数多の『隠山祈』に侵され、肉体がぐずぐずに崩れていく。身体を食い荒らす厄の蟲が宿る異能を食い荒らしていく。
激痛に苛まれながらも、足を止めることはない。止めるわけにはいかない。
いのりは数時間前、
独眼熊と戦った時のように肉片から生前の姿にーー『肉体変化』の異能にて質量保存の法則を無視した人の形に戻っていた。
その絡繰りは別れの間際、春姫に施された『生命転換/神性付与』の力。彼女の力により、怪異という枠組みから外れて別の存在へと書き換わった。
それに伴い、厄を吸収するだけであった身体も変化し、不浄を拒絶する。
だが完全に消え失せたわけではない。『隠山祈』はいのりの身体を蝕み続け、吸収した異能は牛縄つつある。
向かったのは三頭の獣との戦鬼が戦いを繰り広げる戦場。否、戦いではない。鬼が獣達を蹂躙する屠殺場である。
赤毛の猿の腕が吹き飛ぶ横を通り過ぎ、向かう先は危険地帯から離れた場所。春姫の友がいる場所。
「ーーーーーッ!!」
いのりの目の前で転がる少年の姿をした肉塊。端正な顔は見る影もない程苦痛で歪んでる。。
四肢はほぼ千切れかけ、骨が内側に飛び出している。臓器も大部分が食い荒らさせており、血肉から湯気が悪臭と共に立ち込めている。
心臓と脳は無事なのか、異能により再生は続けられており、それが少年の命を繋いでいた。
最早死んでいた方が救いという有様に、いのりは言葉を失う。
(ーーーでも、まだ手はある……!)
本来ならば、両腕を失った春姫に対して使うはずだった奥の手。デメリットは怪異そのものの特性も転移する可能性のあるもの。
しかし、春姫の手によっていのりは怪異ではなくなり、信仰を得て浄化された土地神へと昇格された。
故にこれから彼女の為すことも八百万の神の手から離れた、小さな巫女神からの贈り物へと姿を変える。
ぐずぐずと腐り始める手を彼の体に当てる。崩れ、肉塊へと化していく脳を廻し異能を発動。
怪異『巣食うもの』の原点となった『肉体変化』。ヒグマに食い殺されかけた時点で進化を果たしていた。
体積が少なくなっていくいのりの肉体。手から厄に侵されていない部分が少年に移され、再生させていく。
目覚めた力は自身の身体に刻まれた遺伝情報を書き換え、その血肉を他者に移植するという疑似的な回復手段。
もしいのりが『巣食う者』のままであれば、他者を乗っ取る際に使われていたであろう力。その力を誰かを救うために行使している。
徐々に肉が再生し、元の少年の姿に戻っていく。だが、このままでは再び女王の手下である赤鬼の餌食に駆ってしまうだろう。
だからもう一つだけ、少年に贈り物をすることにした。
『隠山祈』に蝕まれていない、最後に正常感染者から吸収した異能。
目の前の彼と血の繋がった、山折村滅殺を目論んだ老人の異能。懸命に生きようとする、彼に与える。
力が抜けていく。身体と魂を結ぶ意図がほどけていく。
きっとわたしは地獄に落ちるだろう。望にも、覚にも、春姫にも、春陽にも、うさぎにも会えないだろう。
それでもいい。わたしの犯した罪科は地の底に落ちて償わなければならない。
血色を取り戻した彼にーーかつて憧れた武士の面影を残す少年に微笑みかける。
『頑張ってね、お侍さん』
◆
背後で爆発が起こる。聞こえるのは巨人の怒号と三種の獣達の断末魔。
厄災のコーラスから外れた平原。そこに滅びゆく厄村の村王と女王はいた。
「…………春。」
村王ーー圭介の目の前には胸に紅い刃が突き立てられた女王ーー神楽春姫。
神の造形と謳われていた美貌は面影もなく、そこに眠るのは遥か昔、疫病に侵された原初の巫女のような痛ましい姿。
もう二度と彼女の特徴的な語り口を聞くことも、いがみ合うことも、自分の立場を棚に置いて威張り散らされることもなくなってしまった。
山折村のガキ大将の周りには誰もいなくなってしまった。在りし日に想いを巡らせ、春姫の骸の前でぼうっと座り込む。
どれほど時間が経ったのだろう。
目の前の喧騒は徐々に落ち着き始め、飛び回っているのは片手に如意棒らしき長棍を持った赤猿ただ一頭になってしまった。
目覚めることのない春姫の寝顔を見つめる圭介へひた、ひたと迫る誰かの足音。
気配を感じ、怠慢な動きで首を上げる。虚ろな目に映った存在。それは、一人の少年。
「哉……太……?」
最後に残った圭介の幼馴染ーー八柳哉太の名前が零れ落ちる。
哉太はその声に反応することなく、その傍らにある神楽春姫の遺体ーー胸に刺さる赤刃へと目を向ける。
何かを口に出そうとする圭介を尻目に哉太は刀の持ち手を掴んで、容赦なく引き抜いた。
