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264 : 転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A : : 2006/07/03(月) 00:24:02 ID:??? [692回発言]
   四章 割られた鏡 ルート

   結奈はその日に川瀬に会うことは諦め、明日再び川瀬に会いにくることにした。

   次の日の昼休み。香澄と一緒に川瀬に会いにいく途中、結奈は慌てていた村崎とぶつかる。
   村崎から保健室の鏡が粉々に壊されていたこと聞かされて誰の仕業かと気になるが
   早く川瀬を捕まえなければいけないことを思い出し、村崎と別れる。
   だがその日も結局川瀬には会えずに終わった。

   翌日、学園中の鏡が割られた事件についてクラスメイトから聞かされてる最中、
   校内放送で川瀬が校長室に呼び出される。

   「どうする、結奈?」

   「これは校長室に行ってみるしかないよね。」

   こっそり校長室を窺う結奈と香澄。
   校長室では、川瀬が学園中のほとんどの鏡が割られた事件の犯人ではないかと校長から問い質されていた。
   鏡が割れた現場で川瀬を見た証言が原因らしいが、本人が否定するにも関わらず
   話が退学にまで及んでることに腹が立ち、我慢できなくなった結奈は校長室に入る。

   「ちょっと待ってくださいっ!」

   「なんだい、いきなり? お前さんは確か……。」

   「1年C組の桐沢結奈です! 今の話、聞かせてもらいました。
   本人が違うって言ってるのに、いきなりなんてひどいじゃないですか!」

   校長は入学式の日に続き、またも事件に絡んできた結奈を
   騒動に首を突っ込みたがる子だと評して呆れつつ、
   私も川瀬くんを退学にしたいわけじゃない、しかし
   先生方を抑えるにはそれなりの条件を出さなきゃならないんだと本心を言う。

   「じゃあ、私が真犯人を捕まえてみせます! それなら、文句はありませんよね?」

   一枚や二枚じゃなく、学園中の鏡が割られるなんて普通じゃない。
   ただの愉快犯ではなく何か目的があるはず。
   私たちがそれを突き止めてみせると宣言する結奈。

   「…わかったよ。そこまで言われちゃ、私も先生方を説得しないわけにはいかないね。
   ただし、いつまでも任せちゃおけないよ。期限は一週間。
   それまでに、なんらかの答えを出しとくれ。」

   校長室を出た後、川瀬からなんで俺をかばうんだと聞かれた結奈は
   八犬士に関する話を彼にするが、俺には関係ないしそんな話信じられるかと突っぱねられる。

   「とにかく、俺は降りかかった火の粉は自分で払う。ほっといてもらおうか。」

   その言葉を言い終わると川瀬はさっさと立ち去ってしまうが
   川瀬のことを放っておくことのできなかった結奈は、香澄と別々に学園内を回り、聞き込みを開始した。

265 : 転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A : : 2006/07/03(月) 00:25:27 ID:??? [692回発言]
   聞き込みの結果、事件についてはある程度詳しくなった一方で、
   本来の目的である、川瀬の無実の証明となるような情報は入手できなかった。
   こうなると残る手がかりは川瀬の姿を事件現場で見たと証言した人物しかない。
   結奈と香澄は再び校長室へ行き、証言者が誰なのか尋ねることにする。

   校長から証言者は高等部3年生・三船梨沙だと聞かされた結奈は
   三船から直接話を聞くため、香澄と二手に別れて、彼女を捜し始める。
   そんな折、結奈が三船を捜してるとどこからか聞きつけた桧山が
   体育準備室のほうへ歩いていく三船を見かけたと教えてくれる。
   そして桧山と一緒に体育準備室へ行ってみるのだが、そこには誰の姿も見当たらない。
   念のためにと室内をくまなく捜してみるが、それでも三船は見つからなかった。

   「なあ、そっちの机の下は、どうや?」

   「はい、えっと……ひゃああ!? なななな、なに!?」

   机の下からひょっこり現れたのは、業羅と同じ気を持つ大きな蛇だった。

   「いよいよ、八犬士の力の見せ所ちゅうわけやな。いっくで~!」

   二人きりの戦闘やや苦戦しながらもなんとか大蛇を倒すと、背後から三船が姿を見せる。

   「なんでなのよ……。せっかく片付けてあげようと思ったのに。それなのに……。
   なんで、失敗するのよ!?」

   鏡を割った理由を聞こうとして三船の顔を見た結奈は息を呑む。
   彼女の顔面には、蛇のウロコのようなものが浮き出ていた。

   業羅の力を派手に使ったから隠し切れなくなったんだろう、
   人の目には見えなかっただけで、鏡にはずっと映っていたはず、
   桧山の推測を聞いた結奈は、三船が学園中の鏡を割った理由に気づく。

   「どうして、そんな顔をするの? アタシの顔が醜いとでも言うの!?
   アタシは醜くなんかない。醜くなんか……醜くなんか……。
   アタシは、誰よりも美しいのよ!」

   狂乱した三船は結奈に襲い掛かる。

266 : 転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A : : 2006/07/03(月) 00:28:53 ID:??? [692回発言]
   結奈の危機を間一髪のところで川瀬が救う。

