第3話 「奪われた槍」 2

378 : ◆hrBR6tpC7Y:2011/06/29(水) 00:14:52
【伊豆基地・格納庫】

???(フン・・・、全員揃って外出とは呑気な連中だな。これがあの前大戦で多大な戦績を残したTEXチームだというのか・・・!?)

男はTEX-15のコックピット周りで補修に見せかけた作業を行いながら考える。先程、TEXチームが和気藹々と全員で市街にランチをしに行ったのを目撃したからである。

???(・・・ザルってレベルじゃねーぞ!?まぁ、その方が好都合だが――)

手元の端末と機体のメインコンピュータをケーブルで接続しており、何かのプログラムをインストールしていた。
そして完了を示す画面が表示される。――――DCのマークを背景に

???(・・・よし、これでこっちの槍の作業は完了だ。向こうは上手くやれよ・・・・・・)

TEX-15は登録されたパイロットにしか動かせない特殊な作りになっており、それはメーンであるバイオ・コンピューターのティータン・システムが管理しており、本来であれば外部からの改変は受け付けない作りになっている。
・・・本来の開発者が製作したプログラムであれば話しは別だが。


352 : ◆tL.I1Fkj/Y:2011/06/28(火) 00:35:29
【連邦軍伊豆基地近郊、市街地のとある一角】

時刻は午前10時半頃。市街某所に居を構える定食屋、『日ノ出食堂』
昼時と夕時には大繁盛しているこの店も、流石に今時分頃には人も疎らだ。

「まあ嵐の前の静けさ、だけどね」

そう呟きつつもテーブルを拭いているのは、タンクトップとハーフパンツに割烹着姿の一見すると14歳ほどに見える少女。
その髪色は赤く、その瞳の色は金。どちらも染料やカラコンでは出し得ない自然な色。
よく見なくてもこの日本の地では不自然と思われる色彩の少女は、ある意味この食堂にて完全にお馴染みの存在であった。
『紅白娘の偉そうな方』『エルちゃん』等と呼ばれて親しまれている存在。


それが少女の名前である。


355 :>>352の続き ◆tL.I1Fkj/Y:2011/06/28(火) 00:55:41
「エル、裏手の掃除は終わったよ……あれ? 紫亜は?」

奥の方から顔を出したのは、銀の髪と碧い瞳を持つ少女。
エルトロスと寸分違わぬ顔の造形を持つ彼女は、『紅白娘の頑張り屋な方』と称される、リュっちゃんと呼ばれる少女であった。

「お疲れ様、姉さん。まあ本当に疲れるのはこれからだけどね」

そう言って意地の悪い笑顔を向けるエルトロス。
ちなみに呼び方の通り、リュっちゃんはエルトロスの姉に当たる存在である。

「で、紫亜は食材の買い足しに行ったまままだ戻ってこないわ。全く、何処をほっつき歩いてるんだか……」

偉そうに腰を当ててそう呟くエルトロス。
しかしながらその表情には、言葉とは裏腹にやや心配げな気配が表れていた。
何かあったのではないかという物もまあ、多少はあるが……

「あの子が間に合わないと私と姉さんの負担が激増しちゃうじゃないの!」

……大部分はこんな感じの心配ではあったが。


374 : ◆FB0Vu0hpIc:2011/06/28(火) 23:52:26
――こちらは伊豆の繁華街。首都圏ほどは発展しておらず、かと言って寂れている訳でも無い無難な設備店舗が建ち並んでいる。

そこをセーラー服を着たちんまい何かがとぼとぼ歩いている。ぱっちりとした赤い瞳に赤紫色の腰まで届く髪の恐らく中学生ぐらいの幼い少女だ。
「エルちゃん先輩に色々買って来いって言われたけどさ…。こんな知る人ぞ知るって感じの老舗とかを回らなきゃいけないなんて。しかも……おもたい。主に味噌とか料理酒」
両手でしっかりと持ったエコバッグを実に重そうによいしょよいしょと運んでいる。
彼女は市街地に店を構える人気店『日ノ出食堂』の新人アルバイトである。食材が切れたという事で先輩に買い出しを頼まれたのだが、苦戦中である。
「……でも。可愛い女の子達の頼みなら頑張っちゃうよ」
そんな事を原動力にして、ちょっと徒歩で行き来するには遠かった道のりを引き返していく。
「早く戻らないとランチタイムに間に合わないよね」
その帰路で彼女、藤村紫亜は今までのごく普通の日常をブチ壊される運命的な出会いをする事になる。