春姫の胸から血が零れ落ちる。引き抜いた刀から血が零れ、紅いアーチを作る。
遺体を辱める真似など厳しく躾けられた哉太にできる筈がない。
「な……何やってんだお前ェ!!は、春は……春はァ……!!」
今にも掴みかからんばかりの勢いで圭介は立ち上がる。彼の頬を殴り飛ばそうと痛む拳を握りしめて顔を見据えた瞬間、思考が急速冷凍された。
口はだらしなく開きっぱなしになっており、目は虚ろで生気がない。動きも怠慢で知性というものを感じない。
時折ゆらゆらと身体が揺れるが、それは疲労によるものではなく脊髄反射で起きた生理現象のようにも思える。即ちーー。
「ア"ーー………」
八柳哉太はゾンビになっていた。
いのりの尽力により哉太の肉体は再生し、元の健康的な少年の姿に戻った。
しかし、いのりは更なる奇跡を望んだ。それは自身の異能の植え付け。
厄に内部を食い荒らされ、自身の異能『肉体変化』も消失ある中、唯一残った異能『剣聖』。
女王にすら届き得た条件付きの戦闘特化の異能。元の保持者である八柳藤次郎の近親者である少年に与えたもの。
だが、都合の良い奇跡(デウス・エクス・マキナ)など顕れるはずもない。この地獄においては、大いなる力には必ず対価が求められる。
異能の過積載に対して払われた対価は理性の喪失。即ちHE-028-Cの許容量超過(オーバーフロー)による脳の一時停止。即ちゾンビ化である。
いのりの魂の喪失により異能のリスクを代替えする存在はいなくなってしまった。
つい数分前、命を落とした哀野雪菜のような奇跡は起こりえない。二重能力者(クロスブリード)など起こりえない。
『剣聖』の姿は八柳哉太の泡沫の夢。時間が経てば溢れ出した器は元の姿に戻り、八柳哉太は『肉体再生』だけを持った正常感染者へと戻るだろう。
親友の変わり果てた姿に胸倉を掴んだまま呆然と立ち尽くす村のガキ大将。
直後、最後に残った一頭ーー斉天大聖の身体が宙に投げ出された。
暗闇の中、三つに分かれる魔猿。見ざる、聞かざる、言わざるは三方向へバラバラに落ちていく。
赤鬼の殺気がこの場で唯一の正常感染者ーー圭介に向けられる。
死神の牙が届くのはあと僅か。行動を起こさなければ死は必然。
圭介の手に魔聖剣は存在しない。女王の手によって折られてしまった。
残るのは目の前で聖刀を握りしめた八柳哉太の『ゾンビ』。
「ーーハッ!」
圭介の頭に希望の灯火が灯る。
山折圭介の異能『村人よ我に従え(ゾンビ・ザ・ヴィレッジキング)』。ゾンビを意のままに操る他者に依存する力。
上位互換である女王が現れたことで無用の長物となってしまったもの。
今の八柳哉太は二つの異能を持ったゾンビ。ゾンビなら、操れる。
「最後の砦は、喧嘩別れしたダチかよ……。ハッ、上等じゃねえか!!」
皮肉気に笑い、腕に力を込めて気合を入れ直す。
八柳哉太は女王と接触した。つまり彼もまた眷属化の影響を受けつつある。
自身の異能では動きを鈍らせるのが精一杯。一度敗した相手を打ち負かさなければいけない。
圭介の中に巣食うHE-028-Bを行使する。哉太の脳に働きかけ、支配下に下るよう命じる。
異能を介して圭介の脳に響くのは女王の鬱陶しい囁き。
HE-028-BとHE-028-Z。絶対王政に反旗を翻す革命者。圧倒的不利な綱引きが行われる。
「あ……ア”……ア……」
哉太の身体が痙攣する。女王と村王の綱引きに巻き込まれた亡者は苦悶の声を上げる。
綱引きに負ければ剣士は女王の軍門に下り、世界を滅ぼす魔王の配下になるだろう。
ここが世界の命運を分ける分水嶺。脳を酷使し、哉太の理性を引き留める。
「悪の手先に成り下がるんじゃねえーーーーーーー!!」
叫ぶ。祈る。雄叫びが夜空に響き渡る。
赤鬼が徐々に迫ってくる。到達までは十秒とかからないだろう。
圭介の叫びに呼応するかのように赤刃が輝く。そしてーーー。
「AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」
耳を劈くような咆哮が轟く。亡者は村王に背を向け、赤鬼へと突進していく。
軍配は村王に上がった。女王の支配を跳ね除け、ガキ大将の右腕はその忠誠を示した。
振り下ろされる拳を聖刀神楽が防ぎ、纏われた厄を払いのけた。
「ぶちかませッ!!クソヒーロー!!!」
夜の大地を轟かす咆哮。地を揺るがすのは拳と剣の二重奏。
二つの紅が文字通り火花を散らし、演舞を踊る。
「■■■■■■■ーーーーーーー!!!」