   「危ないところだったな。借りは返したぞ。」

   「あ、ありがとう。でも、どうしてここに?」

   「話はあとだ。まずはあの化けモンをなんとかしねえとな。」

   「アタシの秘密を知ったやつは生かしておけない」、殺意を見せる三船に対抗するため
   結奈は川瀬にせかされるまま彼を覚醒させて、三船に立ち向かう。

   戦闘に勝利した後、なぜそんな力を使えるようになったんだと三船を問い詰め始めたとき、
   全身をマントで覆った謎の人物が現れて、三船をさらって逃げてしまった。
   ここは深追いしない方がいい、第一もう追いつかないと桧山から言われて
   ガッカリする結奈に川瀬が声をかけてくる。

   「なに、川瀬くん。」

   「いや、その、なんだ……。テメェには……感謝してる。」

   「ううん、いいの。前にも言ったけど、私は理不尽な処分に納得できなかっただけだから。」

   「そうか。けど、まあ……ありがとな。それだけ言いたかった。じゃ、じゃあな!」

   「……やれやれ。ホンマ、不器用なやっちゃな。
   けどまあ、これでまた八犬士の仲間がひとり増えたっちゅうことやな。」

   「ええ、そうですね。」

   校長には、学園内に入り込んだ不審者が犯人で、その犯人を捕まえようとしたけど逃がしてしまったと説明。
   桧山が証人なってくれたこともあり、なんとか信じてもらうことができた。

   (それにしても……三船先輩をさらったあの人は、一体?)


   夜の屋上では、いつものように、主に報告をするあかねの姿があった。

   「八犬士は、残り二名です。」

   「ようやく、ここまで来たか。次の舞台の用意は?」

   「万事、問題なく。」

   「聞くまでもなかったか。」

   「はい……。」

267 : 転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A : : 2006/07/03(月) 00:29:27 ID:??? [692回発言]
   四章 散らないサクラ ルート

   学校でこれ以上川瀬を捜してみても意味がないため、
   結奈は香澄と桧山と共に、直接本人の家へ向かうことにする。

   川瀬の家へ行く途中、美しく咲き誇った学園内の桜に目を留める三人。
   桧山は他の桜がほとんど散ってしまっているにも関わらず、学園の桜だけが
   いまだに咲き続け、いっこうに散る気配のないことを訝しがる。

   「この学園だけ、か。なんや、事件の匂いがする感じやな。」


   川瀬の家を訪ねるてみるも、留守で会えなかったため
   明日の朝、また学校で川瀬の教室へ行ってみることにしたのだが
   次の日の朝と昼に川瀬の教室へ寄ってみるも、既に彼はどこかへ移動した後ですれ違ってしまう。
   授業には出ていたらしいので、一応学校には来ているらしいのだが…。
   こんな調子では放課後も会えない可能性が高い。
   結奈と香澄は残りの昼休みを使って、手分けして川瀬を捜すことにした。

   いくつかの場所を回った後、ようやく屋上で川瀬と会うことが出来た結奈は
   八犬士の話を説明して、私たちに力を貸して欲しいと頼み込むが、信じてもらえない。

   「信じられるか、そんなバカな話。第一、俺には痣もねぇよ。」

   「その痣は私にしか見えないの。川瀬くんの背に、確かにあるんだよ!」

   食い下がる結奈に、川瀬はひとつの条件を出す。
   それは、学園の桜の木がどうしていまだに満開なのか
   その原因を突き止めたら、痣を確認させてやってもいいというものだった。

   結奈は桜になにかあるのかと気になるが、川瀬は
   俺個人の思い出があるだけとしか言わず、それ以上は答えない。

   「約束、忘れないでね。突き止めたら、だよ。」

   「俺は、約束は破らない。……テメェはどうだか知らねぇがな。」





268 : 転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A : : 2006/07/03(月) 00:31:04 ID:??? [692回発言]
   放課後、結奈は香澄と学園の桜の木を調べるが、幹も花も特に変わった様子はない。
   ただ、地面に花びらが落ちてるにも関わらず、花が減った様子が全くなかった。

   (ん? ここの地面……。ちょっとだけ色が違う?
   普段はここまで人が近づかないからかな?)

   桜を調べると、熱心に桜を見ている二人が気になったのか
   3年の三船梨沙が声をかけてくる。

   「ふたりとも、この桜がどうかしたの? ずいぶん熱心に見ていたけど。」

   「えっと……この桜、ずっと満開でしょう? 不思議に思って。」

   「三船先輩は、なにか知ってますか? この桜について。」

   「さあ、特別なことは知らないわ。今年はずいぶん長く咲いてるとは思っているけど。
   でも、いいんじゃない? こんなに美しいんだもの。
   己の美しい姿を皆に見せたいと願う。それは、この世にある欲求のひとつよ。
   美しさは永遠であるべき。アナタたちもわかってるんじゃなくって?」

