌がるからで、これもいつしか、彼の役目になっていた。
思い起こせば、始めのうちは、エルは頑なに意地を張って、ふらつきながらも自分自身で、
シャワールームへと向かい、自らの身を清めていた。
だが、それをいつしかβ2に預けるようになっていった頃から、β2自身にとっても、二
人の関係性が変わってきたように感じていた。
だから、どんなに、彼の意識が保ちそうにないと思っても、β2は、必ず、彼の意向を聞
くようにしていたし、彼のそうした意識をできるだけ尊重してやりたいと思った。
β2は、そうして、いつものように未だに、歩くことなどできる状況には無い、エルの身
体をシャワールームへと抱えていった。
願わくば、エルが自らの傍に居てくれる、この日々が少しでも長く続いてくれるようにと
祈りながら。
【END】
エロはやっぱ難しいですね
相変わらず、描き馴れてなくて、ごめん
最終更新:2012年09月04日 16:03