「■■■■■■■ーーーーーーー!!!」
剣鬼と戦鬼。二つの怪物が激突し、空を、大地を赤で染めていく。
地面に転がされた猪の亡骸が挽肉と化す。目を抉られた猿の胴が二つに割れる。
耳を削がれた猿が明後日の方向へと飛んでいく。喉を裂かれた猿が原型を留めない塊に変わる。
二対の怪物も無事ではない。激突するたびに肉が削がれ、骨が砕かれ、その度に瞬時に再生していく。
赤鬼から繰り出される鉄槌の乱舞。それに対応するのは剣鬼の身体に染み着いた八柳流のかかり稽古。
雀打ち、乱れ猩々、空蝉、鹿狩り、三重の舞、天雷―――
流麗とは程遠い、怨敵滅殺の剣舞が赤鬼に殺到する。
永劫に続くかと思われた剣舞は唐突に終わりを迎える。
赤刃が赤鬼の腕肉に食い込み、ほんの僅かに動きを止める。
筋肉を搾り上げ、両断を防いだ。唯一の得物を奪われ、動きを止める剣鬼。
その隙を見逃すはずもなく、新しき秩序ーー女王に謀反を企てた背信者へ下されるのは正義の鉄槌。
剣鬼に向けて巨大な拳が振るわれる。間もなく少年は四散し、山折の地の養分と化すだろう。
しかし、理性を喪失した赤鬼は隠し持つ一手に気付かない。
剣鬼と戦鬼。互いの性能に違いはほぼなく、その差は担い手のみ。
戦鬼の担い手は女王。彼女は力こそ強大であるものの、現在はこの場におらず、大田原源一郎のスペックに頼るほかはない。
剣鬼の担い手は山折圭介。女王と比較すると比べるべくもないが、この戦場に存在し続け、常に剣鬼の限界を引き出していた。
故に結末は必然。かつて沙門天二が届くことのなかった一手が、剣鬼には存在していた。
武器を失った剣鬼の手に握られていたのは、折れた長剣。女王の聖木刀によって砕かれた魔聖剣。
担い手の意志に呼応するかのように光を放つ。女王の目論見は外れ、未だ託された意志は健在。
光に導かれるように、元の担い手は詠唱を張り上げる。
「厄(や)け、神様ァーーーーーーーー!!!」
折れた刀身から光の刃が顕現し、無防備になった胴に振るわれる。
ーーー八柳新陰流『朧蟷螂』。
剣鬼が身をよじり、迫る鋼の拳をすり抜ける。
逆袈裟に振るわれた返し刃が伸びきった腕を斜め掛けに胴と首を両断する。
『餓鬼(ハンガー・オウガー)』は保持者に驚異的な身体能力と再生能力を齎す異能。しかし、急所を断たれれば他の正常感染者同様、命を落とす。
即ち、魔の手に堕ちた自衛隊最強『大田原源一郎』の命運はここで尽きる。
◆
ーーー女王に平伏せよ。
ーーー女王に命を捧げよ。
ーーーさすれば大和の國に、曙が訪れん。
声が聞こえる。福音の囁きが脳を揺さぶる。
最強の名は失墜し、残るのは滅私奉公の矜持のみ。
抱いた想いも再びの敗北により、塵と化した。
ならば、己に残るのは何だ?
ーーー女王に平伏せよ。
ーーー女王に命を捧げよ。
ーーーさすれば大和の國に、曙が訪れん。
福音が囁かれる。体内に巡る血潮が沸騰し、己の身体に役割を求める。
嗚呼、そうか。たかだか命が潰えただけではないか。
想いはまだ胸の中で燻っている。胴ごと切り離された首が場に残る巨体を眺める。
■■に仇為す敵は未だ健在。されど無防備にその身体を晒している。
ならば、地獄に落ちる前に果たせる役割は一つ。
「女王ニ……仇為ス……存在ヲ……処理セヨ………!」
◆
「嘘だろ……!?」
片腕だけの巨体が再始動する。傷口から臓腑を撒き散らしながらゆっくりと拳を振り上げる。
狙いは目の前で聖刀と魔聖剣、二振りの剣を握りしめたまま微動だにしない若武者。
「さっさと動け哉太……!動かねえと殺されるぞ……!」
異能で哉太に呼びかけるも、ゆらゆらと揺れるばかりで一歩も動こうとしない。
それもその筈。既に哉太は二重能力者(クロスブリード)のゾンビではない。
器から異能という水が零れ落ち、正常感染者へと戻ったのだ。
今、鬼の眼前にいるのは剣を握りしめたまま意識を失い、棒立ちしている剣士だった。
「クソッ……クソッ……クソォ……!!」
焦燥に駆られ、村王は腕の痛みなど気にせずに走り出した。
上月みかげと湯川諒吾は圭介の知らないところで殺された。
浅葱碧は自分が操って特殊部隊に殺された。
日野光は自分をかばって殺された。
日野珠は自分達が逃げおおせたせいで手遅れになった。
自分を救った祟り神は目の前で殺された。
神楽春姫は、自分が殺した。
圭介を取り巻く大切な人達は圭介の目の前からいなくなった。
もう失うのは嫌だった。自分達の望む結末はもう掴めない。陰謀に翻弄され、描いていた未来は醜い大人達によってぶち壊された。
