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「Tender-hearted」


作者:本スレ 1-510様

235 名前:1-510 投稿日: 2013/05/04(土) 18:03:28

1-510ですこんちは!
また性懲りもなく自キャラでSS書いてみました
ちょっとアレな話になっちゃったのでロダに投下させてもらいますねー

1-510 シエン×カイ(元設定の厨ファンタジー戦争もの)
※監禁拘束強姦のようなエロ有り(ただし期待は禁物)
※割と病んでて暗い話
※背景に人死に有り
※厨設定故に無駄にややこしい背景事情がありますが適当にお察しください(…)

苦手な方はスルーしてやってくださいませ申し訳ないです

235 名前:1-510 投稿日: 2013/05/04(土) 18:03:28

Tender-hearted

聖王国解放軍の本拠地は、日差しが厳しく干涸らびた荒野に存在する。
遮蔽する地形は全く存在せず、住むにあたっても軍拠点の立地としても劣悪としか言い様のない土地だ。
しかし聖王国勢は、帝国の侵略を受けて祖国を追われ、教国の土地を間借りさせてもらっている立場にある。
なので余り贅沢も言っていられない。
国土の約半分が砂漠である教国のこと、砂漠のど真ん中を宛がわれたとしても不思議ではないし、文句も言えないのだ。
肩身狭くも「祖国奪還」の志を胸に抱き、刃を磨く日々を送る聖王国の生き残りたち。
その中に紛れ込むようにして加わっている2人の異邦人がいる。
シエンとカイだ。

「いやー暑い!暑いね、カイ!」
「そうだな…」

炎天下の中、2人はダクダクと滝のように汗を流しながらスコップでひたすら土を掘っている。
10人が見れば10人が「げんなりしている」と評するであろう表情をしているカイは、
すぐ傍で楽しそうに作業を続けているシエンの元気さが不思議でならない。
……今現在、2人が何をやっているのかというと、井戸掘りである。
何故井戸を掘る羽目に陥ったかというと、シエンが挙手したせいだった。
曰く、『井戸掘り?何ソレ面白そう!』……付き合わされるカイにとっては堪らない話だ。
そもそも解放軍でも、この井戸掘り作業は規則を破った者が行う罰のような奉仕活動で、
井戸を掘るのも「もう少し井戸が多い方が街のお年寄りの生活には便利だろう」程度の必要性でしかないという。
全くの無駄というわけではないが、差し迫って行う必要のない労働に、何故自ら志願してまで取り組まなくてはならないのか。
そう思いながら、「カイも一緒にやろう!」と無邪気な笑みを向けてくるシエンを無碍に出来なかったのはカイの落ち度。
地下水脈に悪影響を及ぼす危険があるという事で、地道な手作業で掘るしかないらしいのがまた辛い。
この国における水資源の貴重さを考えると、無理からぬ話ではあるのだが。
じりじりと焼け付くような日差しは容赦なく2人に降り注ぐ。
とにかく暑い。
母国の夏でもこれほどの暑さは経験したことがないというのに、今はまだ初夏だという。
本格的な夏を迎える前に、国に帰りたいな…とカイは切実に思う。
しかし一方で、シエンは初めて経験する暑さと初めて経験する作業に、一層テンションを上げている様子。
ニコニコ顔でせっせと土を掘っている。