370 : ◆o4yQ/QC5tg:2011/06/28(火) 23:17:59
>>352>>355
「ここじゃないですか?ほら!『ひのでしょくどう』ってかいてあります」
TEXチームの方を向いて、嬉しそうに笑う。

この休暇、チーム内の親睦を深める目的で、みんなで一緒に昼食を食べよう、という話がもちあがっった。
行く先は伊豆基地近郊の市街地にある定食屋、日の出食堂。
味が良いと評判で、可愛い看板娘もいるらしい。
アルムはイベントを楽しみにして、読み書きが出来ない彼が、その日の為に『日の出食堂』の字を覚えてきた。


「はいりましょう!」
そう言うなり店の戸を開け、中に入る。
店内には自分と同じ位の背の女の子が二人、アルムは声をかけた。
「あの、すみません。お席って空いてますか?」


372 : ◆hrBR6tpC7Y:2011/06/28(火) 23:44:58
>>370
エレナ「こらこら・・・そう、急ぐな。ご飯は逃げないわ・・・。」

ヤレヤレ、といった面持ちでエレナはアルムの後を追う。まだTEXチームに来てから日も浅いというのに笑顔で皆と接するアルム。彼女はどこかでそんな彼を羨ましくも思う。

エレナ(・・・ここには、比較的若いのが多いから却って馴染み易いのか。って、私もそんなに老けた覚えはないが――)

一人色々と悩みながら、彼女も日の出食堂の門を潜る。


373 : ◆vGTe9D4z5Y:2011/06/28(火) 23:48:10
>>370
「すごいねーアルム君。私日本語まだ全然読めないよー。これなんて書いてるのかも全然分からないし」
そういうのはアルムよりも一回り以上は背が高いケイト
これってひのでしょくどうって読むんだ― などと小声で呟いている
心なしか、彼女の表情もウキウキしているように見える。もともと友達が少なかった彼女はこうやって、大人数で外食をするという機会は少なかった
身なりは完全に大人のそれだが、精神年齢はいまだに未熟──
「アルムもケイトも・・・ウキウキしすぎ」
そう言って注意するのはイータ
年齢の割にはひどく落ち着いている
しかし、内心では、彼女も今日を楽しみにしていた。このように大勢で出かけた経験も彼女にはなかったからだ
それをおくびにも出さないのは、流石・・・というべきだろうか


375 : ◆tL.I1Fkj/Y:2011/06/28(火) 23:58:05
>>370,372-373
人の気配を感じた二人は、来客かと思い取り留めの無い話を止めて戸の方へ視線を向ける。
案の定、扉は開かれる。そこには自分達と同じぐらいの背丈の少女が居た。
そして、その少女に続いて複数人の人間が入店してくる。

「いらっしゃいませ! 何名様ですか?」

とりあえずは先頭の少女に向かい元気に対応するのは銀の髪の少女。
ちなみに服装はエルトロスとほぼ同じである。

「席なら見ての通りガラガラだから好きな所に座って良いわよ」

やや尊大な素振りで席を指差すのは紅の髪の少女。
接客業としてその態度はどうなのかと言えなくもないが、彼女は気にも留めない。
実際その姿は実に様になっており、常連客からの評判も決して悪くない。


380 : ◆vGTe9D4z5Y:2011/06/29(水) 00:47:47
>>375
「人数は七人です。好きな席にすわらせてもらいまーす」
ぞろぞろと入っていくTEXチーム一同
年齢は比較的若いものが多く、どう見ても子供にしか見えないものも若干二名
傍から見たらさぞ奇妙な集団に見えるだろう
ちなみに、アイノクス少佐は多忙に追われ、休暇どころではなかった
タツキはそれにガッツポーズをし、サクラは非常に落胆したという


381 : ◆tL.I1Fkj/Y:2011/06/29(水) 01:18:43
>>380
「はい、七名様ですね。ごゆっくりお過ごし下さい」
「いや姉さん、これからの時間帯でゆっくりされてもそれはそれで……」