"親分は子分を守るものなんだよ。"
いつか自分が言った言葉が反響する。
最後の幼馴染に延ばされる死神の魔の手。皆のリーダーは、子分第一号に手を伸ばす。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!!」
◆
星々が煌めく山折村の夜空。天から巨体が落ちてくる。
ずしん、と大地を揺るがす。巨体の正体はずんぐりとした双角のドラゴンであった。
地に伏せた龍はピクリとも動く様子はない。大顎を開いたまま、息絶えている。
ドラゴンの横に散らばるのは、原形を留めていない肉塊と、逆袈裟に切り取られた赤黒いヒトガタ。そして鬼の形相で虚空を見つめる角が生えた強面の男。
そのすぐ傍には、潰された少年らしき死体と少し離れた場所で眠る腐臭を放つ巫女装束を纏う遺体。
沈黙が場を支配したのは数分。突如、龍の腹から木刀が突き出てくる。
切り裂かれる龍。血の雨が降る中、現れたのはーー。
「ああくそ、せっかくの祭りが終わってしまったじゃないか」
ーー女王、日野珠。
突如として女王を天空に打ち上げた龍。それは女王自身が手を下した犬山うさぎの眷獣。
その中でも随一の巨体と戦闘能力を誇る空想生物、4時の龍ことドラちゃん。
増殖羊の大元(マスター)が己の命を担保に召喚した最後の獣。
龍の死により残る獣は1時のネズミと4時の兎のみ。他の全ては白兎の言葉通り、使い潰された。
「随分と舐めたマネをしてくれたじゃあないか、あの白兎……!」
沸き上がる怒りに愛らしい日野珠の顔を歪ませる。
失ったのは願望器だけではない。
影法師の少女ーー魔王の娘が持つ力『夢の世界へようこそ(イン・ワンダーランド)』が失われた。
願望器に脇差が投げ込まれた瞬間、『神楽うさぎ』の力が吸い取られ、地の底に向かっていくのが感じられた。
だが幸いにも『魔王』の力は健在。それだけは不幸中の幸いか。
「まあいいさ。身の不幸を嘆いても事態が好転するわけじゃない。前向きに行こう」
頬を叩いて気持ちを切り替える。
運命視による観測を逃れた天宝寺アニカは今頃闇の底だ。自分が厄の中に落とした。
過程はどうあれ、結果は及第点。生き残ったのが自分だけだか軌道修正はまだ間に合う。
回りを見渡すと、死体、死体、死体。少しばかりお暇していた間に屍山血河が作り出されていた。
女王が特に驚いたのは、両断された戦鬼。大田原源一郎。
運命視による未来演算では、彼はまだ食事を続けているはずだった。
八柳哉太の死体ないということは、我慢できずに平らげてしまったか。
また、聖木刀でハーフカットにした筈の魔聖剣の存在も見当たらない。
そして、下手人と思われる少年が戦鬼の傍らで粉砕されていた。
即ち、養分となった少年が戦鬼が哉太を異に収めてる隙を狙って折れた魔聖剣で討伐を果たした。
その結果、魔聖剣は今度こそ消滅し、残された少年は戦鬼の悪あがきの巻き添えを喰らったのだろう。
事の顛末の予想を核心に変えるべく、少年の死体へと歩み寄る。
原型をほとんど留めていない少年の死体。かろうじて形を保っている手に顔を近づける。
手は何かを握りしめている。死後硬直が始まったそれを、無理やり誇示上げると現れたのはロケットペンダント。
「ーーーああ、死んだのはやっぱり山折圭介か」
◆
「ーーーぅたく、挨拶もなしに勝手に行くんじゃねえよ」
「圭……ちゃん。何で……」
バスを待つ最中、現れたのは喧嘩別れしたはずの山折圭介。二度と会わないと決めていた、親友だった。
一年前、早朝のバスを待つ哉太の前に顕れたのは花束を持った虎尾茶子ーー哉太を信じてくれた想い人だった筈だ。
これは夢。IFを望んだ自分が作り出した想像の産物に違いない。
困惑する哉太を他所に、息を切らしたガキ大将は手に持った紙袋を手渡した。
「……何だよ、これ」
「ガキの頃、お前から借りた玩具。折れて返し辛かったから黙ってた」
「何だよそれ。ガラクタじゃん」
「うっせ。借りパクしたまんまだと、目覚めが悪いんだよ」
嘗てのように軽口を開けながら袋を開ける。
中に入っていたのは一昔前の、特撮物の剣の玩具。中折れしている。
じとっと圭介の方を見つめる。気まずそうに圭介は目を逸らす。
「…………」
「…………」
「…………ぷっ」
「ハハハハ」
急におかしくなり互いに笑い出す。
笑って、笑って、笑って、笑い転げる。
親分と子分第一号。些細なことで仲違いして、些細なことで仲直りする。
悪ガキの頃からずっとそうやって過ごしていた。