「こんなに暑いとさ、水が出た時の喜びもヒトシオってやつだよなー」
「…うまく水が出ればな…」
「出るって!多分!」
「君の言う事は、毎回根拠がないじゃないか…」

そうなのだ。
根拠がない上に脈絡もない言動が多すぎる。
今までもそれに振り回されるようにして転々と旅をし、色んなトラブルに巻き込まれてきた。
カイはいい加減辟易していながらも、しかしシエンの傍からは離れられない。
嫌いではない、というのはある。
それもあるが、それよりも何よりも騎士として命じられた任務だからだ。
どんな任務も全力を尽くして全うするのがカイが幼い頃から憧れた理想の騎士の姿であるし、それに。
騎士の叙勲を受けた時、母は「立派ね」と言って笑ってくれた。
貧しい暮らしの中、自分の夢を後押ししてくれた母。そうしてとうとう身体を壊してしまった母。
母の傍には兄弟たちが付いてくれている。
だから自分は今、騎士として出来ることを精一杯やらなければ、と思う。
シエンとの旅立ちの日に母から言われた通り、それが何よりの恩返しになると、そう信じるしかない。
……とはいえ、まさか母も騎士となった長男が、遠い異国の地で井戸掘りをする羽目になるとは思わなかっただろうが。
そんなカイの心境など知る由もないのだろう、シエンはからりとした笑顔を満面に浮かべている。

「だってさ、出ないと思いながら掘るより、出ると思って掘った方が楽しいじゃん?」
「そもそも、私たちが掘る必要は無いんだけどな…」
「3番地のおばあちゃん、井戸が遠くて水汲みがツラそうなんだ。腰が痛いんだって」
「………」

そういう、知らなければ知らないで済んだ事実を言うのは止めてほしい。
心に刺さってしまうじゃないか。

「ここに井戸が出来たら、おばあちゃん喜ぶだろうなー」
「……そうだな」

結局、カイは掘らざるを得ない。
3番地に住んでいる老婦人の事は、カイも知っている。
柔らかな雰囲気の、品の良い女性だ。時折飲物を差し入れてくれる事もある。
そんな優しい老婦人が困っていると聞いてしまっては、もう文句も言っていられない。
それに。
……どうせ、いつかはここを出る。
行き当たりばったりの旅を続けて、いつの間にか解放軍の世話になっている現状であるが。
それでもシエンの気が済んだら、2人で公国に帰るのだ。
帝国と解放軍の争いが激化する、その前に。
無事に井戸を掘り終えれば良い置き土産になるだろうし、シエンの気が済む可能性もある。
そしてシエンを連れて国に帰れば、自分の任務はひとまず終わりだ。
…その後、シエンがどうなるか。
解放軍の面々はどうなるか。
そういったことは、考えても気が滅入るだけ。
冷たい人間だと、自分でも思うけれど……自分に、何が出来るというのだろう。
厳しい顔でスコップを握る手に一層力を込めるカイを、シエンは嬉しそうに見つめる。

「カイって、優しいよな」
「全然優しくない。……おばあさんの事も知らなかったし。優しいのは君の方だ」
「ううん。カイは優しいよ。だからオレ、カイのこと好きなんだ。ずっと一緒にいたいって思う」
「シエン?いきなり、どうしたんだ?」
「うん。あのさ。もし、ここに水が出たらさ…」

スコップを土に突き立てて、シエンはカイに向き直る。
その表情が思いかけず真剣だったので、カイも何となく手を止めて姿勢を正してしまう。
真っ直ぐに向けられる強い視線に、思わずたじろぐ。

「水が出たら…?」
「…………やっぱ何でもない!」

にへ、と顔を崩して、シエンは笑った。
そして「さぁ掘ろう!」と声を高らかに上げて再びスコップを手にとり、土を掻き出しては穴の外へ放る。
(今のは、何だったんだろう)
胸がざわめくような動揺を抑えながら、とりあえずカイもスコップを手に取る。
シエンは既に何でもないような顔をしているので、追求するのも憚られた。
そうして2人で丸1日掘り続け。
翌日も、その翌日も。
時折手伝ってくれる人も現れながら、力を合わせて掘り続け。
結局……水は出ない内に戦渦は2人の前に迫り来て、怒濤の波に襲われて。
押し流されるようにして、そのまま。

