この作品は性的表現が多分に含まれています。
過激な性的描写が苦手な方には不快となる内容なのでご注意ください。
名詮自性。
名実そのものの性質を表すという意味の仏教用語である。
これはその意味が示す通りに成長した一人の愚か者の軌跡。
◆
「ぶひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「……ざぁ……こ……ざぁ……こ……」
暗闇の中、破壊されたパソコンや倒れた家具が散乱する一室。
その中央で少女に覆いかぶさった、人とは思えぬ悍ましい顔の男が豚のような嬌声をあげて絶頂し、身震いする。
短い間腹の肉を揺らした後、今度は小柄な体を持ち上げ、再び上下運動を再開する。
現在、男のなすがままになっている少女は生身の人間でも、そのような用途で使用される人形でもない。
ウイルスに適合できず、哀れ両親と同じようにゾンビになってしまった人好家の一人娘、人好心美。
その哀れな少女を玩具のように弄ぶ男の名はこの部屋の主、気喪杉禿夫。39歳無職の子供部屋おじさんであり、正常感染者。
震災の後、先程までプレイしていたエロゲーが強制終了してしまった事に激怒した禿夫は怒りの赴くまま、破壊の限りを尽くした。
そして、女王感染者を殺せばエロゲーが再開できると知った彼は怒りの矛先を変え、金属バットを持って家を飛び出した。
隣家に侵入し、二体のゾンビをミンチに変えた禿夫は、二階へ上がり、黒髪ツインテールの少女ゾンビ――人好心美を発見する。
白目を向いているが如何にも生意気そうなメスガキゾンビであったため、分からせる必要があると感じ、自宅に連れ帰った。
「ぶごぉ!ぶごぉ!ぷぎぃ!」
「まえ……がみ……すか……すか……」
再び醜い喘ぎ声を上げながら、行為に没頭する禿夫。
彼は終始気づくことはないが、他の正常感染者と同じように異能が発動している。
それは『身体強化』。感情により身体能力を強化する能力であり、強い感情を持てばトラックを横転させることすら可能になる。
そんな彼が極度の興奮状態のまま、行為に没頭するとどうなるか。
「ぷぎぃ!イグッ!まだイ゛グッ!」
「はぁ……げ……はぁ……」
何度目かの絶頂を迎える寸前、少女ゾンビの下半身が砕け、仮初の生命活動を終えた。
彼女の最大の不幸は最悪の男に純潔を散らされたこと。最大の幸運は愛する両親のもとへと逝けたことだろう。
【人好 心美(ゾンビ) 死亡】
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ゛!!ふざけるなああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
当然、堪忍袋の緒がミリ単位程もないこの男は納得できるはずがない。
怒りに任せて心美の頭を何度も踏みつける。そのたびに砕けた頭蓋や血液、脳漿が飛び散り、部屋をグロテスクに染める。
しばらくしてふぅふぅと息を吐き、心を落ち着けると、部屋の惨状を目の当たりにし、溜息をついて独り言ちる。
「……今度からはもっと優しくしてあげないと、女の子は壊れちゃうんだな……」
◆
気喪杉禿夫。
彼は親の愛を一身に受け、何一つ不自由することなく現在まで成長してきた男である。
彼は女児を拉致監禁し、強制性交等致傷罪に相当する犯罪を二度起こしたが、親のコネにより今まで司法によって裁かれずにいた。
しかし、二度目ともなると流石に父親も怒り、世間からの隔離という形で閉鎖的であった山折村へと押し込まれた。
流石にこの仕打ちを受ければいくら自己中心を擬人化したような禿夫でも反省するかに思われたが、そうはいかなかった。
両親を逆恨みしただけにとどまらず、女性へのストーキングや下着泥棒など数々の問題行動を繰り返し、役場や警察からの厳重注意を受けた。
その結果、禿夫の前科が露呈し、現在では山折村屈指の問題人物となった。
◆
「あああ……さっきのは中途半端で終わっちゃったから……収まらないんだな……」
ミネラルウォーターで洗い直した禿夫の剛直は未だ刺激を求めて滾りきっている。
禿夫の感情的にもやり残した感覚があり、するにしても何かオカズが欲しいところだった。
「そうだ。あれがあったんだな」
ゴミが散らばった部屋の一角を漁り、あるものを取り出す。それは水色の縞々模様の女性もののパンツ。
そのクロッチ部分に愛おしげに悍ましい口づけをする。
「ああ……アニカママのお口にマウストゥーマウス♡」
時は昼頃まで遡る。
珍しく外出して昼食を取ろうと商店街にタクシーで向かい、ハンバーガー店に入った時だった。
ふと視線を見やるとそこにはSNSやテレビでしか見たことのない天才美少女探偵――天宝寺アニカが一人で食事を取っていた。