しばらく笑い合っていると、別れの時がーーー駅に向かうバスがやって来る。
「……なあ、哉太」
「……どうした、圭ちゃん?」
バスのステップを上がる寸前、幼馴染の言葉がかけられる。
振り返ると、どこか寂しそうな笑顔を浮かべたガキ大将の少年。
「お前さ、これからどうする?」
「どうするって……何が?」
「この村に帰ってくるかってことだよ。誤解ならもう解けたし、他の奴らも俺が無理やりにでも納得させる」
真剣な眼差しで問い掛ける。ここが分水嶺。
もう自分の中に山折村を憎む気持ちはない……といえば噓になるが、いざ度経つとなると寂寥感が胸に飛来する。
ほんの少し考えた後、圭介の問いに答える。
「ーーー東京に、行くよ。多分、もう二度と山折村には戻ってこない」
「ーーーそっか」
ほんの少し寂しそうに笑い、ガキ大将は手を差し出す。
幼い頃、もう一人の長馴染に良くさせられていた約束の証。
「仲直りの握手……しようぜ」
「…………ああ」
親友の手を握り返す。固く繋がれた手。もう下らないことで仲違いはしないだろう。
バスに乗る直前、八柳哉太は振り返る。
「光ちゃんと仲良くな」
子分第一号が笑顔で告げる。
「山折村の事、たまには思い出せよ」
親分が名残惜しそうに手を振る。
もう二度と八柳哉太は振り返ることはない。
バスに乗るとまず目に入ったのは、人間のように座席に腰かけた小さな山ネズミ。
彼女はこちらの存在を認めると、仕草で隣に座るよう促す。
(スチュアート・リトルかよ……)
大分失礼なことを心中でぼやくと、その言葉を見透かしたようにこちらを見上げた。
その直後、哉太の目の前に映ったのはどこかで寝息を立てる金髪の少女ーー天宝寺アニカ。
場所の特定はできないが、何となく、闇に呑まれたはずの彼女が生きていることだけは伝わった。
驚いて目を見開く哉太の脳内に、女性の声が鳴り響く。
『もう二度とアナタのパートナーの手を離さないで下さい。私達が望みを失った時の痛みは、もう誰にも味わってほしくありませんから』
景色が少しずつ揺らいでいく。心地よい微睡が意識を漂白していく。そしてーー。
◆
目を覚ますと少年は草原のど真ん中にいた。
傍らにはこちらの頬を摘まんでいる二足歩行の山ネズミ。
そして、手に握れてていたのは二振りの剣。
夢の中で圭介に渡された玩具によく似た折れた長剣と、深紅に染まった紅い打刀。
辺りを見渡すが、そこには誰もいない。
散らばっていた牛の巨人の名残も。共に戦っていた圭介の姿も。荒れ狂っていた赤鬼の姿も。
そして、無意識の中で常に闇へと誘おうとしていたーーー。
「珠ちゃん……」
今も尚、哉太の脳内で囁き続ける女王ーートラウマを植え付けてしまった妹分の姿も。
確信する。VHにおける絶対悪の存在が大切に思っていた幼馴染であることを。
『女王感染者を見つけ出し殺害する…………それでこのバイオハザードは解決されるはずだ…………』
「んなこと、認められるかよ……」
理不尽に憤り、立ち上がる。女王は覚醒し、山折村は今以上の地獄へと変わるだろう。
もしかすると、すでに手遅れで珠の救済のためには殺すしか手段が残されていないのかもしれない。
その時、彼女を介錯するのは自分なのかもしれない。それでも、思考放棄だけはしたくない。
最後の最後になるまで、希望を捨てたくはない。
自分を救い上げてくれた、生意気そのものな天才探偵のように。
そして、自分を信じて送り出してくれたーーー。
「そうだろう、圭ちゃん」
死した友の名を呼ぶ。皆のリーダーの答えは返ってくることはない。
裏切られ、失い、離別し、また失った。それでも前に進まなければならない。
残された想いを引き継ぐ。それがきっと自分の信じた道なのだから。
【神楽 春姫 死亡】
【大田原 源一郎 死亡】
【山折 圭介 死亡】
【D-3/草原/一日目・夜中】
【
八柳 哉太】
[状態]:異能理解済、全身にダメージ(極大・再生中)、疲労(極大)、精神疲労(極大)、喪失感(特大)、眷属化(小)、
[道具]:折れた魔聖剣■■■、聖刀神楽、八柳哉太のスマートフォン、山ネズミ
基本.生存者を助けつつ、事態解決に動く
1.圭ちゃん……。
2.アニカを守る。絶対に死なせない。
3.女王を何とかする。最悪の場合、珠に手をーーー。
4.いざとなったら、自分が茶子姉を止める。
5.ゾンビ化した住民はできる限り殺したくない。
[備考]
※虎尾茶子と情報交換し、
クマカイや薩摩圭介の情報を得ました。
※虎尾茶子が未来人類発展研究所関係者であると確認しました。