人数を確認して、とてとてと厨房の方へ向かっていく銀の少女。
紅の少女のツッコミは華麗にスルーしたようだ。

「はぁ……まあ良いわ。じゃあ、注文が決まったらまた声を掛けてね」

何処か抜けてる姉に小さく溜息を吐きつつ、メニューを置いて自身も厨房へ向かうエルトロス。
流石に七人分のグラスとポットを姉一人に運ばせるのは酷だろうという判断である。


391 : ◆rJzb6vv1uA:2011/06/29(水) 07:21:29
>>370
「うおー!ここか、噂の日ノ出食堂ってのわ!」

もう一人元気がいい男がいる。眼帯をつけた、ちょっとカタギには見えないが一緒にいる少年少女の中でももっともはしゃいでいた

「アルム!さっさく中に入ろうぜ!」
意気揚々と中に入ると女の子が2人、一同を出迎る

「ははっ!こいつはなかなかの看板むす・・・・・・・」
トウジのことばはそこで途切れた
驚きのあまりそれ以上言葉がでない

「おい・・・・・・お前リュコスか?」
やっとその言葉を発するが、銀髪の少女は奥へと消えていった
口からは出た言葉をトウジ自身信じられない
何故この世界の地上に彼女がいるのか?
考えても答えはでない
銀髪の少女がトウジの姿を見てもなにも反応がなかった
トウジの見た目は2年前とは大きく変わってしまった。念の質も彼女と別れてから変わったいる
大勢の中から彼と認識するのは難しいかもしれない
いや、そもそも彼女はトウジの知るリュコスによく似た別の人間なのかも知れない


395 : ◆o4yQ/QC5tg:2011/06/29(水) 13:55:23
>>375
なにか、彼女たちの視線に違和感を感じたけれど、きっと、多分、気のせいだろう。
一見して、服装は同じでも銀髪の少女は明るい印象で、対照的に、赤髪の彼女は少し怖かった。

>>372>>380>>391
人数を告げるなり、ケイトはさっさと席に向かい、それに続く。
後ろで一人悶々と悩むエレナと、何故か固まって突っ立っているトウジロウに、アルムははやく、と手招きした。


料理店では席に座ったら、まず、メニューの中から好きな品を選んで店員に伝えるのだ。
席につくと早速、注文する料理を決めようと、店の品書きを手に取る。
「………」

――これは何が、何なのだろう…?

写真の無い目録に、字の読めないアルムは酷く困った。

「…えぇっと、これは、その、どれが…良いんでしょうか?」
視線を上げると、しどろもどろに尋ねる。


396 : ◆hrBR6tpC7Y:2011/06/29(水) 15:27:34
>>395
エレナ「そうだな・・・君ならば、お子様ランチがいいだろう。それがなければハンバーグランチにすればいい。」

いくらなんでも彼にお子様ランチは、茶化しすぎたかもしれない。そもそも市街の定食屋にお子様ランチがあるとは思えない。

エレナ「私は豚炒めとライス、それにお新香・・・茄子ので」

焦るんじゃない、私はお腹が空いているだけなんだと自分を落ち着かせて注文をサッと決めた。


397 : ◆vGTe9D4z5Y:2011/06/29(水) 16:44:25
>>395
「メニューは……ああ、良かった読める」
どうやら日本語で書かれているのは看板だけで、他は統一言語が使われているらしい
地球連邦が成立してからは、国家の境目をなくそうとする動きが現れ、英語を母体とする統一言語が生み出された
ここ100年近くで広まり、今ではもともとの母国語を喋れない人間も少なくはない
「もっと勉強しなきゃダメだよアルム君」
パチンと、指でアルムの頭を小突いた
力は入ってないため、痛みはほとんど感じないはず
「……じゃあ、私はこの豚のしょうがやき?ってのお願いします」
彼女は日本料理などほとんど知らないため、語感が気に入った料理を選ぶ
「私は焼き魚定食で」
メニューとにらめっこしていたイータは間髪入れずにそう言った
「アルムは店員のおすすめ…でも頼めばいいと思う」
それだけ言うと、イータは黙った
人見知りであるが故に、寡黙
ケイトはせわしなく周りをキョロキョロ見ていた