禿夫の視線に気づくことなく、食事を終えたアニカは旅行カバンを置き忘れ、退店していった。
当然、禿夫がそれを見逃すことなく、彼女の旅行カバンを手に取り、食事もとらずに退店した。
それをアニカに届ける……なんてことはなく、狭い路地裏にてカバンを漁り、パンツを一枚拝借して短パンのポケットに入れた。
そして、彼女が尋ねるであろう役場へとタクシーで先回りし、入り口前でアニカと再会し、カバンを手渡しする。
『あ、ありがとうございます』
『ああアニカタン……だよね?おお俺と握手してくれると……』
『すいません用事があるので失礼しますさようなら』
限界まで引き攣った笑顔のまま、足早に役場の中へと去っていった。
間近で見た天宝寺アニカはまるで精巧な人形のように美しく、愛らしかった。
テレビや雑誌で見たときは可愛いだけの生意気な三次のメスガキとしか感じていなかったが、実物を見て一瞬でファンになった。
口癖である英単語を言葉の節々に挟まなかったのはきっと照れているからだろう。禿夫はそう結論付けた。
「……アニカママだけじゃ、ちょっと物足りないんだな。そうだ!」
再び部屋を漁って取り出したものはブラジャーとスパッツ。
禿夫の家から少し離れたところにある一軒家に住まう一家の姉妹――日野光のブラジャーと日野珠のスパッツだった。
つい一昨日、日野一家の不在を狙って盗んだものだった。
二人とも健康的とても可愛らしく、よく夢の中で自宅に監禁して自分の思うように弄んで楽しんでいたものだ。
だが、現実では山折圭介とかいう村長の息子というだけで二人を独占して姉妹ハーレムを楽しんでいる男がいて、もどかしい思いをしている。
無論、これは禿夫の主観であり、実際はそうではないのだが。
「アニカママとキッスをして、光ママのさくらんぼと珠っちのお口で挟んで……ぶっひーーーーーーーー!!!」
◆
「あ゛ーーーーー……そういえば今日か明日、役場の禿が誰か送るって、言ってたんだな……」
興奮もだいぶ収まり、居間のソファーで寝そべった禿夫は、夕方に電話で役場の職員が厳しい口調で何か言っていたことを思い出す。
辛うじて思い出せたことは誰かを禿夫の家へ送り、厳重注意するということだけだった。
今日か明日と言っていたが、時間的にはもう遅いし、明日だろう。
全く国家権力とは度し難い。自由に暮らしているだけなのに何が悪いのか。いっそのことあの禿共や山折のクソガキを―――。
「そそそうだ!!いいことを思いついたんだな!!」
せっかくVHが起こっているのだ。これを機にゾンビ化した役場の禿共や山折圭介を殺してヒーローになろう。
山折圭介や役場の人間に騙されていた日野姉妹をはじめとした女の子達、ゾンビに襲われているアニカを助け出してハーレムを作るのだ。
そうすれば、もう誰も自分を止められない。ハーレム王に、俺はなるんだな!
「ブモオオオオオオオオオ!!」
牛とも豚ともつかぬ雄叫びを上げて階段を駆け上がり、自室へと滑り込む。
頭には小型懐中電灯を二本括り付けた鉢巻。背中にはパンツ、ブラジャー、スパッツの三種の神器が入っているリュックサック。
左手には金属バット。そして、左手には―――
「ひひ必殺武器……!ショットガン!!なんだな!!」
人好邸の茂みに隠れていたショットガン――ブローニング・オート。そしてすぐそばにあった多数の予備弾をリュックサックに詰めた。
気分は邪悪で醜悪な男共からか弱い女性(美少女限定)を助け出すヒーローだ。
「とととりあえずここら一帯にいるはずの光ママと珠っちを助け出して、それからアニカママを助けるんだな。その後はぶひひひ……」
顔を醜く歪め、今後のことを妄想する。闘志と共に茶色の短パンが一層盛り上がりを見せる。
「まま待っているんだな!白馬の王子様が皆をたすけるんだな!ブモオオオオオオオオオ!!!」
雄叫びを上げ、凄まじいパワーと速さで玄関のドアを、ブロック塀を破壊し、禿夫は突き進む。
目指す未来が桃色だと信じて。
【B-3/気喪杉邸/1日目・深夜】
【
気喪杉 禿夫】
[状態]:健康、興奮
[道具]:金属バット、懐中電灯付き鉢巻、天宝寺アニカのパンツ、日野光のブラジャー、日野珠のスパッツ、ブローニング・オート5(5/5)、予備弾多数、リュックサック
[方針]
基本.男ゾンビやキモ男を皆殺しにしてハーレムを作るんだな
1.ロリっ娘、巨乳JK、貧乳元気っ娘みたいにバランス良く属性を揃えたいんだな
2.まずは美少女JCJK姉妹(日野姉妹)を探して保護するんだな
3.次は村に滞在してるアニカママを保護して×××するんだな
4.ゾンビっ娘の×××はひんやりして気持ち良かったんだな
最終更新:2023年01月07日 22:43