※リンの異能及びその対処法を把握しました。
※広場裏の管理事務所が資材管理棟、山折総合診療所の地下が第一実験棟に通じていることを把握しました。
※『隠山祈』及び『神楽うさぎ』の存在を視認しました。
※魔聖剣の真名は『魔王の娘』と同じです。
※神楽春姫のにより打刀は強化され、聖刀神楽へと進化しました。
※宝聖剣ランファルトの意志は消滅しましたが、その力は魔聖剣に引き継がれました。現在刀身が破損していますが、再生する可能性があります。
※『神楽うさぎ』が魔王の娘であることを認識しました。
※日野珠の異能『ワクワクの導く先へ(フェイトマイロード)』の対象外になりました。
【E-2/草原/一日目・夜中】
【
日野 珠】
[状態]:全身にダメージ(中)、女王感染者、異能「女王」発現(第二段階)、異能『魔王』発現、両目変化(黄金瞳)、女王ウイルスによる自我掌握、異能『村人よ我に捧げよ』発現
[道具]:H研究所IDパス(L3)、錠剤型睡眠薬、聖木刀ランファルト×2
[方針]
基本.「Z」に至ることで魂を得、全ての人類の魂を支配する
1.Z計画を完遂させ、全人類をウイルス感染者とし、眷属化する
2.運命線から外れた者を全て殺害もしくは眷属化することでハッピーエンドを確定させる
3.天宝寺アニカと八柳哉太は始末した。天原創らと特殊部隊、どちらの方に行こうかな。
[備考]
※上月みかげの異能の影響は解除されました
※研究所の秘密の入り口の場所を思い出しました。
※『Z計画』の内容を把握しました。
※『地球再生化計画』の内容を把握しました。
※女王感染者であることが判明しました。
※異能「女王」が発現しました。最終段階になると「魂」を得て、魂を支配・融合する異能を得ます。
※日野光のループした記憶を持っています
※魔王および『魔王の娘』の記憶と知識を持っています。
※魔王の魂は完全消滅し、残された力は『魔王の娘』の呪詛により異能『魔王』へと変化し、その特性を引き継ぎました。
※魔術の力は異能『魔王』に紐づけされました。また、願望器は白兎により剥奪されました。
※『空中浮遊』の魔術は呪厄により喪失しました。
※戦士(ジャガーマン)を生み出す技能は消滅し、死者の魂を一時的に蘇らせる力に変化しました。
※異能『村人よ我に捧げよ』が発現し、林流二刀剣術、剛躯、神技一刀、暗視をコピーしました。
※死者の魂を蘇生させる力により木刀に聖剣の力が宿り、聖木刀ランファルトに変化しました。
※願望器が白兎の願いを叶えたことにより、異空間を作成する力が喪失しました。
※80年前の人体実験犠牲者達の魂が願望器を使用し、終里元の59人の子供達全てが巣食うものに寄生されました。99%の確率で異常感染者になるHE-027の女王感染者に変化します。
※願望器は白兎によって摘出され、山折村内どこかに転送されました。転送先については後続の書き手様にお任せいたします。
◆
落ちていく。堕ちていく。底の見えない水の底に。淀んだ泥の中に。禁忌の領域に引き込まれていく。
魂と肉体が切り離されていく。目がないのに闇を感じ、耳がないのに静寂を感じる。
切り離されたはずの五感で感じる、奇妙な心地よさと正体不明の不快感。
ふわふわ、ふわふわ。
天と地の境界を漂い続ける。
描いていた未来予想図は白紙に戻され、抱いていた確かで仄かな想いは泡沫へと化し、何もかもが溶けていく。
………………
…………
……
どれだけの間、彷徨っていたのだろう。見上げた空はぼやけ、見下ろした空は透明な闇が広がっている。
ーーーずず、ずず……。
闇が蠢き出す。晴れ渡る地獄が唸りを上げ、伽藍洞を揺るがしていく。
恐怖を感じたのも束の間。漆黒が捩れ、歪み、脈動する。
ーーぞわり。
地の底這い出して来る数え切れない程の真っ黒な手。泥の中でうぞうぞと犇めく小さな小さな赤子の手が自分を引き摺り込んでいく。
『ーーーー』
闇の奥底。待ち構えてきたのは大口を開けた『ナニカ』。赤子の手を模した穢れの触手が深淵に引き込まれる。その直前。
六芒星が顕現する。輝きが不浄の手を掻き消し、辺りを仄かに照らす。
不思議なことに落下も止まり、落ちるしかなかったカラダが徐々に浮上していく。
自分のすぐ傍に気配を感じ、視線を動かす。そこに佇んでいたのは、男の姿をした影法師。
彼に導かれるまま、空へと昇っていく。上へ上へと昇り続け、ピタリと唐突に止まる。
止まった矢先、影と自分の前に光の粒子が収束し、ヒトの形を作り出していく。