   三船が立ち去った後、香澄が桜の枝に引っかかっているリボンを見つける。
   香澄はそのリボンを職員室に届け、結奈はまだ校舎に残ってる人たちに
   桜についての話を聞くことになり、二人は別れた。

   その後、香澄と図書館で合流するも、お互いこれといった収穫はなし。
   強いて言うなら、古典の教師から聞いた、昭和初期の小説が元になった
   「美しい桜の下に死体が埋まっているというのは、根元に埋められた死体を養分として花を咲かせるから」
   ということくらいかなと言う。

   「最近、街とかこの学園で、家出とか行方不明事件が多いみたいだから。
   その先生も、そんな連想したのかも。」

   香澄の話を聞いてる最中、結奈はふと、
   先ほど拾ったリボンを香澄がまだ持っていることに気づく。
   なんでも、職員室で遭遇した村崎が数学の問題集をうっかり床にばらまいてしまい
   それを手伝っていたため、届けるのを忘れてしまったらしい。

   「先生、相変わらず苦労してるんだね…」

269 : 転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A : : 2006/07/03(月) 00:31:50 ID:??? [692回発言]
   そこへ桜について調べてる二人を不思議がる桧山がやってくる。
   桧山に川瀬から出された条件のことを話すと、桧山も手伝ってくれることになった。

   「ほな、まずはどないすんのや?」

   「正直、手がかりがないんです。木を調べたりしたけど、別にごく普通でおかしな点もないし。」

   「そういえば、一応、このリボンはそこで拾ったものですけど、関係はないですよね。」

   「あれ? それって……。」

   リボンを見せられた桧山は、心当たりがあるような様子を見せる。
   桧山によると、そのリボンは同じクラスの女子生徒がよくつけていたものと同じであり
   しかもその女子生徒は1週間前から行方不明の状態だった。
   表向き家出ということになってるが、非常に真面目な子だったため
   事件に巻き込まれたという話も出ているという。

   「……行方不明、連れ去られる。桜の木……、まさか?」

   さっき桜の木を調べたとき、桜の根元の地面の色が、他の場所とは違っていたことを思い出す結奈。
   もしかしたら一度掘ってまた埋めたらからなのかも…
   そう考えた彼女は、地面の色が他と違っていた部分を掘ることにした。


   (女の子っ! 根っこに絡みとられてる……!)

   結奈の考えた通り、桜の木の下にはリボンの持ち主である
   桧山のクラスメイト、芦屋音々が埋まっていた。
   結奈はまだ息のある音々を助けるため、音々に絡んでいる根を切り払おうと
   スコップを叩きつけるが、根は突然動き始める。

   「根っこやない、蛇や!」

   普通の蛇では考えられない程の跳躍を見せる大蛇。
   それが業羅だと思い当たった結奈たちは大蛇と戦い、音々を救い出した。
   すると桜の花がいっせいに散り始め、一人の女が現れた。

   「アナタたちのせいよ。
   桜の永遠の美しさを邪魔するとは、あなた、すいずんと無粋ねぇ。」

270 : 転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A : : 2006/07/03(月) 00:33:09 ID:??? [692回発言]
   「三船先輩!?」

   音々を埋めたことを肯定した三船は
   悪びれるどころか、自慢でもするように手口を話し始める。

   「彼女、この桜の美しさがずいぶんとお気に入りだったみたい。だから、その糧にしてあげたの。
   彼女の生気を吸い取って自らの養分とし、光合成で作り出した酸素と
   根から吸い上げた水を彼女に与えて生かす。そして、また生気を吸い取って……。
   フフ、完璧でしょう?」

   「いまなら、まだ間に合うわ。芦屋さんと八尋さんと、桐沢さん。ついでに桧山くんも。
   アナタたちのその生気があれば、桜はまた、その美しさを取り戻す。」

   蛇を使って、桧山と香澄を捕らえた三船は、まずはあなたからと結奈に手を伸ばした。

   「大・丈・夫、痛くしないから。」

   この後は割られた鏡ルートと大体同じ展開なので省略。
   (襲われた結奈を川瀬が助け、彼を覚醒させて三船を倒すが、三船は謎の人物に連れ去られる)

   三船が連れ去られた後、どうしてここに来てくれたのかと結奈に聞かれた川瀬は
   助けに来たと思ってるなら違う、この桜を見に来ただけ、
   そして桜についてもこれ以上答える気はないと返答する。

   「で、どうするんや?
   八犬士としてこれで証明されたわけやし協力してやってくんか?」

   「……俺が約束をしたのは桐沢だ。お前らと馴れ合うつもりはねぇ。」

   「じゃあ、私個人に協力して。
   それがひいては、八犬士として協力してもらうことになるから。」

   「わかった。……テメェを守るってことなら、やるだけ、やってやるよ。」

   「うんうん。これでまるーく収まったな。」

   意識を取り戻した音々を皆が保健室に運ぼうとしたとき、
   桜がすべて散ってしまったことを知る結奈。
   残念な気持ちが芽生えるが、すぐに考えを改める。

   (ううん、これでいいんだ。限りある綺麗なものだって、たくさんあるんだから)

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最終更新:2011年05月15日 01:35