398 : ◆tL.I1Fkj/Y:2011/06/29(水) 19:43:04
「……それにしても今日の客は随分と尖った連中ね。あれだけの煌波発現者が一塊に集まっているなんて、ハッキリ言って異常よ。しかも一人は紫亜にそっくりだし……」

厨房に引っ込んだエルトロスは半ばぼやきに似た呟きをして、嘆息する。
客の立場についてどうこう言うつもりはないが、異常と感じる感覚はどうにも止められない。
そんな様子のエルトロスを見て、銀の少女は静かに呟く。

「……違うよ、あの子達は煌波発現者じゃない。念動力者って呼ばれる力の持ち主」
「……姉さん、知り合い?」

少女の呟きに敏感に反応したエルトロスの問い掛けに、銀の少女は苦笑を浮かべて答える。

「女の子の方は判らないけれど、男の方は多分ね」
「ああ、さっき姉さんの名前を呼んだ奴ね」

先程何か言いたそうにしていた男の姿を思い返し、エルトロスは小さく頷く。
そんな妹の姿を見て、銀の少女――リュコスと呼ばれた少女は 胸に手を当て慈しむような顔をする。

「背格好が少し違うけど……多分、彼はトウジロウ・サナダ。私の大事な仲間だよ」
「ふぅん、彼があの……」
「念が感じ取れれば、確実なんだけどね」

そう言いながらくすりと笑うリュコス。
そんなリュコスの表情に若干不機嫌になりつつも思案顔になるエルトロス。

「その辺りは気になるけれど、今はまず水を運ばなくちゃね」
「うん、そうだね」

なぜそんな人間がこの時代にいるのか、他にもそういった人間がいるのか。
考えることは山積みなれど、一先ず今は店の接客が第一だと二人は水の入ったグラスとポットを運んでいった。

>>391,395-397
グラスとポットを配膳し終わり、どうやら注文が決まったようだと判断した銀の少女は、伝票を取り出す。

「ご注文はお決まりですか?」
「ちなみにお子さまランチもしっかり用意できるわよ」

先程の会話を耳聡く聞いていたエルトロスはそう註訳を付ける。


399 : ◆o4yQ/QC5tg:2011/06/29(水) 22:26:44
>>396
子供扱いをするエレナに顔をしかめる。
「ボクはお子様じゃありません」
ハンバーグを頼むのも――魅力的ではあった――なんだか『お子様』を感じて、憚られた。
「違うのを頼みます」

>>397
>>「もっと勉強しなきゃダメだよアルム君」
指でパチン、と頭をこづかれる。
痛みは無いものの、ケイトに指摘されたのは、恥ずかしかった。
(…帰ったら、帰強しよう…)

>>398
リュコスらから水のグラスを受け取ると、各々が注文をする。
豚炒めにお新香、豚しょうがに焼き魚…。
どうしようか考えた結果、アルムはイータの案を採用して、店員のお勧めを注文することにした。
しかし聞くより早く

>>「ちなみにお子さまランチもしっかり用意できるわよ」

とエルトロスが一言。
再びの子供扱いに、しかも今度は同じくらいの背の少女からだったので、余計むっときた。

「お子様ランチはいいので、この店のお勧めください」

少し不機嫌そうに、声を落として言った。


402 : ◆tL.I1Fkj/Y:2011/06/29(水) 23:49:11
>>399
明らかに不機嫌そうな少年の声色に、銀の少女はエルトロスの脇を肘で突っつき小声で囁く。

「ちょっとエル、一言多いよ」
「あら姉さん、私は別に悪気があって言ったわけじゃないわよ?」

その言葉にさも心外そうな様子でエルトロスはメニューの一角を指し示す。
そこには共通語で『懐かしの味。エルちゃんオススメ』と書かれていた。

「これ、大人だってたまに注文する人気メニューなんだから」
「それは事実だけど……問題はそこじゃないと思うよ?」

子供扱いが嫌なんじゃないか、銀の少女はそう言いたげだ。
まあぶっちゃければ紅の少女もその辺りの事は十二分に理解していた訳だが。
これ以上は話が拗れるだけかと思ったエルトロスは、渋々といった様子で自説を引っ込め店のオススメを語る。