『………!?』
顕れたのは二人の少女。一人は巫女装束を纏う長く美しい白い髪の、眠るように瞠目した女の子。
もう一人は白髪の少女と同年代ーー10歳くらいの影法師の女の子。
二人共横たわったまま、目を覚ます様子はない。
『ーーー!ーーー!』
影法師の男の様子が急変する。何かを叫びながら少女ら二人に近寄る。並んで眠りにつく彼女らを中心に展開される巨大な六芒星。
光と共に正体不明の巨大な力があふれ出す。生成されたエネルギーは眠り姫二人に注ぎ込まれる。しかし二人共動き出す気配はない。
『ーーーッ、ーーーッ!……ーーー』
しかし、影の男は諦めるそぶりは見せず、二重・三重と六芒星を重ねて力を注ぎ続ける。
その様子を漠然と眺める中、空から自分と影の男の前に落ちてくる。それはいつか見た白兎。
『無意味なことは止めたまえ。君程度の力では「彼女」は目覚めることはない』
声が聞こえたのか、影の男はピタリと動きを止める。そして、声の主であろう白兎の方に顔を向ける。
彼の視線を受け、ふわふわ毛並みの時計兎は眠りにつく白と黒の幼子に歩み寄り、顔を近づける。
『……やはり、彼女の本当の名前でなければダメだったか。叶えられた願いは中途半端だった』
嘆息する白兎。その様子を見て影の彼はおろおろと分かりやすく狼狽し、『自分に何かできることはないか』と言わんばかりに白毛玉へと強い視線を向ける。
彼の視線に何を感じたのか、白兎は影の男に穏やかな優しい目を向ける。
『安心してくれ。君が助け出した彼女が、君が繋いでくれた希望が君の娘を……女神様の忘れ形見を目覚めさせてくれる。
もう君の……私達の役割はここで終わりだ。後は今を生きる者達に託そう』
『ーーーー。ーーーー』
『ああ、安心してくれ。君の君の娘は責任をセーフティゾーンに連れていく。助け出した娘も地上へと送り届けよう。
不浄の地に二人をずっと置いていくのは、君の本意ではないだろう?』
当人にしかわからない会話がなされた後、白兎の周囲に光が集う。そして白と黒の姫と共に自分の魂と身体が白兎と共に天へと昇り始める。
『ーーー、ーーー?』
『君の一族の子孫……ああ、春姫か。彼女は歴代最高の『神楽』だったよ。それこそ、逃避のために人柱となった君を超えるくらいは、ね』
言葉を聞いて安心したのか。影の男が醸し出す悲愴な雰囲気がほんの少しだけ和らいだ。同時に彼の実体が徐々に薄れていく。
『さよなら、神楽春陽。あちらでいのりと再会できたらよろしくと伝えて。もう大人なんだから喧嘩しちゃダメだよ』
ふ、と影の男ーー神楽春陽から安堵の息が漏れる。薄れていく黒い身体が白に反転し、光の粒子に変わる。
彼の残滓は天へと昇っていく。光に続いていくように白兎も自分達を引き連れて『ナニカ』が巣食う深淵から離れていく。
切り離された魂と身体が結びついていく。重なり合う寸前、白い少女達の姿が目に入る。
ーーー微睡む。意識が淀み始める。現世へと還っていく。
「ん……うぅ……ここは……?」
固い床の冷たい感触で目を覚ます。辺りを見渡すと真っ先に目に入ったのは並んだ座席の数々。
窓は開けられ、生ぬるい風が肌を撫で思わず身震いする。ここに来たのは遠い昔のように感じられるが、実際には一時間ほど前にいた場所。
虎尾茶子が運転していた、マイクロバスの中。
『目が覚めたかい?』
不意に聞こえたのは女性の声。異空間の中で女王の魔の手から救い出し、落ちた先でも再びアニカを救ってくれた存在。
声の主を少女ーー天宝寺アニカは知っていた。
「Ms.Rabbit……!?」
『ああ、私だよ』
驚きの声を上げるアニカに白兎は親しみやすさを込めた優しい声を返す。
聞きたいことは山ほどある。なぜここにいるのか。自分と一緒に戦ってくれたMs.ハルはどうなったのか。
そして、鬼と戦っていた哉太はどうなったのか。
言葉を発する前に白兎が焦燥を顔に浮かべたアニカを宥めるように言葉を先取りする。
『落ち着いてくれ。私は聖徳太子ではないんだ。矢継ぎ早に質問されても同時に返答するのは無理だ』
「でも……」
『物事には順序というものがある。頼むから落ち着いてくれ。質問には必ず答えるからさ。
祀り上げられたとはいえ、真実を求める探偵なのだろう?いつも冷静な君らしくない』
「探偵」というキラーワードを使われ、年相応の少女は押し黙る。
オーディエンスが落ち着いたのを見計らい、白兎は冷静な眼差しに戻った探偵を見据える。
『結論から話そう。私は女王から願望器を簒奪し、御守りの力を使って願いを叶えた。