 ※

「なんてこともあったよなー…カイは、覚えてる…?」
「…んっ…あ…っ…」

ぐちゅり、と淫猥な音が響く。
ベッドの上。
閉め切られた部屋。
饐えた臭いに混じって、甘い香りが濃厚に漂っている淀んだ空気。
カイは、随分と長い間ここにいる。そんな気がしているだけかもしれない。
手首が痛い。腕が動かせない。拘束されている。動かない。腕だけじゃない。
足も、身体も。重くて、怠くて。何故だろう。
どうして、こうなったんだっけ。思い出せない。でもどうでもいい。
どうでもいいから、とにかくこれを止めてほしい。
股の間、その奥に得も言われぬ感覚。濡れてる。何かが入り込んでいる。熱い何かが。シエンが。
シエンの、性器が。そんなところに。正面から貫かれてる。犯されてる。どうして。
頭がぼんやりして、あまり考えられない。
ぐちゅぐちゅと水音が響くたびにソコが熱さを伴って疼く。
痛くて、気持ち悪くて、気持ち良くて、苦しい。

「っ…もぅ、や…ああ…っ」
「オレさ、あの時…何て言おうとしたんだと思う…?」
「あっ…!」

シエンの手が、胸に伸びる。乳首が、弄られる。
こりこりと捏ねられて、ムズムズするような感覚。下半身に直結するみたいな刺激。
つい咥え込まされた所に力を込めてしまって、一層堪らない。入ってる塊の形が分かる。
また熱が生まれる。痛みじゃない何かが内側から染み出る。嫌だ。そんなところで感じたくないのに。気持ち良い。どうして。
堪らなくて腰を捻ると、シエンが笑った。笑われた。恥ずかしい。見るな。嫌だ。嫌だ。嫌だ。
でも、恥ずかさを感じる以上に、焦がれてしまう。もっとしてほしい。そこじゃなくて下を、性器を、触ってほしい。
強く扱きたい。イきたい。解放されたい。でも腕が動かないんだ。シエン。

「カイ、ちゃんと聞いてる…?オレの話…」
「っ…んっ…聞いて、る、…聞いてる、から…っ」
「……ウソツキ。信じない。カイのことなんか」
「ぁああっ!」

ズグン、と異物が体内で暴れる。腹の内壁を強く突かれた。背筋がゾクゾクする。目の前がチカチカする。
シエン、シエン、シエン。止めてくれ。もう嫌だ。中は嫌だ。苦しい。おかしくなる。
何て言っているのか自分でも分からない。とにかく止めてほしいと訴えている気がする。
でもシエンは止めてくれない。
体内を熱くて固い肉棒の感触が行き来する。何度も。何度も。ぐちゅぐちゅと掻き混ぜられてる音がする。
シエンの荒い息づかいも。自分のも混じってるかもしれない。声もする。聞きたくない声。自分のはしたない声。
貫かれる勢いがエスカレートして、シエンが小さく声を上げる。
一際奥の方を突いて、そのまま留められる肉棒。ビクビク震えてる。熱い液体が腹の中を濡らしてる。奥に染みていくのが分かる。
中で、出されてる。精液が。腹の中に。
そう思ったら、頭がどうにかなりそうになった。1人で、好き勝手に私を使って射精されて。
ずるいと思った。私だって、イキたいのに。イきたいのに、イきたいのに!
訴えてもシエンは息を整えながら笑ってるだけだ。こんな時にニコニコと、嬉しそうな顔。
その指が、胸から下腹へ、下腹から胸へ、線を辿るように往復する。時折乳首を掠められる。感触が些細過ぎて、堪らない。
違う、足りない、もっと、もっと。核心に、欲しいのに。
シエンの性器は柔らかく濡れたまま腹の中に収められてる。じわじわとした快感を全身に溜め続ける。
なのにどこにも行き場がない。イきたいのにイけない。触ってもらえないから。どうして。どうして触ってくれないんだろう。
シエンはイったくせに。私の中に出したくせに。ずるい。意地悪だ。シエンは意地悪だ。

「意地悪…オレが?っ…何で…?」
「って…だって…ぁっ…さ、触ってくれない…っ」
「触ってるじゃん…ほら」
「んっ…や、そこ…は、ちが…ぁっ」
「乳首、好きなくせに。分かってるんだろ…?ここ弄ると、腰……揺れてるし。やらしーんだ」
「あ、あああ…っ」
「ココも、全然触ってないのに勃ってるしさ……すごい、濡れてる。
 カイは、乳首とお尻で気持ちイイんだ。変態だね……」