「ハイハイ解りました。店のオススメなら、季節の天ぷら定食ね」
最初からそうしてれば良いのに……そんな事を考えながらも、銀の少女は注文の復唱を行う。

「では、ご注文を繰り返させていただきます。豚炒め・ライス・お新香が単品で一つずつ、生姜焼定食が一つ、焼き魚定食が一つ、季節の天ぷら定食が一つ……」


403 : ◆vGTe9D4z5Y:2011/06/30(木) 00:32:14
>>402
まだ注文していないメンバーの方をケイトはちらりと見るが、どうやらまだ決めかねているようだ
「それでいいですよー」
ケイトが代表して、答える。
タツキ達もようやく決まったのか、注文をとる。
ケイトはその様子を楽しそうに眺めていた


409 : ◆rJzb6vv1uA:2011/06/30(木) 07:02:24
>>401
「・・・・・・あれ?」
トウジは自分の姿を見てリュコスが奥に引っ込んでしまったと思っていたが、なんのことはない、お冷やを取りにいっていただけ
リュコスだ!と喜んでいたが肩透かしくらった

席についても、悶々と考えこむトウジをよそに仲間は次々と注文を決めていく
慌ててトウジも注文を口にだす
「ああ、俺はホイコーローときつねうどん、あとカツ丼」

メニューには知らない料理が多かったので適当にめについた料理を頼んだ

「・・・・・・リュコス、久しぶりだな
隣のチンチクリンは妹か?
元気そうでよかった」

トウジはリュコスに似た別人かもと思ったが、だからといって声をかけないほどシャイではない


410 : ◆tL.I1Fkj/Y:2011/06/30(木) 12:55:57
>>409
「はいはいストップストップ。当店でナンパ行為はお控え下さ~い」

リュコスに声を掛けてくるトウジに対して黄色く塗られた紙を出して注意するエルトロス。
何だかんだで有名になった紅白娘は、こういった感じで話しかけられる事が度々あった。
その度に仕事の邪魔をされるので何とかして欲しいと、ある時エルトロスは店長に訴えた。
その言葉を受けて店長が態々作ってくれたのがこのカードである。
勿論三枚溜まったら強制退場である。ちなみにレッドカードも当然用意されている。
なお、カードを出したのはチンチクリンと言われた事を根に持っての事では断じてない、筈。

「ええと……回鍋肉・きつねうどん・カツ丼、それぞれ単品でお一つですね」

そんな妹の様子にクスクスと笑いながらも注文の復唱を行うリュコス。
そしてそれに続けて、リュコス個人としてのトウジへの言葉を紡ぐ。

「それと、久し振りトウジ。込み入った話はまた後で、ね?」

やや申し訳なさそうにそう言うリュコスの姿は、多少成長していても当時の面影を確かに残していた。

>>403
「はい、かしこまりました」

元気よく、にこやかに応対する銀の少女。
その表情、仕草ともに実に様になっている。

「店長! オーダー入るわよ! 豚炒ライス新香回鍋肉きつねカツ丼が単品1! 生姜定1! 魚定1! 季節天定1!」
「あいよ!」

そしてとりあえず纏まった注文を、更に厨房へ向けて復唱するエルトロス。
その声に短い言葉で返したのは、日ノ出食堂店長のコウスケさん(38歳・独身)である。


411 : ◆o4yQ/QC5tg:2011/06/30(木) 22:18:28
>>402
>>「ハイハイ解りました。店のオススメなら、季節の天ぷら定食ね」

季節の天ぷら定食。
大人っぽい響きだ。
『季節の』という言葉が、特に。
見当はつかないけれど、オススメなのだからきっと美味しい定食だろう。
「じゃあ、それをお願いします」
先のお子様扱いも忘れ、満足した顔で答えた。


>>409>>410
>>「・・・・・・リュコス、久しぶりだな
隣のチンチクリンは妹か?
元気そうでよかった」
>>「それと、久し振りトウジ。込み入った話はまた後で、ね?」

「トウジロウさん、お知り合いですか?」
アルムは驚いた様子で、トウジロウと看板娘たちを交互に見た。
トウジロウが声をかけたのは怖い方の看板娘ではなく、優しい方の看板娘。
とてもじゃないが、接点があるようには見えなかった。

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最終更新:2011年07月01日 12:41
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