一つ目は「女王の身体から脱出し受肉しろ」。だが、無理やり摘出したのがまずかった。
そのお陰で願望器は半壊してしまった。あと一つの御守りを使えば、大きな願いは叶えられるが願望器は失われる。
……そうだね。願望器の事も話そうか。魔王の生み出した願望器は、壊すのはすごく簡単に叶えられるけど修復する願いを叶えるのは難しいんだ。
だから……いや、これは後で話そう。
それから御守りの事だね。これは私と望の力が込められたマジックアイテム。因果を捻じ曲げる力が込められたプラチナチケットみたいなものさ。
それを願望器にくべて願いを無理やり叶えさせた。それが原因で半壊してしまったんだ。万能に思える願望器でも綻びはあるわけさ。
例えば女王の事。奴は余りにも大きな力を手にした。だから、例えもう一つの御守りの力を使っても完全に消滅させることは不可能だ。
それから二つ目の願い。それは時空の狭間にほとんどの力を落としてきてしまった神稚児ーー「神楽うさぎの蘇生」。
御守りの力だけではなく、私自身という概念もくべて願いを願いを叶えさせようとした。
蘇らせるのは本物の神様だ。リソースは御守りだけでは足りない。地球と私の故郷を繋ぐ世界に神楽うさぎの本来の力が漂っていたから本来の機能を超えた願いを叶えられると踏んだのさ。
……結果は半分成功で、半分失敗といったところかな。因果を捻じ曲げて完全消滅した神楽うさぎの魂と肉体は無事再生した。……再生した、だけだ。
彼女は捻じ曲げられた力で時空の狭間に落としてきた本来の力を辿り、魔力器官の存在する「人間」へと転生した。君達と同じ、寿命80年ほどの存在にね。
だけど、彼女の本来の名前で叶えられていないから、仮で願いを叶えた形になり、「神楽うさぎ」はまだ、眠りについている。
……仮初の願いの猶予期間は凡そ二時間。それまでに願いを正確なものにしなければ「神楽うさぎ」の肉体と魂は再び消滅するだろう。
魔王と女神様……彼らの混血であり、厄災の底に眠っていた運命そのものを変える希望は潰えてしまう。
それに、私自身の存在維持ももう長くはない。もう一つのプラチナチケットの行方も探れない程に弱くなってしまった。彼女の降臨を待たずにして存在ごと消滅するだろう。
一度叶えてしまった願いのキャンセルは不可能だ。願望器が喪失しようともその結果は残り続ける。
女王が願望器とプラチナチケットを手にするか。願いがかなえられず、神楽うさぎが消滅するのか。それとも君達が最後の希望を手にするのか。その三択だ。
ーーーー君達に、世界の命運は託された』
【E-3/草原・マイクロバス内/一日目・夜中】
【
天宝寺 アニカ】
[状態]:異能理解済、衣服の破損(貫通痕数カ所)、疲労(極大)、精神疲労(大)、悲しみ(大)、虎尾茶子への疑念(大)、強い決意、生命力増加(高魔力体質)、眷属化(小)
[道具]:金田一勝子の遺髪、白兎
[方針]
基本.このZombie panicを解決してみせるわ!
1.与えられたHappy endなんか認めない。運命を切り開いて、私達のTrue endを切り開いて見せるわ。
2.Ms.Rabbitと一緒に真実と運命を変える『カグラウサギ』のTrue Nameを推理しなくちゃ!
3.まずはMs.RabbitからHearingをしましょうか。
[備考]
※虎尾茶子と情報交換し、
クマカイや薩摩圭介の情報を得ました。
※虎尾茶子が未来人類発展研究所関係者であると確認しました。
※リンの異能を理解したことにより、彼女の異能による影響を受けなくなりました。
※広場裏の管理事務所が資材管理棟、山折総合診療所が第一実験棟に通じていることを把握しました。
※犬山はすみが全生命力をアニカに注いだことで高魔力体質となりました。
※『神楽うさぎ』の存在を視認しました。
※厄溜まりにて神楽春陽の魂と接触しました。
※白兎が御守りを用いて願望器を使用したことにより時空の狭間に神楽うさぎの肉体と魂が蘇生されました。
※白兎の願いは蘇生先の真名不明のまま叶えられたため、2時間後に無効になり神楽うさぎの肉体と魂は消滅します。誰かが彼女の真名を答えることで願いが受諾され、神楽うさぎは蘇生されます。
※願望器は無理に女王から摘出されたことにより半壊し、白兎の御守りを使って願いを叶えれば消滅します。
※白兎は2時間経過後に消滅します。願望器でも蘇生は不可能です。
※神楽うさぎが魔王の娘であることを認識しました。
最終更新:2024年07月07日 19:28