違う。違う違う違う。だって、シエンが。シエンが悪い。全部、シエンが。シエンのせいじゃないか。
シエンは、楽しんでる。私を犯して、苦しめて、酷い事を言って。何で。どうして。
私が何したっていうんだ。私が何を……私は、……何を、したんだっけ……シエンに、何を……

「しえ、しえん……」
「…そんな顔したって、駄目だよ。許さない。
 だってさ、カイはオレを…みんなを、裏切ったんだ。
 みんな、カイのこと好きだったのに。信じてたのに」
「あ……」

言われて、頭に冷水を掛けられたような心地がした。
痺れた脳裏に、じわじわと甦る。シエンの事。私のこと。みんなのこと。
私は、シエンを…皆を、裏切った……そうだ。戦争が起こって。
……国から、命令を受けて……逆らったら、母が…家族が……
だから、私は。だから、皆は……シエンは……

「カイのせいで、人が沢山死んだんだ。みんな、良い人だったのに。
 あのおばあちゃんも死んじゃったよ。逃げ遅れて、殺されちゃったんだって。
 知ってる?あの後さ、水が出たんだ。カイが裏切った後。おばあちゃんが死んじゃった後。あの街を取り返した後。
 知らないよな。カイはいなかったんだから。
 掘ってみたら、出たんだ。水汲み、楽に出来るようになったのに。おばあちゃんはもういない。
 カイのせいだ。カイなんか、いっぱい苦しめばいいんだ。いっぱい苦しめてやるんだ」
「あ、あ……」

強く、腰を打ち付けられる。何度も繰り返し、終わりなんてないみたいに。
でも痛くない。昂りもない。どろどろに溶けたそこに、柔らかいシエンのが潜り込むだけ。
でも痛い。心が痛い。もう止めたらいいのに。シエンは止めない。止められないんだろう。憎くて。悲しくて。
可哀相に。私が、私が悪い。私のせいで。
首にシエンの両手が掛けられる。でも力は込められない。絞めたって良いのに。
憎いまま、悲しいまま、殺してしまえばいいのに。それで気持ちが少しでも晴れるなら。
でも、手はそこに置かれたまま。
まるで生きてる脈を感じたいだけみたいに。そっと。子供みたいに暖かい、その手。

「許さない。許せないよ。だけど、カイのこと嫌えない。みんなそうだよ。……知ってるんだ。
 カイも辛かった事。ずっと迷ってた事。お母さんが死んじゃった事。オレたちが、何もしてあげられなかった事。
 知ってて、でも、オレは……それでも。許したくない。だって、みんな帰ってこないんだ。死んじゃったんだ。
 カイ。戻ってきてくれてありがとう。嬉しい。これからはずっとオレの傍にいて。
 死なないで。我慢して。いっぱい苦しんで見せてよ。そしたらオレ、いつかは許せるから。きっと。いつか。
 だから、その時は」

 オレの事も、許してよ。
 今カイを苦しめてるオレを。
 おばあちゃんを、みんなを守れなかったオレを。
 許して。許してよ。カイ。

そう言ったシエンの顔が、見えない。視界がぼやけてる。私は泣いてる。多分、シエンも。
シエン。明るく笑ってたシエン。優しいシエン…
込み上げる嗚咽で、息が詰まる。苦しい。意識が遠くなる。
気を失ったら多分、私はまた何が何だか分からなくなる。
そうなる前にと思うのに。
どうしてこの腕は動かない?
今、この腕でシエンを抱き締めてやりたいのに。
抱き締めて、言ってやりたいのに。
君は何も悪くないと。
悪いのは私だからと。
シエン。
私のことなんて、許さなくていい。
だから、どうか、この腕を。

END

おばあちゃん生存ルートでこの話は無しになります、ぶっちゃけエロ描きたいだけルートです(´・ω・`)
言葉責め&焦らしプレイ好きですもっとねちっこくやりたかった…!




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最終更新:2013年05月04日 20:16